PHILE WEBコミュニティへの感謝とお別れについて

日記・雑記
Sponsored Link

 PHILE WEB コミュニティ1年生のdonguriは、生まれて初めてオーディオファイルと言ってよい方のお宅に伺い、その音を体験する機会を得ました。なんでも初めてという体験はインパクトが大きいもので、さまざまな思いが湧いてきました。
 donguriが、クラシック音楽を聴き始め、再生機器にも興味を持ち始めた20代の後半に、五味康祐(ごみこうすけ:Wikipediaではやすすけとされているが、著書原本ではこうすけである。また祐の衣編も旧字体の示となっている)のエッセイ集「いい音いい音楽」に出会いました。この著書の内容に感銘を受け、その後40年以上、ひたすらいい音楽との出会いに集中し、再生機器にはこだわらない事を信条としてきました。その本の結論は、「“楽器”としてのスピーカー」という小文に書かれております。以下やや長いですが、一部引用、掲載させていただきます。
 「四十年余の、わが音キチの人生をかえりみて、私は言う。再生装置で最も重要なのはスピーカーを選ぶことである。・・・だがどれほど装置に大金を投じようと、唯一絶対な装置というものはない。聴きこめばかならず不満は出てくるのである。ならばグレードアップに無理をすることもあるまい。・・・そんな暇があればいい音楽を、演奏を一度でも多く聴くことだ。・・・装置を改良し、良い音で鳴ったときの喜びはたとえようもない。まさにオーディオ狂の醍醐味である。しかし、すぐれた音楽を聴くときの感動や悦びはそれにまさるものだ。音楽には神がいるが音には神はいない。決定的な違いをまず知らぬようで音質を改良して何になろう。そして神を見いだすことは、いまのきみの装置-FM受信からだって可能なのである。
 名曲を諸君、聴こうよ。」
 そうか、音楽を聴いていると神を感じることができるのか、いつかそれを感じてみたいと思いましたが、再生機器の選択には最低限の労力ですませてきました。ネットや本を眺めベストバイとされるもの、ネットの掲示板で評判が良さそうなものを「まあこれ選んだら間違いはそれほどないだろうな」くらいの基準でそろえてきたのでした。
 数年前donguriは転職を機にホームシアターを作ってみたいと思いAVアンプを物色しておりましたところ、Auro-3Dというマルチチャンネルフォーマットがあることに気づきました。例によってマイナー指向の私はAtmosより良いかもとそれが再生できるアンプを仕入れ、環境を構築することを目指したわけです。ネット上をさまよっていると、積極的にこのフォーマットを利用した環境構築を進めている方がいることを知りました。2年ほど前にはオーディオの初心者とおっしゃっておられましたが、オーディオファイルの大御所、先輩方との交流を経て飛躍的な発展を遂げられ、少なくともネット上で知ることが出来る範囲ではAuro-3D再生の日本の最高峰にいるのではと思われました。その学びの姿勢と掲示板での精力的発信は、へたれなdonguriのあこがれでありました。
 そのような最高峰の音・音場を体験してみたいと思ったdonguriは今年3月、PHILE WEBコミュニティの会員となり、掲示板を通して、交流することが可能となりました。インターネットを利用することで、以前には物理的な壁があり決して情報交換ができなかった、マイノリティーの人々がつながることができるようになっています。PHILE WEB コミュニティのおかげで、Auro-3Dフォーマットで音を聴くことに興味のあるdonguriが同様な志向の強い方々の生の声を聞くことができ、実際のAuro-3Dを突き詰めた方の音も聴くことができました。情報通信技術の発達には感謝するしかありませんね。
 会員になった数か月後に衝撃的な事実に直面します。PHILE WEBコミュニティの終焉のアナウンスでした。それ以来なんとなく脱力感が続いています。幸運なことに、Phil-M Communityが立ち上がりましたので、今後は、そちらのほうで同様な活動は続けていくつもりでおりました。
 音楽鑑賞は趣味ですが、オーディオは趣味とはいえないdonguriでしたが、PHILE WEBコミュニティのおかげで、再生環境に関する知識と経験を積むことができ、なんといっても優れた経験と知見をお持ちの方々との出会いがありました。
 PHILE WEBコミュニティを運営されてきたスタッフの方、そして会員の皆様に深謝申し上げます。
 今後は、こちらでの活動をフェードアウトし、Phil-M へ重心を移していくことになるかと思います。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました