ノイズカットトランスその意外な裏の顔

日記・雑記
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私は決してオーディオマニアなどではありません。
それは皆さんを差し置いて私がマニアですなどとは言えないからでもあります。

そんな私ですがオーディオ?は一番長く続いている趣味です。
音との格闘といいましょうか・・・。

途中、「オーディオはカネか!!」と投げ槍になって放り出し、
挫折して10年以上の空白期間はあるものの、
足掛けもう30年以上になりました。

今夜はそんな歴史と、ノイズカットトランスを重ねて語ってみましょう。

思い起こせばバブル期には既に、オーディオの100V電源のノイズは大きく問題化されていてCSEからクリーン電源が発売されていました。
ACエナコムなど安価なアクセサリーがよく売れていたと思います。
最近のコンセントに挿すだけのアクセサリーのはしりですね。
そんな当時の雑誌です。
[:image1:]左からMJ誌1999年、ステレオサウンド2002年、CDマガジン1989年です。特に意味はありません。近くにあったものをテキトーに引っ張り出しました。本当はバブル終焉後の1993~1994年のステレオサウンドが読み物としては面白いのですが・・・今はどこに行ったかありません。
80年代、エーチャンが若いです。
[:image2:]
ノスタルジーに浸ってしまいますが、そろそろ本題。
皆さん、テクニカルブレーンの
TB-1000とかTB-500ってご存知ですか?
知っているという人はマニアかもしれません。
ちゃんと Philewebのデータベースにもありますからね。
https://www.phileweb.com/ec/?p=8622
はい、ノイズカットトランスです。
私の記憶がどこから来たものか分かりませんが、たしかテクニカルブレーンがノイズカットトランスTB-1000を売り出し始めたのは1984年頃だったと思います。この1984年を裏付けるソースはテクニカルブレーンのホームページにありました。MJ誌2013年8月号の記事「テクニカルブレーンの歩み(1)」にその記載がありました。(2021/03/22:ソースを失念していた記述からソースが見つかったのでソースへのURLリンクに変更しました。文脈の繋がりがおかしいのはその為です。)(電研精機研究所が量産品のカタログ販売は始めたのが1982年なので目の付けどころが早いです。)
こちら↓は2000年代に入ってからの綺麗な写真です。
[:image4:]もう分かりましたね?
電研精機研究所のノイズカットトランスの外観などをカスタムして
オーディオ用として販売していたのが、
テクニカルブレーンのノイズカットトランス、
TBから始まる品番のベーシック?シリーズなのでした。

ステレオサウンドの読者さんなら1年に何度も目にしていたはずです。
広告を出していましたから。
当時ステレオサウンドではこのように2頁ぶち抜きでした。広告料凄そうです。
[:image5:]図:2002年のテクニカルブレーンの広告(左頁)
広告には電研精機研究所の名前は登場しません(完全に自社製品扱いな)ので、
私も最近までは 『それ』 が 『これ』 だとは、気付きませんでした。
参考までに 現在の 電研精機研究所のホームページにある製品写真です。ステレオサウンドの広告は2002年なのでちょっと違いますが、姿カタチは 現在 と 殆ど変わっていません。一番違うのは色でしょうか?
[:image9:]図:現在のノイズカットトランスとAVR

ただ、テクニカルブレーンからTBー500等を購入された人は、添付の性能保証書などが電研精機研究所のものなので分かっただろうと思います。
[:image6:]図:ヤフオク出品画像より転載(型式TB-300(NCT-F1)と読取れます)
[:image10:]図:ヤフオク出品画像より転載(型式TB-3001と銘打っています)
[:image3:]図:テクニカルブレーンカタログより納入実績(画像クリックで拡大できます)

数十年前、ノイズ対策トランスは何種類か散見されます。有名所で・・・
こちら↓は1999年のMJ誌のオヤイデさんの広告です。
[:image7:]なんだか、電源タップとかトランスとか・・・今と何ら変わりません。
数十年前から電源の重要性は叫ばれてきた。
数十年前からノイズカットトランスもそうでないトランス(oyaide)も在った。
そういう訳です。

話をTB-500とかTB-1000に戻すと、
ちゃんとPhilewebコミュニティにもユーザーさんがいらっしゃいます。
私はまだ絡んだ事はありませんが私より登録が先の avidosoさん です。
https://community.phileweb.com/mypage/entry/4244/20180424/59280/
恐らくこのお方は、電研精機研究所の事は全く意識されていないと思いますがその感想はというと・・・・
———————–引用ここから———————
しかし、全体的に蒸留水のような混じり気のない滑らかな響きになり、より瑞々しくなりました。もちろん、空間の静けさや気配は変わりなく、静寂はさらに深遠なる表情を醸し出す。
これは、2台目のTECHNICAL BRAIN TB-1000を導入しないと体験しないで通りすぎてしまうところでした。
———————–引用ここまで———————
水に例えるあたり、私の感想とまったく同じです。
複数台を用意するハメになるのも皆さんと同じです(笑)

2004年のPhilewebの記事。
吉田伊織氏が選ぶ! 今年、ホームシアターに使いたいアクセサリーベスト20
にTB-500が選出された事もありました。

——評価引用ここから——–
アシタンスデザインは新参のブランドだが、
製造元は真空管アンプや出力トランスでひところ話題になった中村製作所だ。
テクニカルブレーンのものは以前からあるのだが、
映像表示装置に使った場合、劇的に鮮度が向上することではピカイチだ。
——評価引用ここまで——–

