冷静な対応を(ノイズカットトランス)MJ誌1984年6月号から

日記・雑記
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先日のMFさんの日記「豊澄電源機器株式会社ノイズ対策専用トランス②」のレス欄に端を発するのが本日のこの日記です。
インターネットには色々な情報が飛び交っていますので、情報のウラを取ることは大事なことです。そんなことのご紹介。

件のレスです
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MFさん

前の日記にレスしてしまいましたが、無用な口出しだったかもしれませんでしたね。

トランスに限らずノイズフィルター的なものは音楽をつまらなくしてオーディオを退屈なものにしてしまうリスクがあります。

電研精機はとある試聴室で聴きましたが、まさにそういう音でした(当時はトランスのせいだとは思わなかったですけど)。もともとメカトロニクスの制御機器とかメディカルエレクトロニクス用途ですから、オーディオ用としては冷静にみてみる必要がありますよね。

byベルウッド at2021-03-16 15:12
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利害関係が無いとはいえ、
ノイズカットトランスの宣伝を当コミュニティで行った私としては、
こちらの件は精査する必要があると感じました。

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■一つ、視聴室には行ったのは何年前のことか?

■二つ、視聴室では使用された<<ノイズカットトランス TM>>の型式は何か?容量は幾つか?

■三つ、視聴室では<<ノイズカットトランス TM>>の有りと無しを比較したのか?

■四つ、「メカトロニクスの制御機器とかメディカルエレクトロニクス用途」の情報の出元は何処か?
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問い合わせを実施して分かった事は
以下の通りです。
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▲一つ、訪問は2015年3月テクニカルブレーン視聴室
▲二つ、(ノイズカットトランスの)規格詳細は知らない。
▲三つ、ノイズカットトランス有無の比較はしていません。  え!?
▲四つ、記述のソースは1984年6月号のMJ誌↓
[:image8:]この誌を取り寄せて一通り目を通したのですが「メカトロ」の記述は確かに確認できましたが「メディカルエレクトロニクス用途」の記述は見つけられませんでした。
平成の時代、’NCT-F3’は病院や診療所などの外観を気にする場所用の美麗モデル?とされていたので、それと混同されたのだと想像します。
令和になり’NCT-F3’は販売終了です。
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ベルウッドさん、ご協力ありがとうございました。

確認に使用した1984年6月のMJ誌です。
[:image1:][:image2:]昭和です。このような↓特集でした。
[:image6:]先の日記でも紹介しましたテクニカルブレーンの存在が確認できます。

同特集では・・・・
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●「タンゴ 1Z-10」
●「オヤイデ NLF-1000」
●「電研精機 NCT-F(1kVA)」
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この3種のノマルモードノイズの除去性能とコモンモードノイズの除去性能をそれぞれ測定してグラフで図示、考察を加えています。

タンゴだけグラフ軸が異なっていて誤解を与える可能性があるので後者の2つについてだけ、グラフを紹介してみます。

まずはトランスの外観です。
さすがに昭和の時代だけあって同じ『F』でも現在と形状が異なりますね。
[:image3:]
●電研精機、当時のNCT-F(1kVA)です。
オヤイデとの比較がしやすいように双方同じレベルに赤線を引き、それより下側の減衰領域に黄色い斜線を入れています。
[:image4:]一旦オヤイデのグラフ(オヤイデの項で再掲します)。かなり違います。
[:image5:]
1984年の電研精機に戻り、注目すべきは、左側のノーマルモードノイズで、2kHzが減衰ではなく増幅に転じている 『ピーク』 が見られることです。コイルなのでこんな事もあります。これについての解説が↓こちら。
[:image7:]うん、なるほど、そういう事ですね。
持ち込んだトランスがそういうもので、コントロールは可能だと。
つまり1984年の時点で、電研精機研究所はオーディオ向けのノイズカットトランスを製造できる状態にあった。
80年代テクニカルブレーンのTBシリーズは、オーディオ業界に早期にそれを投入した意味で十分評価できるかもしれません。ただ、アナログレコード全盛の時代・・・デジタル機器だらけの現在に比べてその恩恵は小さいものと評価されてしまったとしても不思議ではありません。早過ぎた?高性能。

●オヤイデ NLF-1000。
[:image5:]100kHzまでの範囲しかこのグラフにありませんが、一応それ以上の範囲ではノーマルモードノイズもある程度減衰します。左のグラフ、ノーマルモードノイズを減衰できないどころかブーストしてしまっています。右のコモンモードノイズの減衰量も電研精機研究所の<<ノイズカットトランス TM>>と比較すると、とっても物足りないです。
※オヤイデは安価でしたので、やや高価な<<ノイズカットトランス TM>>と比較するのが酷かもしれませんが・・・

★以上の内容から、
1984年、<<ノイズカットトランス TM>>のオーディオへの応用(アプリケーション)の始まりを垣間見ることができました。

話を少し戻します。
少し脚色しますと、こんな意見でした。

>>ノイズカットトランスのようなものは音楽をつまらなくする。
>>電研精機はとある試聴室で聴いた。まさにそんな音だった。
>>オーディオ用としては冷静にみてみる必要がある。

