UHQR盤 Miles Davis – Kind of Blue

日記・雑記
Sponsored Link

Miles DavisのKind of Blueは1959年に発表されたジャズアルバムですが、聞くところによるとジャズに分類されるアルバムで今まで一番売れているそうな。

現在までに何百回も様々なフォーマットで再発され続けているようですが、最新のレコード盤を紹介します。

私は初期のCD盤と1995年に発売されたClassic Recordsの2枚組を所有していますが、ごく最近新たにAcoustic SoundsのUHQR盤を入手しました。
[:image10:]
https://store.acousticsounds.com/
https://store.acousticsounds.com/d/148512

UHQRというのはUltra High Quality Recordの略で、使用するマスターの質のみならずレコード盤の原料(塩化ビニール)、形状(普通のLPは外周が若干盛り上がっていて、内周から外周へも少し勾配があるけど、UHQR盤は全面的に平坦)、プレス方法(作業員が一枚づつプレス、さらに圧力をかける時間も通常より長い)などにこだわったレコードです。

限定版と言いつつ25,000枚プレスするのでずいぶん多いように感じるのですが今年5月発売以降注文を受けてから順次発送をしていて、私は7月ごろに注文を入れ、10月に受け取った時の番号がすでに11,296。 半年程度ですでに予定の半分に達している。 これはジャズのアナログレコードとしてはものすごい枚数だと思います。
[:image5:]

今回のUHQR盤では再マスタリングのような作業は行わず、1995年にClassic Recordsで作成されたメタルマスターを購入してそのまま使っています。

1995年の再マスタリングはオリジナルの3トラックテープから直接2トラック(左右)にミックスダウンしてそのままラッカー版に刻み込みました。
(2トラックのマスターテープを作成してそれからラッカー盤に刻むより良い)

さらには演奏速度の問題も修正したものが作成されました。 これは1959年の録音時レコードA面用のテープレコーダーがわずかに遅い速度で記録され、その後マスタリング時に正しいスピードで再生されたために結果として本来よりわずかに速い速度で録音されそれが発売されたのです。

これを1995年の作業では今まで通りの速度(わずかにずれがある)のものと正しい演奏速度で2トラックにミックスダウンしたものと両方作成されました。
そして速度修正版はLP2枚目の表面(C面)に収められました。

新しいUHQR盤ではこの速度修正版がそのままLPのA面に収められています。
盤面の内周を見るとそれが良くわかります。

まず1995年のC面、CS8163-Cと刻まれています。 これがUHQR盤のA面になるわけです。
[:image3:]

UHQR盤A面
[:image4:]
レコードが透明なのでうまく撮影できないのですが、CS8163-CのCに線が引かれています(文字が手書きなのでClassic Records盤と同じであることがわかります。)
そして撮影はしませんでしたが、別の場所にUHQRのA面であることが刻まれています

次に1995年のB面、CS8163-Bと刻まれていますが見たところ最初にAと間違って刻んだのを後からBに直したようです。
[:image1:]

そしてUHQR盤B面、わかりにくいですが同じ修正が施されたCS8163-Bが見て取れます。
[:image2:]
という具合で、同一のメタルマスターが使われていることがこれでわかります。

肝心の音は、1995年のバージョンがすでに素晴らしいのですが、それに静寂さが加わりさらに空間表現が増したような、より繊細に、より生き生きと、鮮烈でありながら滑らかな再生です。
あまり真面目に聞き比べていないのではっきりとは言いにくい。 でも非常に自然な音です。

アルバムジャケットの比較(左:UHQR、右:Classic Records)
[:image6:]
[:image7:]

UHQR盤の価格は$100+送料。
1枚のLPに$100というのは普通ならあり得ないような高額だし元音源の1995年発売のClassic Records盤を所有しているので悩んだのですが、同じメタルマスターでレコード盤の質の違い(品質管理の違いもある)でどれほど変わるのか気になったので購入しました。
こんな大げさな入れ物にしないで少し安くしてくれたほうが嬉しいですけど、今は1995年のClassic Records盤も一緒に収納してます。

しっかりした専用の箱で発送される。
[:image8:]
[:image9:]

結果は満足ですが、広くお勧めできる値段ではないことは確かです。
でももし気になるのならぜひ購入したほうが良いと思います。 25,000枚プレスは多いですが、半年でもう半分売れてしまった。
売り切れるのも時間の問題でしょうし、一度なくなったら恐らく2度と同じ形での再プレスはないのではないかと思います。
Acoustic Soundsはいずれ45RPM盤を出すと言っていますが、個人的には33 1/3RPMのほうが好きですし、いったいいつになることやら。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました