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WOWOWスタジオ見学ツアー – わかったこと/わからない(わからなくなった?)こと

日記・雑記
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Philewebに書いた内容なのですが、あちらから移設した過去日記を除いてこちらに書くのは初めてなので練習を兼ねて記載することをお許ください。

WOWOWスタジオ見学ツアー、私には大変貴重な体験になりました。

スタジオでお迎えいただきましたWOWOWの入交さん、Auro-3Dの浜崎さん、MQAの三上さんには大変感謝です。
また、コーディネートいただいたAuro3Dさんと幹事長のグランドスラムさんにも大変お世話になりました。

見学させていただいたスタジオは録音した音源を編集してマスター音源にまとめるための部屋。私にとっては初めて訪れる場所で部屋の音響や使用機材はなにもかもがもの珍しく感じられました。
音はこういう現場で作られているんだということが分かったことが大きな収穫。


Front側


Left Surround側

部屋の広さは説明いただいたような気がしますが、失念しました。(^^;)
感覚的には広さ30畳程度、天井高3mちょっとくらい。
これについては参加者のどなたかに正していただきたいと思っています。

残響時間は0.3~0.5秒程度とのことでしたが、もっと短く感じました。
拙宅の石井式の音楽室が完成時の測定で0.4秒弱程度と記憶しているのですがそれに比べると明らかに短く感じられたからです。
マイク無しで解説された浜崎さんの声や質問させていただいた時の自分自身の声の響きのなさにちょっと驚きました。会話しやすい環境ではないと感じました。
いままで訪問したAudio Phileの皆さんの部屋ではこんなに残響の少ないところは経験していません。
この残響の少なさに匹敵するのは私の経験では某プロジェクターメーカーの視聴室かシネコンくらいのような気がします。

使用スピーカーはAuro3Dさんが前にかかれていたようにMusikelectronic geithain製。
フロントのLCRがたぶん3wayのRL901K





その他はたぶん2wayのRL904





どちらもアクティブ型、アナログチャンデバで周波数分割を行い複数のパワーアンプで駆動するマルチアンプ形式だと思われます。
ここで生じる疑念は各帯域のSPユニットの振動板位置が揃っていないのでインパルス応答はベストの状態にはなっていなさそうだということ。
3wayのLCRと2wayのその他では中高音の位相整合は完全ではなさそうに思えることです。

実際に聴かせていただいた音は極めて安定感のあるものでその揺るぎなさは一般家庭で聴く音とは次元の違いを感じさせるものでした。
サン・ピエトロ大聖堂のミサでのオルガン、聖パウロ教会における西本智実のベルディのレクイエム、広上淳一、京都市交響楽団のマーラー千人の交響曲の迫力は凄かった。
でも、ボブ・ジェームス・トリオのドラムスのハイハットやベースの撥弦でやや繊細感が欠けるかなぁという感じを持ちました。

入交さんのお話の中でちょっと意外で気になったのはファントム定位、特にLCRとその他の間のファントム定位についてあまり気にされていないようだったことです。
1Fと2Fのファンタム定位を確認するツールも特にないし作ろうというインテンションも特にないようですし…

私自身はマルチchサラウンドを始めてから今までの改善の歴史は各ch間のファンタム定位改善に終始していたような気がしていますので、えって思いました。
あのスタジオではSPの物理的位置を基準リスニングポイントに対して調整することでDSPによるタイムアライメント調整はしていないということでした。でも2Fスピーカー群は球面配置ではなく円筒配置なので基準ポイントから等距離にはならないし…
(あ、2FのSP群についてはタイムアライメント補正していたんでしたっけ?記憶があいまいで思い出せません。参加者のどなたかに補足していただきたいです。)

AVアンプでタイムアライメント補正しても基準位置に座った人だけしか合わないし、体が動いたら合わなくなるから…と言った説明もされていたと思うんですが…
私としては今回参加した方のほとんどはいつも一人で聴いているのでやはりタイムアライメントは合っていた方がいいと思うのですけれど…

あの場では細かいところまで議論できなかったので、いまだにモヤモヤしています。

私としては少ないSP数でもファンタム定位を正確に調整することで空間を表現できる方向を希望しているのですが、ファンタム定位に注力するよりもSPを増やすことで力づくでまとめてしまうというが流れが強いようなのが気になるところです。

以前どこかでファンタムのパラドックスという表現で書いたことがあるのですが、ファンタム定位の正確性を気にしなくてもいいようにSPを増やすと増やしたSP同士の位相不整合が原因のファンタム問題が生じると言ったファンタム地獄(ファンタム沼?)に陥るのではないかと思ったりするのです。