果たしてそうでしょうか?比較試聴もせずに? 私は疑問を投げかけます。
37年前の1984年の一例を 『今』に 当てはめてよいものか?
37年前の『F』と現在の後継種の『F』姿は異なっています。2kHzのピークも、
37年後の現在の電研精機研究所の公開資料を信じれば、跡形もありません。
当コミュニティで最近人気なのは『F』ではなく『NCT-I』シリーズですし・・・
皆さんご存じのようにおおむね好評です。
そこに37年前と2015年視聴室を持ち出して 『冷静に』・・・なぜ?
37年前のそれとはモノが違う。。。加えて件の視聴室のトランスの素性は不明だという。。。
今回、電研精機研究所とオヤイデとの製品比較でもこれだけの差が見られたのですが・・・。繰り返しますが、37年前のトランスと最近話題のトランスは違うものです。
<<ノイズカットトランス TM>>でも沢山のラインナップがありますが、それらを『一緒くた』にすべきではありません。例えば、『R』シリーズというラインナップはパスコン併用型です。単純に考えて『R』シリーズのオーディオ用途にへの適用は積極的におすすめできません。訪れた試聴室、相手がナニモノかも分からず、比較もせず、音楽をつまらなくしたのが1つのトランスだったと原因を断定することは 『根拠に乏しい』 といえるでしょう。
ノイズの遮断性能のグラフは電研精機研究所のホームページに、各シリーズごと、代表値として、掲載されています。そこに2kHzのピークは見られません・・・少なくとも私が見た範囲では・・・。

MFさんはこんな良い事を書かれています。
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へ~~そうなんだ
試してみようかな
いや、うちには合わないかもしれない
でも面白そうだな
いろんな意見があって当然だと思います笑

byMF at2021-03-16 22:25
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そうそう
試してみればいいんです・・・笑
残念な結果になるかもしれないけれどそれもまた楽しいかも・・・笑

あ、そうそう、話題は少し逸れますが
電研精機研究所さんのホームページが2月くらいにリニューアルされ
以前あった写真が無くなったりで残念に思っていました。
が、少しずつ変更が加えられています。
最近みたら私が紹介したかった写真も復活!!
[:image9:]一般の音響向け?コンセントプレートが使えそうなカスタムに見えます。
https://www.denkenseiki.co.jp/products/nct-l/

[:image10:]NCT-I3のホームページの記述です。オーディオを意識している事が分かります。
https://www.denkenseiki.co.jp/products/nct-i3/

「もともとメカトロニクスの制御機器向けだから・・・」と言ってしまっては、
電研精機研究所さんが可哀そうです。1984年にはオーディオ向けには何をすればよいのか認識していたのですから。ランボルギーニ・アヴェンタドールを指して、もともとトラクター作ってる会社だしな・・・と言っても仕方がないのと同じかな? 『今』を見ましょう。 まぁランボルギーニは『今も』恰好いいトラクター作ってますけど(^^;。
もう写真が10枚になって載せられませんが、この『現行の』ランボルギーニ『トラクター』の縦目ライトは、アニメ・エヴァンゲリオンの2号機を思わせるスタイルで格好良いです。
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「Lamborghiniトラクター新型モデルNitro」
https://youtu.be/8QdfgYI_t_c

【意外と知らない】ポルシェやランボルギーニが作っていた「アレ」とは?
https://www.webcartop.jp/2016/07/46171/
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◆2021/03/20追記:
少々、nightwish_daisuの一方的な意見な日記なってしまったので・・・
これを少し中和するために他方の意見を載せる事にします。
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nightwish_daisuさん、どうなさったのですか?笑

ベルウッドさんのご意見もご自身のシステムでのお話ではありませんし、
ノイズフィルターは確かに副作用があるものも確かにありますから、
トランスも冷静に見てみる必要がありますと書かれてるだけですよ?
~略~
byMF at2021-03-16 22:25
https://community.phileweb.com/mypage/entry/4423/20210315/67244/
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◆2021/03/22追記:
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MFさん

何でもやってみよう精神は大事ですね。

アイソレーショントランスは、主に1次コイルと2次コイルでラインの結合を絶ち切って高周波ノイズを伝えないことです。さらには、コンデンサーを入れたり高周波領域での磁束伝達をしにくくしたりして、ノーマルモードノイズも積極的にカットするノイズフィルター的な機能を持たせたタイプもあります。電研精機はそういうタイプですね。

そういうタイプは、肝心の音楽情報までも抑圧して音の活気を失わせがちで注意が必要ですね。音はきれいだけど、オーディオ的、音楽的につまらないものになっちゃう。直列に入れたりとか、過剰に使うとかなりてきめんにそういう症状が出ますので注意が必要だと思っています。アイソレーショントランスは、機器毎に1台ずつ使って、電源を介した相互の影響を断ち切るというのが賢い使用法だと思っています。

リスポジから離れて、例えば廊下に出てみるとか、キッチンに立ってみるとか、そうやって離れた場所で聴くと、そういう音の存在感の希薄さみたいなことの差がよくわかりますよ。

byベルウッド at2021-03-16 15:01
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なんだか世間の評判とまったく正反対の電研精機さん評です。
この氏は、電研精機さんを 明確にdis っておられますが、
氏は電研精機さんのノイズカットトランスの導入を検討、あるいは比較視聴されたのでしょうか?先入観・思い込み・決めつけでない事を祈ります。
追記ここまで

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