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ルームチューニング<現象/原因/対策>

日記・雑記
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「その場にいるような音場」と「そこで演奏しているような音像」を併せ持つ再生の一環とも言えます。へっぽこハム太郎さんの”image”関連の投稿に触発されて日記を書くことにしました。ルーム・チューニングは部屋や装置など、環境ごとに対応方法が異なるためやっかいですね。少し拡大して考えると「スピーカーから出た後の音の調整方法」をどうするのかとなるため、これまでの体験を踏まえて整理しておくことにしました。

 

唐突に<現象/原因/対策>に入るのはわかり難いので、基本的な事項からおさらいしておきます。

1、リスニングルーム内の音のふるまい

最初はリスニングルーム内で、スピーカーから音が出た後にリスナーを中心にした音のふるまいの簡易図(拾い画)です。

・スピーカーから出た音が耳に直接届く:直接音

・床壁天井、家具などに当たってから耳に届く:間接音

・間接音は反射、拡散、吸収などの影響を受けてから耳に届く:反射音、拡散音、吸音

 

2、リスニングルームの間接音

直接音と間接音の割合は、部屋の大きさやスピーカーからリスニングポイントまでの距離などによっても変わってきますが、間接音比率は概ね50%~70%と言われています。半分以上は部屋の影響を受けた音を聴いていることになりますね。

間接音比率は、遮音度が高いほど高くなり、部屋中に響いた音を聴くことになります。

響いた音は、リスニングルームでどくらいの回数を聴いているでしょうか?

リスニングルームでの残響時間(音の大きさが1/1000になるまでの時間)は、0.3秒~0.6秒程度です。

部屋の広さが12畳(3.4m×5.1m×2.4m)とすると、秒速340mで部屋中を駆け巡る音波ですから、超概算で徐々に減衰する音を50回は聞くことになりますね。ですから帯域ごとの残響が揃っていることが大事になります。

 

3、間接音の分類

間接音は直接音が当たり跳ね返る面によって形態が異なります。「反射」「拡散」「吸収」と呼ばれる現象です。

この性質を使いながら、リスナーが聴く音の調整が可能です。

 

4、高音~低音の指向性

高音は指向性が狭く、低音は指向性が広いことは一般的に知られていることです。この特性も考えながら音の調整をしていく必要があります。

低音は部屋中に回りやすいですし、高音は回りにくいです。ですから、拡散を使って回らせる方法が常套手段となります。

 

これらの特性をイメージして音の調整を進めることになりますが、簡潔に言えば「音を聴きながら、基礎的な事項をイメージて<現象の把握><原因の推定><対策案の立案>を実施し、トライ&エラーを繰り返しながら、スピーカーから出た後の音の調整を進めていけばよい」と考えています。

 

さて、ここからが具体的な問題の<現象><原因><対策>となります。

ここでは、へっぽこハム太郎さんが”image”で具体的な「問題事例」をあげてくれているので、これを題材にしてみました。

Tr 6:羽毛田丈史 「地球に乾杯」

チェックポイント①

<現象>:音圧のぶれ(音が大きくなったり、小さくなったりする)

<原因>:定在波(音が重なり合うときに、増幅や打ち消し合いを起こす現象)

<対策案>

定在波は、定常状態では部屋の形に応じて必ず発生する現象です。これを回避するためには遮音を犠牲にして前後、左右、上下の壁面の反射を避けるのが一番ですが、遮音は止められませんし、全吸音したら音楽がつまらなくなってしまいます。

ではどうするのかですが、時々刻々と変化する過渡状態において、同じ音を出来るだけ平行に重なり合わさらないようにすることになります。具体的には、「音を回す」「音を拡散させる」「音を吸音する(反射を減らす)」となりますが、音は見えないので試行錯誤が必要になりますね。

 

自分がお勧めしたいのは、「音を回す」です。具体的には、2本のスピーカーから出る音及び部屋の反射音の重なり方を最適化する方法。この手法は音が大きくなったり、小さくなったりするのを抑制するのみでなく、部屋中が音で埋め尽くされて、あたかも生演奏を聴くようになり、リスニング空間も大きくなったように感じられるので、オーディオ再生の取り組みとしてベストと感じています。お金もかかりません。ただし、コツコツと煮詰めるための時間と根気が必要になります。

 

拡散させれば重なり合いの度合いが減ることはイメージできると思いますし、吸音して反射を抑えれば重なり合いが減ることは単純な理屈ですね。難しいのは、「音を回す」です。二本のスピーカーから出る直接音の音波はきれいに重ね合わせつつ(音の焦点合わせ)、秒速340mで部屋中を駆け巡る音波の部屋や家具からの反射音は平行に重ね合わせないようにする(定在波の抑制)ことだとイメージしています。ただ、音は見えないし、瞬間的に無数に重なり合うため「音を回す」「拡散させる」「吸音する」などを駆使しながら試行錯誤を重ねるしかないと思います。

 

チェックポイント②:低音の質感

<現象>:大太鼓?の音がズシッと締まりがあって重い音になるかを確認

<原因>:主観的な音質の問題なので解析不能

<対策>:主観的な音質の問題なので解析不能

◇解析不能と言ってしまっては身も蓋もないので、オーディオでの再生音をヘッドフォンの音と対比して確認する手法がよいと思いました。

 

Tr 9:アサド兄弟 「ニューシネマパラダイス」

チェックポイント①

<現象>:バイオリンの音が右の響きが強くなったり、左が強くなったりする

<原因>:定在波や初期反射音の影響又は部屋の響きのアンバランスではないかと推定します。

推定1:定在波の影響で、周波数帯域ごとに増幅したり打ち消すしたりするため、右が強くなったり、左が強くなったりする

推定2:帯域ごとの初期反射音の影響で右が強くなったり、左が強くなったりしている

推定3:部屋の響きの左右アンバランスから右の響きが強くなったり、左が強くなったりする

<対策案>

推定1の場合は、定在波の影響の減少はTr6-チェッスクポイント①で記した通りです。

推定2の場合は、スピーカーから出る音の主に左右方向の壁や家具からの初期反射音を疑い移動や拡散、吸音などを試してみる

推定3の場合は、可能な限り左右シンメトリーとなるようにスピーカーの配置を見直すことや響きが左右で整うように拡散、吸音などを試してみる

 

16、葉加瀬太郎with 小松亮太 「情熱大陸」

チェックポイント①②:右の響きが強くなったり、左が強くなったりする

<現象><原因><対策>

・これは9、アサド兄弟 「ニューシネマパラダイス」と<現象><原因><対策>共に同じかと思います。楽器も同じなので、周波数帯域や倍音成分などもそれほど変わらないと思いますので、問題があれば9と16の対策は同時に実施するのがよさそうだと思いました。

 

チェックポイント③:低音の質感

これも、6、羽毛田丈史 「地球に乾杯」の②の低域問題と同じで、主観的な音質の問題なので解析不能です。

こちらも解析不能と言ってしまっては身も蓋もないので、オーディオでの再生音をヘッドフォンの音と対比して確認する手法がよいと思いました。

 

最後に、せっかくの機会ですので問題現象を感じた時の原因の推定と対策について整理してみます。これが正解かどうかはわかりませんが、私のスピーカーから出た後の音の調整方法です。

 

これらを発展させて、声楽コンクールで感じたことをオーディオに繋ぐイメージ日記で書きました課題:「その場にいるような音場」と「そこで演奏しているような音像」に発展させていければと思います。

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