そしてもう一つ。
以前Auro3DさんがDirector’s intention VS Listener’s intentionについて問題提議されていました。
私はそれを読んだときは自分自身はDirector’s intentionをめざしていると思ったのですが、今回このスタジオの音を聴いてこの音がDirector’s intentionなのだとしたら私はこれを目指してはいないと思ったのです。
このスタジオの音はやはりマスターを作成するためのモニターのための音なのだと感じました。音楽を楽しむというよりあらさがしをするための…
この残響時間の短い部屋では私にとって音楽を楽しめない。
もうちょっと繊細さも欲しいし…、
私自身はAuro3Dさんほど官能的な音を求めているわけではないのですが(笑)、これではちょっと禁欲的すぎる。
さらに付け加えると今まで訪問させていただいたAudio Phileでこのスタジオの音を指向していると思われる音を出している方を私は知りません。
そんな人いないんじゃないかと思います。
なぜAuro3Dさんがあんなことを話題にしたのか今やっとわかったような気がします。(笑)

とりとめのない話になってしまいました。
結論はありません。私の頭の中は混乱したままです。
もう少し時間が経てば頭の中を整理できるのか…あまりできそうにありません。(笑)

この記事へのレスでアドバイスをいただいたとしても私にはそれに反応することは難しいかもしれません。
どうぞご容赦ください。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. K&Kさん、こんばんは。
    頭の中の混乱、お察しいたします。

    お使いのスピーカーシステムは、逆向きにスタックした計4台で構成されており、ある程度、平面波が形成されているはずですね。完全な平面波であれば、リスニングポイントの高さはいずれでも良く、どの周波数に対しても位相が揃いますね。では「おおよその平面波」ではどうでしょう?

    リスニングポイントはおおよそどの高さでも良く、おおよそ位相も合っているのでしょうか?

    そうはなっておらず、リスニングポイントは二つのスピーカーの中央の高さに厳密に揃える必要があるのではないでしょうか?
    これは「おおよその平面波」も出ていないことの証しですね。

    DSPでディレイをかけたりしないのであれば、再生で位相を揃えるにはフロントスピーカーとハイトスピーカーを半球面上に配置する必要があります。一方録音でも音源を中心にした半球面上にマイクを配置する必要があると思います。

    ここで問題になるのが、「聴く方向」です。録音では下向きに音源を捉えていたのに、再生では仰ぎ見る方向になります。

    この問題を解消するには、部屋前方を下方に傾斜しても良いのですが、おおごとなので、フロントスピーカーを例えば2mの高さに設置し、逆ハイトスピーカーを床に配置します。リスニングポイントは梯子に上って2mの高さにすることになります。居眠り注意(笑)。

    ここまでくると何か変ですよね。

    Auro-3Dのハイトスピーカーは平面波や、位相整合、タイムアラインメント、ファントムの音像定位などを云々するのではなく、単に上方向からの音の響きを楽しむためのもの、と割り切る必要があるのではないでしょうか?

    技術者は「Auro-3Dは平面波が形成されるから凄いんだ!スピーカー後方の音がキャンセルされ、音が前方に飛んでくるのだ!」と言いたいのでしょうけど。

    スタジオの音ですが、単に吸音のやりすぎでしょう。
    皮膚の産毛の表現は吸音で消えて、骨と筋肉むきだしの表現になっているのでしょう。
    こういう音響で良いマスタリングは難しいでしょうね。

    昔ソニーのかないまる氏が、試聴室の吸音のし過ぎが気になって、ぐるりと囲んだ厚手のカーテンをやめさせ、透けるような薄手のものに替えさせた、と言っていました。

    カラヤンとベルリンフィルが初来日した時、ホールの座席が全面布張りで、響きを吸いすぎるとクレームを出し、急遽座席の背面にベニヤ板を貼ったそうです。

  2. ミネルヴァさん、

    レスありがとうございます。

    私自身は自宅のマルチchサラウンドシステムの構築で各SPの全帯域での位相やタイムアライメントなどを整えるための努力を講じてきました。
    今回の私の困惑は録音編集サイトでは意外にも私とは違うことに気を使っているように思えたことです。

    残響時間については好みの問題があるし、編集側では聴きどころ(チェックポイント)が異なるためにこうなっているのかと思ったのですが…
    他のスタジオはどうなのか気になるところです。

  3. K&Kさん、こんばんは。

    私は録音スタジオの音響は聞いたことは無いのですが、皮膚の産毛の表現がどうなっているのか、おそらくチェックできないわけですし、今回の録音スタジオはかなり特殊な音響ではないか、と疑っています。

    • K&Kさん、こんばんは。

      Auro-3Dの2ndレイヤーについて誤解しておりました。

      2ndレイヤーは反射音を扱う、とのことなので、2ndレイヤーは半球面上に配置する必要はなく、フロントスピーカーの真上で良く、位相整合やタイムアラインメントは取る必要はないですし、その間のファントム定位もありません。3ウエイのスピーカーが1stレイヤー、2ウエイのスピーカーが2ndレイヤーでも全く問題ありません。

      この点、オブジェクトベースのAtmosとは全く異なります。

      録音時も上方のマイクは半球面上に音源に向けて配置するのは間違いで、天井に向けて配置すべきです。

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