オーディオ界における、「定番の組み合わせ」考

日記・雑記
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今日は実験報告ではなくて(写真もありません…)、すこし(珍しく=笑)、<オーディオあるある>を改めて考えてみたいと思います(実は、お客さんの到着を待っていて、少し暇なので=笑)。

先日、CENYAさんとtaketoさんがお見えになり、拙宅の2chシステムの主戦の、SONUS FABER Electa Amator IIIとOctave V70 Class Aという組みあわせの音を聴いてお帰りになられました。その後、CENYAさんがユニークな(笑)訪問記を書いてくださり、そこでのレスのやり取りの中で、「OctaveのV-70SEとB&Wの805SDの組み合わせ」で2ch再生を楽しんでおられる、genmiさんという方のお話をされておられました。

私は新参者なので、残念ながらこのgenmiさんという方とこのPhilewebでは入れ違いになったようで面識はないのですが、CENYAさんやtaketoさんの書きぶりによると、拙宅の2chの音とはかなり方向性が違うようでした。

そこでふと、記憶がよみがえったのが、このAmatorIIIとV70 Class Aをそれぞれ別々に購入した際に秋葉原の某大手ショップで繰り返し比較試聴をさせていただいた時に、ベテランのS営業部長さんに言われたことなんです。いわく、「この業界には<定番の組み合わせ>と呼べるようなものがいくつかある」とのことで、そのうちの一つが、<SonusとOctave>だと。他には?と伺うと、「まあ有名どころでは、昔からJBLとマッキンは鉄板です。それからB&Wにはアキュフェーズですね。あと、最近は昔ほどは売れなくなりましたが、TANNOYとLuxmanやUesugiあたりの真空管アンプも定番中の定番でした」と。この道何十年の営業マンですから、経験的なものでしょう、この言葉に疑う余地はありません。

さすがに私レベルのものでも、<JBLとマッキン>だけは知っていましたが、他は聞いたことがあるようなないような。でもそういわれて、いろいろなオーディオ雑誌や、オーディオショーや、各ショップの、アンプ・スピーカー以外の新製品試聴会や、そしてこのPhilewebの皆さんのシステムを拝見しても、確かに、これらが多数派の組み合わせであることは確認できます。私は、Sさんに、「何か、合理的な理由はあるのですか?」と伺ったところ、「<TANNOY+真空管>だけは、真空管アンプの低出力でも十分鳴らせられる古き良きTANNOYの高能率、という合理的な理由がありましたが、他は、たとえば、アメリカでは日本と違って<Sonusにはマッキン>が定番化していますが、これは両ブランドの販売ルートがアメリカでは同じだという、主にマーケティング上の理由からです」

なるほど、そういわれてみると、最近TANNOYとの組み合わせでよくショップやショーなどで見るのは、エソテリックとの組み合わせだが、これは「マーケティング上の理由」からということか。いわれてみれば、他にも、Focal とLuxmanなんかもそうだ。

しかし、そう考えると逆に、「大人の事情」とは関係なく「定番化」している、<JBL+マッキン>、<Sonus+Octave>、<B&W+アキュ>というのは、なぜなのか?オーディオは多様な聴き方・楽しみ方があり、ユーザー側の好みの音楽も、好みの音色も、部屋やその他の機材も全く別々だというのに、Majorityの組みあわせがあるということは何を意味するのか?

先の例に戻せば、genmiさんという方は、敢えてかどうかは知る由もないが、この「定番」からは外れておられる組み合わせだ。アンプをアキュにするか、スピーカーをSonusにすれば、「定番」なのだが。逆に、私は「定番中の定番」を選んでしまった(笑)。これまでも何度も書いているが、私はオーディオ雑誌などをほとんど読まない、「ライトユーザー」なので、この二つのメーカーの組み合わせが「定番」であることすら知らなかった。もちろん、同時に購入したわけではなく、先にスピーカーを物色し、音色から、Sonusを選んだ。相棒として当初は、手持ちのLuxmanのアンプを組み合わせていた。その後、他の機器のグレードアップが一巡して、なんとなくこちらもテコ入れがしたくなり、アンプの入れ替えをしたわけだが、その際には数多くのアンプを試聴させていただいた。しかもブラインドで(詳しくは拙日記にある)。

だから、私は最初から、Amator IIIの相方としてOctaveに目を付けていたわけではない(そもそも、この組み合わせが<定番>であることすら知らなかったわけだから)。

実は、Octave購入後、この二つのブランドの組みあわせが「定番」だと知らされて、天邪鬼な私は(笑)、「同じくらい気に入って迷った、Chord のUltima 6にしておけばよかったかな?」とちょっと思った。だって、その方が「通」っぽいでしょ?(笑)。この組み合わせだと、「どうせ、雑誌や店員の情報を鵜呑みにして買ったんだろ、素人め!!!」と疑われかねない(爆)。

まあ、一般に、オーディオ機器の組み合わせを考える時のフィロソフィーには、二通りあって、ひとつは、「長所を伸ばそう」というもの。これは例えば、高音の澄んだ音が気に入ったSPに対して、さらに透徹したような清々しさを与えることのできるアンプを組み合わせるような。もう一つは、「短所を補ってオールラウンダーにしよう」というもの。これは例えば、低域だけが今一つのSPに対して、豊かな低音再生能力を持ったアンプをあてがおうという感じ。

で、ここまで来て提示する本日のお題は、「定番の組み合わせ」とは、このどちらの戦略を取っている組み合わせなのか?というものです。

他の人が選んだ理由は知らず、ただ、私がAmator IIIの相棒に、V70 Class Aを選んだのは、「長所を伸ばす」(実は、これ、私の教育上の方針=笑)ためです。皆さんはいかがでしょうか?なぜ、今のSPとの組み合わせに、このアンプを選んだのか、後学のために良かったらお聞かせください。

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