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ジョーカー フォリ・ア・ドゥを楽しむための条件

日記・雑記
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前作に感銘を受けると共に、現実なのか妄想なのかが理解できない点も残していたので、続編を観に行ってきました。事前情報からは、世界的に賛否両論があり、前作の続編と言うよりは別ものの作品、あるいはミュージカルとのことでしたので、どんなものだろうと疑念をいだきながら向かった感覚です。

 

ですが自分視点では、前作で現実なのか妄想なのかよくわからなかった部分も解き明かされ、しいたげられた民衆から見たヒーローのジョーカーと苦境に耐える弱い個人としてのジョーカーの両面からの視点で観ることが出来たので面白く感じた。またレディー・ガガが演じる謎の女リーとジョーカー(アーサー)の内面がミュージカル的に描かれている部分も、この部分は妄想とわかり易く、前作のような紛らわしく頭が混乱することはなかった。IMAXで観たこともあってか、歌の音質的な不満もなく、ミュージカル調とすることで複雑な内面である精神世界も理解しやすかったように思えた。これは、普段から音楽に浸っているメリットだったのかもしれない。

しかしながら、新作の”ジョーカー フォリ・ア・ドゥ”を楽しむための条件は、前作の”ジョーカー”を観ておくことが必要となる。前作を観ずに”ジョーカー フォリ・ア・ドゥ”を観たら、何の話なのか?と付いていけないだろうと思った。自分は前作がもう一つ理解できなかったために、新作を観に行く前にビデオでおさらいしてから観に行った。そして新作を観てから、再度のおさらいで前作の”ジョーカー”をもう1回観た。これでようやく、しいたげられた孤独な男アーサーの内面に宿るジョーカーと、しいたげられた民衆から見たヒーローのジョーカーとの関係が理解できた気がした。それだけ荒廃したゴッサムシティの民衆の心情を思い浮かべながら観るのは簡単ではないと思った。そして、レディー・ガガが演じる謎の女リーとの関係が、全体理解の潤滑剤となる。

 

繰り返しとなるが、この映画は前作を観てからでないと楽しめないと思えた。5年前に”ジョーカー”を観た人でも、再度のおさらいとしてから観ることをお勧めしたい。そして、ジョーカーになった気分で妄想を楽しもう。

 

「フォリ・ア・ドゥ(Folie à deux)」=フランス語で「2人狂い」の意。ひとりの妄想がもうひとりに感染し、2人ないし複数人で妄想を共有することがある感応精神病のこと。

ジョーカーに、レディー・ガガに、民衆に感染し、狂った世界が楽しめる

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. ヒジヤンさま、遅レスになりますが「バットマン」シリーズに登場した悪役「ジョーカー」を前作から完全に独立させた作品なんですね。ご紹介ありがとうございます。

     2008年公開クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」は監督が初めてIMAX撮影を取り入れた野心作で故ヒース・レジャー氏が悪役ジョーカーを怪演した実質的主役でバットマンが脇役みたいになってましたが、それだけ魅力的なキャラクターなのでしょう。

     当時のBlu-rayコンテンツでもIMAX撮影シーンの圧倒的な鮮明度は印象に残っていますので、当方も前作を観てから仙台のIMAXシアターで新作を観て見たいと思います。(笑)

  2. たかけんさん、コメントありがとうございます。

    このジョーカーですが、バットマンに出てくる悪役のイメージで映画を見るとガッカリしてしまうかもしれないです。腐敗した街ゴッサムシティに住む、しいたげられた精神疾患を持つ弱者が追い詰められてジョーカーに変貌します。が、前作では精神病棟の刑務所に収容されるところまで描かれています。新作はその後で、精神病棟の刑務所に収容されているところからです。しいたげられた市民はジョーカーに変貌したアーサーをヒーローとしてあがめていました。その刑務所にレディ・ガガが扮する謎の女リーがやってきて、ジョーカーであるはずのアーサーと恋仲になるのですが・・・

    この作品は、人間の内面を描いた人間ドラマです。まずは初作の「ジョーカー」をビデオか配信で観られて、興味がわいたら続編の「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を観ることをお勧めします。初作の「ジョーカー」は、現実と妄想が入り混じっていて理解が出来ない部分が多々あると思いますが、続編を観ることで、そういうことだったかとよくわかると思います。

    自分は前作がもう一つスッキリしなかったので、続編の「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」をマークしていたのですが、どうも前評判がよろしくなかったのです。封切りの2日目に観ましたが、その後のGoogleニュースに毎日のように流れてくる感想も賛否両論でした。ひどいものになると、「こんな駄作は観る価値がない」「まったく感情移入できずに早く終わらないかと思いながら観ていた」などの酷評もありました。

    自分は面白く感じたので、「なぜ?」と考えたのですが、この作品を前作の予習なしで観たらそうなるな、と思いました。もう少し言えば、前作の振り返りをして、主人公のアーサーがジョーカーに変貌するまでの経過と世間への影響を思い浮かべながら観ないと楽しくないのだろうと思った次第です。

    人間ドラマですが、IMAXで観るのはいいですよ。細部の描写力が違いますし、今回の作品はミュージカル調の部分が多く入っているので、音質も大事です。オーディオが好きな方なら、IMAXで観ないと音の不満が出てしまうような気がしました。

    自分は、もし自分がジョーカーだったらどうするか?など考えながら観ていました。映画のアーサーの方が人間味あふれていました。ワ・タ・シは極悪人かもしれません。。。

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