デザイン音響パネルとポリエステル吸音材を用いて実施した音像と音場の調整が完了したので、副作用がないかなどの検証のステージに入りました。これまでの調整結果を整理すると下記です。
聴感上の変化・・・2ch再生をサラウンド再生にしたような、音場空間の拡大と音像の明瞭化が図れた
これをイメージで表現すると下記となります。
カノン/オルフェウス室内管弦楽団
冒頭のチェンバロとコントラバスが明瞭となり身体に響いてくる。第1ヴァイオリンから第3ヴァイオリンまでのカノンも、より遠めに深く鳴り、音はより明瞭になった。次々に重なるカノンの調べも混濁せずにハーモニーが感じやすくなった。
カリヨン/幸田浩子
冒頭のチェロとコントラバスの分離もより明瞭となり、半円形に配置される高弦のストリングスもより感じやすくなった。歌声もより濃くなり、コントラバスのピッチカートの一打一打の質感もより整った印象。伴奏の主体が高弦に移る感覚も滑らかであり、実在感がました。
ケリースイートのキンコンカン
左スコーカー内側の下端あたりからツイーター上50cmまでを螺旋状に回りながら上昇し中心で止まり、同じ経路を下降する。以前と比べると高さ方向の移動が減った。
調整用の音源での変化は上記となりますが、副作用がないかの確認はいろいろなジャンルのCDを長い時間をかけて聴き込む必要があります。そこで、テストCDを用いて大まかな変化を先行して把握しておくことにしました。
NORDOST SET UP AND TUNING CD
確認したのは、Tr11,12,13の「UP」「Over」「Lateral」です。
「UP」・・・ウーファーの高さから徐々に上昇し22回目で天井に到達し、以降は同じ場所でシュッシュッと鳴る。以前は15回目くらいで天井に到達して、以降は内側に入り込みながら天井を沿うように鳴っていた。高さ方向の移動が減っている。
「Over」・・・ウーファーの高さから上昇しながら内側に入り込み反対側のウーファーまでアーチを描く。以前と比べると上昇や内側への移動間隔が等間隔になっている。
「Lateral」・・目線の高さで左右の移動をする。以前と比べると移動間隔が等間隔になっている。
◇高さの変化は抑え気味となったが、移動間隔が等間隔となったのは好ましい変化といえる。
XLO Test & Burn-in CD
確認したのは、Tr6の「Technical Tracks: ‘Prof.’ Johnson Does Something Spatinal」です。
①ウッドブロック:2分40秒から
聞え方は、下記でした。
・最初真ん中で鳴る
・次は奥で鳴る
・次に徐々に前に出ながら鳴る。最後は最初に鳴る位置より前に出る。
◇以前は、最後の位置が最初より前であることに気が付かなかったが、前後位置がよくわかるようになった。
◇鳴る位置が全体に遠めになった。
②シンバル:3分40秒から
・動きは下記です
真ん中の前⇒徐々に右に奥に移動し音も小さくなる(4打目で真後ろくらい)⇒左に移り、どんどん奥に行く(7打目が一番遠い)⇒
また右から真ん中に移動し⇒左から徐々に前に出て真ん中(おわり)・・・今回
また右から真ん中に移動し⇒左で3回(おわり)・・・前回の記録
◇前回は最後の左から徐々に前に出て真ん中に移動するのが聞き取れなかったので、より定位が明確になった。
◇鳴る位置が全体に遠めになった。
※前回とはPhile-web時のtaketoさんの日記(キースジョンソンが叩くシンバルの音)時(2021,8,24)のことです。
以上、自分の調整用音源やテスト音源は従前との比較が客観的に出来るので有効に活用することが可能と思いました。
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ヒジヤンさん
こんばんは
色々と試されていて、実践後の論理的なアプローチがヒジヤンさんらしい(笑)
ここまで一貫して徹底していれば既にライフワークですね!
バズケロは改善その後の検証ってほとんどしたことがないですから…
今回も勘が的中!嬉しいな〜で終わりです(汗)
大概直感頼りの実践なので、いつもバズケロの説明は説明になっていなくてヒジヤンさんからは「だまらっしゃい!」とお叱りばかり受けていますが懲りない性格なので…自分でも笑えます。
GWのオフ会は基本この時点での音作りで挑まれるのでしょうか?!
微修正は当然ありきのお話ではあるのですが…とても楽しみにしています。
あ〜、今からでもワクワクするわ〜
前向きな成果がある実践って本当に大変ですが、とても楽しいですね!
では、では
バズケロさん、おはようございます。
GWのオフ会は今回の変更のみで聴いてもらおうと思っています。「音像と音場の両立」を目指して取り組んだ成果です。
このような空間系の改善ですので、NORDOSTのテストCDもXLOのテストCDもちょうどよいと思い聴いてみたところ、狙い通りの変化が確認できたので検証できたと喜んでいます。
面白いのが、「高域を立ててキレキレにする」のも、「低域を響かせてドーンとさせる」のも自在という点ですね。クウォリティを変えることは出来ませんが、音質傾向は自由に変えられます。面白いですよね。
バズケロさんのノイズ日記も面白かったです。のびーさんのコメントを拝見して、
・除電器と電源ケーブルが強烈な放射ノイズを発していること
・この放射ノイズがMCカートリッジの信号ラインに乗ったこと
対策は、発生側でも受け側でも可能ということですね。
ですが、ハムノイズのように明確に耳に付くノイズでなくても、近年の電磁波の嵐の中では知らず知らずに音を汚してる可能性もあるので、発生側も受け側も予め注意しておいた方がいいと言うことになりますね。
・ノイズ発生機器はアースを取る 又は ノイズを音に無縁な部材に逃がす
・信号ラインのRとLはアースループを形成しているので、囲む面積を小さくする(左右のケーブルを沿わせて配策するなど)
・リアルアース線(電源ケーブルなど)と仮想アース線の取り囲む面積を小さくする
などを実施しておくことが寛容かも知れませんね。
自宅もチェックしておこうと思います。勉強になりました。