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ノイズカットトランスの唸りと高調波(家庭オーディオではあまり関係ない)

日記・雑記
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拙宅の電研精機研究所の<<ノイズカットトランス TM>>

お気に入りのパワーアンプを接続すると「んーーーーー」と唸ります。
時間帯にもよりますが、接続していなくて「nーー」。

これがプロケーブルでお馴染みのThomann S-75MK2だと
負荷に何も接続していない状態と殆ど変わらない感じです。
こいつだと「んーーーーー」とは唸りません。
※全開運転かけたら別でしょうが

やはり、消費電力がそれなりにあるとトランスは唸るようです。
これが結論なのですが脇道の話で高調波の話を少し。

ご存知のように、世間のパワーアンプやクリーン電源は
電源の50Hzや60Hzの波形の頭だけを食べます。
波形の頭の部分でコンデンサーを充電するからです。
ほとんどの時間、アンプやクリーン電源の内部とコンセントなど外部電源配線は繋がっていない状態です。
自分で実験してもみても良いですが、LT-Spiceという回路シミュレータ?でその波形を観ることも可能です。↓は1年くらい前に自分がやってみたときの波形です。
緑色の波形、ちょこんちょこんと、針のように立っているのが電流波形です。
[:image4:]
[:image5:]
こういった、商用電源の正弦波とはかけ離れた電流が、
もしかしてトランスの唸りの原因の一つになっているのではないか?
そう思っていたのですがあまり関係ありませんでした。

こういった、電源波形の一部だけを「つまみ喰い」する利用方法は
電源波形を歪めてしまうので、電気の利用量の大きな電力顧客は
それを小さくするように求められます。高調波規制という奴です。

一般にアンプの電源といえば、
大きなトランスと大きなコンデンサー、それに特別な?ダイオードで
瞬時に大電流が流れれば流れる程良いとされそうな業界の雰囲気があります。
しかし、瞬時に流れる大電流・・・
しかも間欠的に流れる大電流はノイズ以外の何者でもありません。
しかし音楽はそういうものなので・・・それに追随するにはそういうフットワークの軽さも必要で、ここにトレードオフの関係が成り立ちそうです。
さて、実際のオーディオアンプではどんな工夫があるでしょう?
いいえ、工夫されているケースは多くありません。
その中から2つの少ない例をご紹介します。

■■■■■■■■①電源部にチョーク■■■■■■■■
真空管アンプを作成された方ならご存知ですね。チョークです。
↓こちらはサンバレーの真空管アンプJB300Bで、手前側の小振りな黒い四角いケースの中にチョークが隠れています。
[:image6:]
電源回路の例(チョークの左右にブロックコンデンサー、π型フィルターを形成)
[:image7:]
最近ですと、Technicsのハイエンドパワーアンプ「SE-R1」が
電源回路に大きなチョークを投入していました。
https://panasonic.jp/catalog/ctlg/r1/r1.pdf
[:image8:]
チョークコイルは、電流が流れるときはエネルギーを蓄え、
電流が流れなくなるとエネルギーを放出するように働き、
常に一定の電流を流そうとするそうです。
車でいえばまるで「フライホイール」的な役割ですね。
これにより、鋭い針のような電流を防ぐことができて、
一次側の電気を汚すことが殆どありません。
逆にいえば、古風なパワーアンプや古風なクリーン電源は
一次側に鋭い電流を要求して、実際にそれが流れれば、
高調波電流を外部に撒き散らしているとも言えなくもありまあせん。
※電研精機研究所の<<ノイズカットトランス TM>>からパワーアンプや古風なクリーン電源に電力を供給すれば、鋭い針のような電流はノイズとして妨害されることになると思います。電流がまろやかに?なって?高調波を抑制するかもしれません。

■■■■■■■■②電源部に PFC■■■■■■■■
消費する電流が、できるだけ供給される正弦波とおなじ形になるように
工夫されたものです。これはパソコンで最初に?広く普及しました。
力率が良くなる感じで電力効率が求められる近年の状況からそうなったものと思っています。パソコンの電源で、SilverとかGoldとか書いているのは効率が良いものを指すようです。(※それらは電源の性能を示すのではない)
拙宅のメインパソコンの電源はNipronです。
[:image1:]
Nipronのホームページの電源辞典より図を2つ転載します。
https://www.nipron.co.jp/product_info/technical_dictionary/2_3.htm
[:image9:]
実は DELA の フラッグシップ機「N1Z」は 2014年02月の発売以来から電源ユニットにNipron(ニプロン)の電源ユニットを採用してきた事はあまり知られていないかもです。PFCには、電源波形を歪めないメリットがあります。(2021/03/06追記:DELAのN1Zが採用するNipronの電源OZ-030シリーズは、PFC搭載ではありませんでした。30Wと小さければ不要だということでしょう。)
新鋭のオーディオメーカーでは、アンプにこういったPFCを搭載するものもあります。効率の悪いときの針のように急激に立ち上がる大電流を流す必要がないので、筐体も小さくできるメリットがあります。

