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マジコ推奨スピーカーセッティング(準備編)

日記・雑記
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マジコ本国サイトで公開されている英語版オーナーズマニュアル。その中にかなり詳細なスピーカーセッティング方法が記載されているのは別件で知っていたのですが半ば放置していました。今更ながら翻訳&シミュレーションを行いましたので記事にします。

これを機会にみなさまお手持ちのスピーカーのメーカー推奨セッティング、念のためチェックされてみては? メーカー推奨が必ずしもベストとは言いませんが向上へのヒントが得られるかもしれません。

0.変更前のスピーカー位置
スピーカーはS1からQ1に変わりましたが、位置は2018年11月28日に上げた日記の状態からあまり変わっていません。今年の3月くらいから少し内振りにしています。幸いなことに急いで変えたいと思わないくらいには現状でも快適に鳴ってくれています。

(参考リンク 平行法でカルダスセッティングを試す

正面壁から133cm、横から89cm
[:image6:]

1.マジコ推奨スピーカーセッティング 低音編
[:image2:]

はい、もちろん英語です。アレルギー出ますよね。。。いろいろこねこねしてこうなりました。

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低音 ― 正面壁からの距離で低音の解像度と量感を調整

最初にスピーカーを設置する位置はスピーカー後方から正面壁までの距離が20インチ(50センチ)程度が望ましい。次にデモ音源を聞くが、我々にはオーディオを記憶しておく記憶野が少量しかないためデモ音源の再生時間は30秒から長くとも1分に留めるべきである。デモ音源にはレコーディングの良好なJAZZで、ベースギターや打楽器が良く鳴っているものを用いると良い。聞きどころは低音の解像度(DEFINITION OF THE BASS)と全体に対する低音のバランス(RIGHT SENSE OF PROPORTION)である。

次に、スピーカーを6インチから8インチ(15センチから20センチ)前に出し先程と同じように短時間だけデモ音源を聞く。この、6インチから8インチ(15センチから20センチ)前に出して聞くという手順を、繰り返し行う。前回の位置より今回の位置の音が悪く聞こえたところで前回の位置に戻し、その時の(正面壁からスピーカー背面までの)距離を記録しておく。
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なるほど50センチのところから15センチか20センチ刻みで前より悪くなるまで前に出して悪くなったところで一つ前の位置に戻すのですね。

音楽の聴き方や音源の種類まで細かく指定されています。

ちなみにこの英語版のスクリーンショットは比較的新しいモデルのM2からの引用ですが、QシリーズやSシリーズでも内容は数字まで同じでした。

2.マジコ推奨スピーカーセッティング ミッドレンジ編

[:image1:]

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ミッドレンジ ― 横壁からの距離と内振り角度でミッドレンジのフォーカスを調整

部屋の幅を14分割し最初は3と11に相当する位置にスピーカーを設置する。左右のスピーカーから耳までの距離はきっちり等距離(PRECISELY EQUAL)でなければならない。等距離であることの計測はクリティカルである。この調整には女性ボーカルとピアノが入った音源を用いる。聞きどころは女性ボーカルの口元がフォーカスしていることである。規定の内振り交点はリスナーの頭部のおよそ1フィートから2フィート(30センチから60センチ)後方である。左右のスピーカーの正面が規定の交点で交わるように内振り角度をつける。サウンドが明るすぎれば少し外に、サウンドがどんよりし過ぎていれば少し内に調整する。上記調整を部屋の幅14分割に対して4と10の位置に対して行う。そしてもう一度5と9の位置に対しても行う。
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内振り角度をボーカルの明るさで微調整するのは理解できるとして、14で割るくだりはなるほどわからんですね。いったいどのくらいの大きさの部屋を想定しているのでしょうか。それに部屋の縦使い、横使いも指定がありません。

とにかく幅を14で割って3と11の位置においてひと通り音を聞いて、それを記憶して今度は4と10の位置において音を聞き、どっちが良いか比べるわけですね。そして同じことを5と9の位置に対しても行う、と。

両サイドが5、真ん中が4という比率はうちでは真ん中がかなり狭くなります。

きっと横長の部屋はこれでカバーされるのでしょうね。14で割る方法は定在波の節をざっくり回避するために手っ取り早い方法でもあるのでしょうか。だとすれば前後方向もある整数で割った時のいくつという指定でも良さそうなものですが。

3.マジコ推奨スピーカーセッティング まとめ編
[:image3:]
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まとめ 

一旦(ミッドレンジの)初期位置調整が完了したら低音のセットアップに戻ってスピーカーが正面壁から正しい距離にセットされていることを確認する。それが完了したらスピーカーの位置に目印をつけておく。それによって更なる調整の後初期位置に戻すことができる。

位置関係 ― スピーカーとリスナーの位置関係
・スピーカーとリスナーの位置関係は二等辺三角形であるべき。
・リスナーの位置は左右のスピーカーから厳密に等距離(EXACTLY EQUIDISTANT)であるべき。
この厳密に等距離を測定するのに良い方法は一本の糸を用いる方法である。リスニングポイントを1点に定め、そこから左のツイーターまで真っ直ぐ糸を張る。同じことを右のツイーターにも行う。この測定は左右のスピーカーを寸分違わず等距離に保つために非常に重要である。
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左右のスピーカーとリスナーが等距離であることの重要性が繰り返し述べられています。そしてその対象は足元でもウーファーでもなくツイーターとされています。

縦横高さのあるところでリスナーとツイーターを厳密に等距離にしようとすると足元を合わせだけでは対応しきれなくなります。足元からツイーター位置は厳密には一意にさだまらないためです。

スピーカー本体の公差だけでなく、床のわずかな不陸(ふりく)の影響を受けます。直接そうしろとは書かれていませんがスピーカーの水平度合が左右で厳密にそろっている(左右差がない)とリスナーとツイーターの距離を厳密にあわせやすくなります。スピーカーの左右の水平差、是非ご注目下さい。

4.シミュレーション

・正面壁からの距離、50センチから15センチ刻みで6段階
・側面壁からの距離、14分割の3、4、5で3段階

重量物の移動に伴うリスクもあります。実際に動かす前に定番の定在波シミュレーターStndWave2.exeで当りをつけていきます。

それがこちら。細かい条件は参考リンクや変更前の画像をご覧ください。
[:image4:]

頭の後方60センチに内振りの焦点を、とありますがこれは現状に対してはかなりきつい角度のようです。

この中で良さそうなものを2つピックアップします。

(1)3-125
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正面壁から125cm、側面壁から14分割の3です。便宜上3-125と呼びます。3-125は200Hzから下のレスポンスが現状とかなり似ています。しかし500Hz近傍で落ち込みが見られるためやや暗めの音になるかもしれません。内振りを強く取ることでバランスするのでしょうか。

重ね合わせるとこんな感じです。濃い方が3-125です。
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(2)4-110
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正面壁から110cm、側面壁から14分割の4です。便宜上4-110と呼びます。4-110は450Hz付近に谷がある他はだいたい整っています。うちの部屋の弱点である50Hzから60Hzにかけての大きな落差も許容できそうな感じです。

図にはありませんが現状の内振りはだいたい10度あるかないかくらいなので19度でもかなりぐいっとひねる感じになります。

重ね合わせるとこんな感じです。濃い方が4-110です。
[:image10:]

8月中に実践編をあげられたらいいなと思います。

謝辞:開発された神野久司さん、Windows版に移植されたminnさん、及び両氏のStndWave2.exe無償公開に関する同意に感謝します。

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