この評価は、
先日のベルイマンさんの評価と言葉は違えど
同じベクトルの評価であることに間違いはありません。

このように、実は 何十年 も 前から、
オーディオ用 や ビジュアル用に寄り添ってきたのが
電研精機研究所の<<ノイズカットトランス TM>>だと言えるのではないでしょうか。
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トランスなどという レガシー な製品
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■それが何故、今になってバズッっているのでしょう?■

 ⇒ 答えは『価格破壊』です。
   とにかく安い!! 普通の絶縁トランス並みに
   いくらモノが良くても数十万や100万円超えは
   アクセサリーとして一般人には手がでませんから。

もとよりノイズカットトランスは
テクニカルブレーンがオーディオ機器価格で販売して世に売り出していました。
だいたい・・・今のNCT-Iシリーズの倍とかそれ以上の価格で?ですね。
外観カスタムが高かったのかステレオサウンドの広告料が高かったのか分かりません。
紙の媒体しか情報源がなかった昭和の時代は終わり、
電研精機研究所から直接購入すれば同等品が安価に手に入る・・・
インターネット時代の衝撃です。

現在、
テクニカルブレーンのノイズカットトランスTBシリーズがどうなっているかホームページを訪れるとその姿は跡形もなくなっています。
どうやらノイズカットトランスからは撤退?してしまったようです。
電研精機研究所とテクニカルブレーン社の関係は蜜月だったのか?それともテクニカルブレーン社がノイズカットトランスの商標(TM)を使用して商売していたことにケチが付いたのか?真相は分かりません。そこでテクカルブレーンの姉妹店、オーディオショップ「Canan」をGoogleで訪れてみると・・・なんとTBシリーズに混じってNCT-Iシリーズが複数個床に転がっています(笑)
なーんだ、テクニカルブレーンさん自身がもう自店カスタムをやめて電研精機研究所の製品をそのまま使うようになっただけのか・・・な???
ネット社会では、いくら自社製品を装っても電研精機研究所の製品だとすぐに知られてしまいますしね。

やはり真相は分かりませんが、<<ノイズカットトランス TM>>の
音響分野への応用(アプリケーション)は現在ではテクニカルブレーンの手を離れ、
電研精機研究所本体やM&HラボラトリーやYAMAHAの手にバトンタッチされた
のかもしれません。

テクニカルブレーンの関連会社?オーディオショップ「Canan」の床に転がるノイズカットトランスたち。TBとNCTが混在しています。
[:image8:]Googleより画像転載

ノイズカットトランスの裏の顔、それはテクニカルブレーンでした?
いや、表がテクニカルブレーンで裏が電研精機研究所というのが正しいのかな?
よく分からなくなったので今日はここまで!!

●2021.03.17追記:
MJ誌小林貢氏らによるTB-1000 試聴レポート HiFi堂さんのホームページ
https://images.hifido.co.jp/17/342/34254/c.jpg
画像は荒いもののギリギリ読めます(*^^*)

●2021.03.18追記:
レスのやり取りを記録として残しておきます。一部抜粋です。
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トランスに限らずノイズフィルター的なものは音楽をつまらなくしてオーディオを退屈なものにしてしまうリスクがあります。
電研精機はとある試聴室で聴きましたが、まさにそういう音でした(当時はトランスのせいだとは思わなかったですけど)。もともとメカトロニクスの制御機器とかメディカルエレクトロニクス用途ですから、オーディオ用としては冷静にみてみる必要がありますよね。
byベルウッド at2021-03-16 15:12

2015年の3月にテクニカルブレーンさんの試聴実を訪問され、
ノイズカットトランスを使用した音と、使用しない音とを比較する機会を得たと理解すればいいのですか?。または、比較はしていない?
bynightwish_daisu at2021-03-17 21:22

ノイズカットトランス有無の比較はしていません。
使用していたトランスの規格詳細は知りません。
byベルウッド at2021-03-18 09:36
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◆2021/03/22追記:↑上記3月18日の2日前のベルウッド氏の書き込みです。
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MFさん

何でもやってみよう精神は大事ですね。

アイソレーショントランスは、主に1次コイルと2次コイルでラインの結合を絶ち切って高周波ノイズを伝えないことです。さらには、コンデンサーを入れたり高周波領域での磁束伝達をしにくくしたりして、ノーマルモードノイズも積極的にカットするノイズフィルター的な機能を持たせたタイプもあります。電研精機はそういうタイプですね。

そういうタイプは、肝心の音楽情報までも抑圧して音の活気を失わせがちで注意が必要ですね。音はきれいだけど、オーディオ的、音楽的につまらないものになっちゃう。直列に入れたりとか、過剰に使うとかなりてきめんにそういう症状が出ますので注意が必要だと思っています。アイソレーショントランスは、機器毎に1台ずつ使って、電源を介した相互の影響を断ち切るというのが賢い使用法だと思っています。

リスポジから離れて、例えば廊下に出てみるとか、キッチンに立ってみるとか、そうやって離れた場所で聴くと、そういう音の存在感の希薄さみたいなことの差がよくわかりますよ。

byベルウッド at2021-03-16 15:01
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なんだか世間の評判とまったく正反対の電研精機さん評です。
この氏は、電研精機さんを明確にdisっておられますが、
氏は電研精機さんのノイズカットトランスの導入を検討、あるいは比較視聴されたのでしょうか?先入観・思い込み・決めつけでない事を祈ります。
追記ここまで

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