●N1Zの電源部(2021/03/06追記:N1Zで採用されたNipron電源にはPFCは搭載されていません。30Wタイプで負荷が軽いからだと思われます。電源波形を歪めるほどの負荷電流は流れないからかな?)
https://ameblo.jp/nightwish-daisuki/entry-12493257963.html

●AUDIO BRAINS
https://audiobrains.com/brand/powersoft/technologies/pfc.html

●Jeff Rowland Model10でPFC搭載
https://audio-heritage.jp/JEFFROWLAND/amp/model10.html
オーディオの足跡さんから一部引用 ここから
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電源部には軍用機器や医療機器に採用されている最高グレードのPFC(パファー・ファクター・コレクション)機能付き第二世代超高速スイッチング電源を採用しています。
PFCモジュールはマイクロプロセッサーコントロールによって電源への入力電流を電圧と同相で取り入れます。そして、電源の電流波形を完全なサイン波に構築し、パワーファクターはほぼ100%に保持し、機器内部及びACラインに電源周波数の高調波成分を出さないクリーン電源となっています。
———————————————–
オーディオの足跡さんから一部引用 ここまで

●Chord社のPFCは独自設計のSMPS
https://www.chordelectronics.jp/technology/
Chord社のホームページから一部引用 ここから
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技術革新のひとつとして、設立より一貫して取り組んでいるのがCHORD独自設計のスイッチング電源(SMPS)です。
オーディオアンプの設計において電源部が非常に重要なパートであることはどんなエンジニアでも認識しています。
ところが、オーディオの世界ではスイッチング電源は高周波ノイズが発生しオーディオ的に好ましくないとする固定概念が払拭されていません。
しかし、CHORDのSMPSは、一般にイメージされるスイッチング電源とは一線を画す設計内容を持っています。
低ノイズ性/高効率/小型大出力が求められる航空機エンジン用電源開発を手がけていたジョン・フランクスは、
周波数ホッピイング・テクニックという技術を採用することで、スイッチング電源をオーディオに最適化。高周波ノイズを低減したオーディオ回路の駆動に最適な電源部を具現化しました。
プロフェッショナル録音スタジオやホールなどに数多く導入されていることからわかるように、CHORDのアンプリファイヤ設計技術は信頼性と高効率、そして何よりニュートラルでありながら力強いサウンドを特長とし、その源となっているのがCHORDの電源技術なのです。
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Chord社のホームページから一部引用 ここまで

2つ・・・と書いていましたがオマケ
これは失敗?例です
■■■■■■■■③外部に リアクトル■■■■■■■■
[:image2:]
[:image3:]
小型の「ACリアクトル」を取り寄せてみました。
業界が少し違いますが真空管アンプのチョークは「DCリアクトル」とも言えます。
ACリアクトルは、商用電源に入れるチョークみたいなものです。
もしかして・・・これを使うと
パワーアンプを<<ノイズカットトランス TM>>に接続したときの唸りを軽減できるかなと甘い期待を抱いていたのですが、ほとんど変わりませんでした。
パワーアンプにダミーロードを接続して全開運転すれば「んーーーーーー」と<<ノイズカットトランス TM>>は唸ります。ACリアクトルをパワーアンプと<<ノイズカットトランス TM>>の間に挿入しても、ACリアクトルをコンセントと<<ノイズカットトランス TM>>との間に挿入しても、劇的な変化はありませんでした。やっぱり負荷がかかればトランスは唸ります。

ヘイシン モーノポンプのホームページ
【B-3d】インバーターの基礎知識(Ⅳ)
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/b3d.html
北川電機 リアクトル(ACリアクトル/DCリアクトル/高周波リアクトル/三相リアクトル)
https://www.kitagawa-denki.co.jp/products/reactor/
EV・PHV向けリアクトル、古河機械金属が開発・納入開始
https://response.jp/article/2010/01/18/134948.html
一部引用 ここから
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リアクトルは、コイルの一種で、高調波電流の阻止、直流電流の平滑、直流電圧の昇圧などの役割を担っている。従来リアクトルのコア材に使われてきた電磁鋼板は、リアクトルとしての特性を出すため、コアにギャップを設ける必要があった。今回開発したアモルファスダストコアはギャップが不要なため、小型・低コスト・低騒音化が図れ、PHVやEVなどのパワーコンディショナー、省エネ家電のインバーター向けのリアクトルなどの引き合いが増えている。
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ここまで
東芝シュネデール・インバータ株式会社のホームページより
DCリアクトルの効果
http://www.inverter.co.jp/product/inv/vfas1/feature/idx_04.htm
[:image10:]

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