このレポートはUSB DDCにDouble OCXOから10MHzマスタークロックを入力した結果と考察です。間違いがあればご指摘いただけるとありがたいです。私の環境
最初の日記「デュカロンDACとプロセスカットPC」2018年04月03日からほぼ4年、コストは1割で目標到達できました。コクがあり滑らかで香しい音です。
デュカロンDACは音楽再生用に特化したクロックを44kHz系統と48kHz系統の2個乗せてました。手巻きのトランスによるI/V変換ということもあり、最終価格は250万円以上になっていました。DuCULoN(Dual Crystal Ultra Low Noise OCXO)は双子の水晶片を共振させ、超低位相雑音を実現した水晶発振器です。NDK技術情報
OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)は温度で変化する水晶片の振動を、恒温槽で一定に保つ構造の最も高精度な水晶発振器です。この恒温槽を2重にしてさらに安定させたのがDouble OCXOとなります。
音楽再生用クロックの性能は低周波の位相雑音で決まり、1から100Hzくらいが重要だと言われています。原子時計のように3000年で1秒しか狂わないという長期精度は必要ありません。音楽のピッチはクロック精度とは無関係。
デュカロンの低周波位相雑音は他のOCXOとそれほど差がありません。
違いはデュカロンがワードクロックとして働くため(そのため44kHz系統と48kHz系統の2個必要)、10MHzマスタークロックからワードクロックをPLL合成する手間と劣化が防げることです。
最近のPLL(Phase Locked Loop)回路の進歩でこの劣化(ジッター)が気にならないくらいまでになりました。
マスタークロックの電源ノイズはBNCケーブルで DDC – DAC – アンプ と伝わります。GaN_PDなら数100kHz、SiCは数10kHz、リニアなら100Hz/120Hz以上のスイッチングノイズを出しますので、これが音楽に乗って個別の電源ユニットの音色・キャラクターとなります。
(3月11日追記:マスタークロックはさらに高周波の10MHzのため、放射電磁ノイズ対策のあるBNCケーブルが良いと思います。)
矩形波が要求されるワードクロックと違って10MHzマスタークロックは正弦波が多いのですが、わざわざ矩形波に変換しているものがあります。一聴すると高音が強くキレが良くなったように感じますが、同時に歪感も出てきます。波形変換回路によるノイズと劣化が原因だと思いますが、矩形波自体が正弦波に高次高調波(ある意味ではノイズ)を加えたもの、ということもあるかもしれません。
(ウィキペディア「矩形波」から引用)
位相雑音は周波数領域で表現した周波数の不安定さで、ジッターは時間領域における信号波形の揺らぎで、同じ現象です。詳細は以下のPDFをご覧ください。
ジッタと位相雑音 – Epson crystal device
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