学びの多い一日となりました―バズケロ邸初訪問記

日記・雑記
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学びの多い一日となりました―バズケロ邸初訪問記

「鬼の住処」とか「魔界」とか(笑)、いろいろとおどろおどろしい前評判(?)の多いバズケロ邸に初訪問してまいりました。手練れのヒジヤンさんとご一緒させていただいたので、玄人目線のレポート(とどめ?)は彼に任せまして、筆が早いのだけが取り柄の私は軽く「一番槍」をつけておきたいと思います(汗)。

前にもどこかに書きましたが、私はまだまだ「他流試合」経験が少ないので、「絶対オーディオ音感」が形成されておらず、他人の家の音は、自分の家の音との比較でしか語ることができないレベルの素人です。しかも「自分の家の音」というのは、メインは伊豆のAuro3Dシステムなので、かなり特殊で、個人的には2Dの世界(2chや5.1ch)とは比較の対称性が全く取れていない、「別種」のものだと思っています。それゆえ、今回は「2chの大家」のお一人と見做されているバズケロさんのところに伺う前に、1週間近く(笑)拙宅の2ch(Octave V70 Class A+Amator IIIと、ISP MK2+Sonetto VIII+SW)を聴きこむ、という「直前特訓」(笑)をしてから、「対決ソフト」を慎重に選んで、当日を迎えました。

さて、前置きが長くなりましたが、ご存知の方も多いと思いますが、バズケロ邸にはハーベスとJBLという、大西洋を隔てた2大ブランドのスピーカーをそれぞれ別のお部屋に設置してあります。「普通の」お客さんは、ハーベスは前座で、JBLが本命のようですが、今回私的には「本命」はハーベスでした。というのも、以前バズケロさんが伊豆の拙宅にお見えになった時、Amator III(当時はまだOctaveではなく、D級パワーアンプ)の音を聴いて、「ウチのハーベスといい勝負をするかも」というような「挑発」(笑)をしていただいたので、その後、Octaveでパワーアップ(?)を果たした拙宅のAmator IIIとの聴き比べを楽しみにしていたからです。とはいってもJBLに無関心というわけでは決してなく、JBL+マッキンという誰もが一度はあこがれる(?)黄金の組み合わせの「横綱」に対し、拙宅のDirac Liveというハイテクで武装したSonetto VIII(しかも、バズケロさんが拙宅にお見えになった時は、ただのバイアンプだったものが、その後、Hiがシングル使い、LowがBTLのバイアンプに変わっています)+3SWという「前頭筆頭」がどこまで挑めるかにも興味はあり、それなりのソフトを用意して聴き込み十分の体制で伺いました。

写真1.[:image1:]

まずはハーベス。この写真を撮った理由は、この窓越しに見える借景に感動したからです。私は(恐らくバズケロさんも同じ感性)、オーディオは聴覚だけでなく「視覚も大事」と考える立場で、部屋も含めたデザインや調度類は、聴き手の精神状態に影響するためその「精神」が吸収する音の消化具合にも影響する、と信じています。その立場から見ると、このリスニングポイントは素晴らしい(音を聴く前から!=笑)。これで『田園』でも聴こうものなら、18世紀のドイツにトリップできそうです(笑)。

で、肝心の出音ですが、最初にいくつかバズケロさんお勧めのディスク(ボーカルものや弦など)をかけていただいたのですが、正直言って最初は「へ、そこまでじゃないじゃん」(ご心配なく、後でフォローします=笑)と内心思いました。ボーカルの口はAmator IIIに比して大きいし、弦楽器の響きも部屋中には行きわたらない(音量が小さいのもあると思います、とバズケロさんにもお伝えしました)。SWなしだと低音の豊かさがほとんど感じられないし(聴感上の低音に関してはAmator IIIの方が豊かだと思う、とお伝えしました)。お手製のおいしいコーヒーを出していただいたこともあって、「なんか、雰囲気のいいしゃれた喫茶店みたいだな」と思っておりましたです、ハイ。

ところが!、私がお願いして(先の東京のオーディオショーで仕込んできた知識に基づく=汗)、窓にカーテンを引いてもらいましたところ、一変!

写真2[:image2:]

俄然、「喫茶店」が「オーディオルーム」になりまして(笑)、ボーカルの口がまとまりました(2Wayブックシェルフに対する私のこだわりポイントの一つなんです)。実は、夜の部で、この左側のカーテンを全閉にして(写真撮り忘れました)、帰る前にもう一度ハーベスの音を聴かせていただいたのですが、その時はさらに「朝一よりいい響き」(マルチに取り組んでいる人は、これに敏感なんです)を感じられました(ご本人にもお伝えしました)。素人の私には「なぜか」を説明する知識はありませんが、駄耳がそう感じたことだけはご報告しておきます。

さらに感動したのが、アナログレコード再生モードに入って、モノラルレコードを聴かせていただいた時(サラボーンでしたっけ?ビリーホリディ?)。音が熱い・厚い。しかも、ステレオ針で聴くのと、アナログ針(こんなのがあるのは知りませんでした)で聴く音の違いを体験させていただいて、ステレオ針でモノラルレコードを再生する音の「散漫さ・薄さ」が分かり、二度びっくり!私は度重なる引っ越しでアナログレコードをほぼ捨ててしまいましたので、レコード再生の世界は敬して遠ざけてきましたが、「モノラルなら復活アリかも」と感想を言ったら、バズケロさんに、「秋葉原の某ショップが手ぐすねを引いて待ってますよ!」と言われてしまいました。アブナイ、アブナイ、「君子危うきに近寄らず」(笑)。

