インパルスの測定とステップレスポンス

日記・雑記
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ベルイマンさんの測定へのレスでインパルス特性をお願いしましたが、インパルス特性から何を見ようとしているのかをお伝えしようと思います。ベルイマンさんからのご要望でもあります。

私がインパルス特性を良く見るようになったのは、スピーカーの接続極性について疑問に思ったからです。図1はREWという測定則と補正マイク(mini-DSP製)で測定した時の視聴位置でのインパルス特性です。

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図1フロントSPのインパルス特性

インパルス特性とは、図2の上側のようなパルスを入力したときのSP波形で、立ち上がりや立下り、また、これからフーリエ解析で周波数特性も算出しているようです。

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図2 インパルス(上)とステップシグナル(下)

図1のインパルス特性を見ると、あれっ・・て思うのは、最初のパルスの向きが下向きのような気がしたからでした。極性を間違えて接続したのかと思いきや、実はこれは、ツイータの極性が逆になっていたからなんです。

図3はセンターSPのインパルス特性で、これは最初の立ち上がりが上向きで、正相接続となっています。ちょっと見ずらいですが。

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図3センターSPのインパルス特性

でもこれでは、ツイーターの極性しかわかりませんよね? では、AVアンプなどはどうやってスコーカーやウーハーの極性を判断するのでしょうか? それで、調べてみると、ステップレスポンス(Step Response)を見ると良いことが分かりました。ステップレスポンスはREWではインパルス特性と同じ画面で、STEP RESPONSEという項目にチェックを入れる、表示されます。

STEREOPHILEのSPのレヴュー記事を見ると測定のページがあって、例えば図4のような特性を掲載しています。図4は有名なウィルソンオーディオのSASHAのものです。ステップレスポンスは図2の下側のステップ上のシグナルを入れた時の反応を見たものです。ですので、スピーカーのコーンの動きの方向が分かるという具合です。

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図4 ウィルソンオーディオSASHAのステップレスポンス

ウィルソンオーディオSASHAのステップレスポンスは最初は上に立ち上がり、その後下に大きく下がります。これは、ツイーターは正相、スコーカーは逆相だからです。その後にまた上に上がるので、ウーハーは正相ということです。SASHAはスコーカーのみ逆相になっているという、有名な(?)事実です。

それで、拙宅のセンターSPのステップレスポンスが図5です。これは、視聴位置で測定しているので、あまり正確なものではありません(ステップレスポンスを見るときはSPの近くにマイクを持っていったほうがベターです。壁の反射が邪魔しますので)。これを見ると、1と2番目のピークが上向きで(これも分かり難いですが)3番目が下向きになっていることが分かります。実は300HZ以下を受け持っているウーハーが逆相なんです(逆相ウーハー問題で記事を書きました(笑))。その後また上に盛り上がりますが、これはサブウーハー付きで測定しているためと、壁の反射、だと思います。ウーハー領域を正確に見るには、軸上で1m以下の距離で測定する必要ありです。

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図5拙宅のセンターSPのステップレスポンス

最後に図6はベルイマンさん宅のSP(Focal Sopura No2)に良く似た、Focal Kanta No2のステップレスポンスです(StereoPhile記事より)。ツイーターとスコーカーが逆相だということが分かります。

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図6Focal Kanta No2のステップレスポンス

StereoPhileの記事を見ると、ハイエンドスピーカーでも結構な率で逆相接続されたユニットを持つSPがあることが分かります。ご興味あればご覧あれ!

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