平面波を発生させるためのスピーカー(SP)の間隔は、望みの平面波の周波数が高くなるほど、短くしないといけない様ですが、以前のシミュレーション動画から、たぶん波長と同じ長さの間隔が限界かと推定していました。
今回それを確かめるシミュレーションをしたところ、予想どうりの結果となりました。下に図を示します。
つまり、400Hz だと波長は0.85m、800Hzだと波長0.425mですので、400Hzまでの平面波をつくるためには0.85m間隔以下で音源を配置、800Hzだと0.425m間隔の音源が必要となります。3.4m幅の部屋だと前者は、SPが5個、後者はSPが9個という事になりました。
この絵を見て、現在の多くのフロアータイプSPが縦に2個から3個ウーファーを並べているのは、そのSP間隔に相当する周波数以下の音に関しては、平面波が形成されるため、低音の迫力が増すという効果が出てくるのだろうなという事です。
SPアレイにおけるSP間間隔と平面波発生の周波数限界という今回donguriが気づいた法則は、音響工学のプロの方々には常識なんでしょうね。
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Donguriさん
朝から、新生Denon+Diracのシステムで、Auro-Maticで本番に向けての「予習中」のAuro3Dです(笑)。
これは私のようなものでも、「論理的に」予想していた通りですが、はやり数学的にシュミレーションさせると、「百聞は一見に如かず」で、説得力ありますね。
確かにSP間の間隔を狭めれば、「平面波」が形成される周波数帯域は広がるのですが、そうすると今度は、チャンネル間のセパレーションと言いますか、広がり感のようなものが失われてしまうので、痛しかゆしというところでしょうか。
1チャンネルの再生を行う単体のSPであれば、構造的に組み込まれているユニット数を増やして隣接配置することは可能で、その目的にご指摘の通り、「ある程度は」平面波の形成もあるのかもしれませんが、少なくとも私が持っているSonetto VIIIの場合、ウーファーが三つ縦に並んでいますが、CO値が270Hzなので、このシュミレーションでいえば「この周波数帯であればそこまで近接させなくても十分平面波が出せる距離」にあります。
つまり、Sonetto VIIIのウーファー3つ使いは、「平面波の形成」のためというよりは、単純に、ウーファーの実効面積を増やして、低域再生能力を上げるためだと考えられますね。もし、もっと上の周波数で「平面波」を作りたければ、むしろスコーカーを三連荘とかにすべきでしょう。
先の記事でご紹介した、マークレビンソン氏のSPではスコーカーが縦に10個以上並んでいるものもありました。これはウーファーは下の方に2,3個しかなかったと記憶しているので、まさしく、スコーカーが扱うべき周波数帯における「平面波」の形成を狙ったものだったのでしょうね。おかげさまで「なぜ、ウーファーも縦に一列並べないのだろう」と当時思った疑問が解けた気がします。
Auro3Dさん
いつもコメントありがとうございます。
ウーファーについては、おっしゃる通りで、
donguriの思いつきは、ポイントはずれていましたね。
スコーカーのアレイは中音域での効果が期待されますが、
聴いた感じの違いはどうなんでしょうかね。
>donguriの思いつきは、ポイントはずれていましたね。
そんなことはないですよ。ウーファーを縦に3つ並べれば、やはりCO値以下で「平面波」は形成されるので、音源が、「点」ではなく「面」になることによる、音の押し寄せ感といったようなものは出せると思います。ただヒジヤンさんが指摘しておられたように、高域だと「点」音源から球状に広がった方が「空間感」を出せるとは思いますので、全ての周波数帯域で平面波を形成することが、「いい音」につながるかどうかは別問題でしょう(直進性が高まるので、遠くに届くようになるのは間違いないです)。
>スコーカーのアレイは中音域での効果が期待されますが、聴いた感じの違いはどうなんでしょうかね。
これについては、どこかに書いたような気もするのですが、とても不思議な体験をしました。普通、スコーカーからボーカルが出ているような場合に、椅子に座れば、目の前に口が、立って聴けば、下から声が、床にあぐらを書けば上に口があるように聞こえるものですが、これがアレイSPだと、どの位置から聞いても、「自分の顔の高さ」にボーカルが定位するのです。
これは「サービスエリアが広くなる」という、donguriさんが指摘しておられた、「平面波」、すなわちAuroー3Dのメリットだと私は考えています。