ちょっと前の機材を末永く使う注意点

日記・雑記
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近年、コロナ禍やウクライナ情勢で電子パーツ不足や高騰の煽りを食らい、どんどんオーディオ機材の値段が上がっていっています。

以前、300万円のスピーカーといえばハイエンド高級品でしたが、今はフツー。。。。

ということで、ちょっと前の機材を末永く使うケースも多くなってきています。

しかし、末永く使うにあたって、ここで問題がいくつか。

まず、ユニットのダンパーや振動板の割れなどが起こってしまう場合がありますが、今回はこの話はオミット。

違う問題として、エンクロジャーの劣化を挙げます。

まずは塗装の問題。

2000年以降から欧州で規制が始まった「RoHS指令」というものです。

塗装というか塗料ですが、極々簡単に説明すると、「製品化する場合には、ラッカーシンナー系塗料は使わない事」という規制があります。

という理由で、2000年以降、電化製品に限らず、自動車の塗装までもが水性に切り替わってきています。

車業界の塗料3大メーカーの成分表を見れば水性という事が分かります。

ところが、いきなり水性に切り替わったため、2000年以降、2015~16年くらいまでは水性塗料の経年劣化が問題視されていました(近年はマシになってきているモノの、未だ完全解決とは言えない)。

車は屋外にあるので劣化があるとも言えますが、オーディオ業界も例外ではなく、室内保管でも10年程度で塗装表面が劣化するのも少なくありません。

あえてメーカー名は出しませんが、

「ハイグロス_クリアー_白濁_割れ」

で検索すると、某有名メーカー300万円クラスの塗装劣化の中古品がたくさん出てきます。

酷いのになると、塗装劣化だけでは済まされなくて、板材の劣化までもが起こります。

この板材の割れですが、大気中の湿気を含み、内部膨張して割れや亀裂が生じますが、水性塗料だと目止め効果が低いので、以前よりこういった板材の割れが発生してしまいます。

私のスピーカーも例外ではなく、スピーカー側面の板に割れが生じていました。

実はこれ↑、あまりも酷かったので、一度♯400番でサンディングしてしてクリアーを吹き直した手直し済み画像です。

最初の状態は、プレートテクトニクスで山脈が出来るが如く、割れ部分がメチャメチャ盛り上がってギザギザになっていました。

上画像は、突起部分を削り落としてクリアーを吹いただけですが、割れ部分がまだ黒ずんでいます。

私のこのスピーカーは、側面パネルがネジ止めで外れるようになっているので、この際、外して徹底的に処理する事にしました。以降の作業は万人向けではないので念のため。

未だこのメーカーは本国に存在しますし、同じ形状の製品も現行で販売されているので、最悪はパネルを注文とか出来るかもしれないので、DIY補修する事にしました。

まず、割れ部分の凹みに木工パテを埋め込み、♯200番くらいでサンディングします↓

これを、どんどん番手を上げて行って、♯1000番で仕上げた画像です↓

もう、超至近距離で言われなければ分からないくらいにまで仕上げました。

昨日から大雨で湿気が凄いので塗装はまだ出来ませんが、2液混合ウレタンクリア塗装で仕上げます。

サンディングした感じだと、オリジナル塗装も2液ウレタンだったようなので(←サンディング中の塗装表面硬度で何となくオリジナルの塗装が分かります)。

確認すると、所々に吸湿膨張した形跡があるので、全てサンディングして仕上げています↓

2液ウレタンは塗装表面硬度が高く、目止め効果はかなり高いにも関わらず板材が膨張した原因として、裏面の無処理が挙げられます↓

捨て塗りすらされてなく、裏面から吸湿していったと思われるので、ウレタンクリアで裏面を全面塗装します。

この側面パネルですが、最悪の最悪?、採寸してCAD図面にしてあるので、ハードメープル天然木で作り直すという手もありますが、全部で20万円くらい掛かってしまうのがネックですかね・・・・・

フロア型のスピーカーの注意点ですが、底面が塗装も目止めも未処理という機材が圧倒的に多いので、底面の板断面(小口)から吸湿膨張が起こるのも予測されます。

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