このお部屋ではもう一つ「発見」があって、それはこの写真。

写真3.[:image5:]

これはアキュの古いプリアンプを置いてある台なのですが、よく見ると「浮いています」。つまりマグネットで浮遊させて振動を伝えないようにしてあるもので、これ自体は他でも見たことがあるのですが、「なぜにプリに?」。普通、振動をカットしたいのはレコードプレーヤーとかSACDプレーヤーのような振動に弱い音源じゃないでしょうか。バズケロさんにお尋ねすると、「これは古いプリなので、最新のもののような振動対策がされていない。プリにも振動は大敵なんだよ」と。大枚はたいて買ったISP MK2の上に、回転体のOPPO205を無造作に置いている拙宅を顧みて、恐れ入りました…こういうところを「鬼」というのでしょうね(笑)。

で、「普通のお客さん」がハーベスの前で過ごす倍以上の時間(バズケロさん談)を使った後に、JBL部屋へ移動。ここは完全防音の「本気部屋」。石井式(K&Kさんに教えていただいたにわか知識です=汗)らしき、壁の造作と勾配天井。床面積は10畳ぐらいでしょうか、そんなに広くはなく、横方向にJBLを置いているので、一辺が2Mぐらいの正三角形の頂点にあるニアなリスニングポイントのうしろはすぐ壁です。

写真4、5[:image7:][:image8:]

「まずは、ここに座ってください」と言われたときに、正直申し上げて内心躊躇しました(笑)。だって、あの大型のホーンがこちらを睨んでいて(内ぶり設置)、距離は2Mもないぐらいと、このスピーカーのサイズを考えれば相当近い。しかも椅子のすぐ後ろは壁で音の反射がきつそう。さらにパワーアンプがブルーアイズなので、「思いっきり迫ってくるに違いない」。「いやー、鼓膜大丈夫かな?」と内心ビビりまして(笑)、まるで拷問台に乗せられる気分でした(汗)。

覚悟を決めて(笑)座りまして、まずはボーカル。「お、こっちの方がハーベスより口が小さい」と口走りました。「こちらの方がセッティングをギリギリまで詰めてますから」とバズケロさん。納得の感想のようです。

次にピアノ。これはさすがホーン型がこっちを睨んでいるだけあって(笑)、かつ電源周りも整備しておられるそうで(私にはまだよくわからない世界のお話ですが=汗)、静かで力強い(この一見矛盾する表現はハイエンドオーディオに取り組んでおられる方はわかると思います)、魅力的な音でした。そして次々と弦楽器なども聴かせていただきましたが、「耳が痛くならない」。不思議に思って見渡すと、どうやらこのシートと後ろの壁に秘密がありそうだと思いました。

先の写真にあるように、シートの後ろの壁の左右は、石井式で言うところの「吸音ゾーン」となっています。そしてこのシートは耳の高さまであるハイバックタイプのもので、普通は「真剣聴き」をするオーディオルームには「ふさわしくない」と言われるものです(某オーディオショップの店員さんに教えていただいたネタ。要するに「ダンボ」のようにしては音が耳元で反射するので、音質も音像も乱れるとか)。ところがこの椅子はファブリックで、恐らく中にはスポンジのような吸音素材が入っていそうです。「なるほど、ちょうど一次反射をしそうな後ろの壁の位置とシートで吸音しているんだな」と自分なりに理解しました。これは参考になる方も多いかと思います。

ここまで聴いてきて、「なんか、JBL&マッキンらしくないなあ=いい意味で=笑」と思っていたので、仕込んできました持参のソフトを再生してもらいました。それはこれ。

写真6.[:image9:]

これはダイアストレイツという、自分が大学時代に少しはやったイギリスのロックバンドで、イギリスらしい「ちょっと斜に構えた」音楽が魅力なのです。「悲しきサルタン」というヒット曲がありますので、聞いたことのある人もいると思います。このアルバムは全英1位にはなりましたが、日本ではそこまでヒットしませんでした。ただ、録音が素晴らしく、これはSACDの2chです。

15分近くもある、1曲目を聴きました。うーん、突き刺さるシンバル、乾いたドラム音。これ、これですよね、JBL&マッキンは(笑)。しっかり堪能させていただきました。

先にお帰りになるヒジヤンさんを送って戻られたバズケロさんと地元の自然薯で有名なお店で夕食をご一緒させていただき、再度戻って、明菜ちゃんの「スローモーション」をハーベスで聴いてお開きとなりました。

初心者ですので、お詳しい方には物足りない「訪問記」だと思いますが(汗)、そこは後程ヒジヤンさんからフォローがあると思いますので、そちらをお楽しみに!

今回は学びの多い一日となりました。バズケロさん、愛犬ともども(笑)遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました。最後に、バズケロさんの音やオーディオに対するスタンスを体現しているであろう、象徴的だと思った廊下のオーナメントの写真を。

写真7.[:image4:]

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