FMチューナーを修理した

日記・雑記
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これは大阪の自宅にあるFM/AMチューナー、SONYのST-SA5ESだ。

1994年11月に発売された当時、日本のデジタルシンセサイザーチューナーの最高峰といわれた機種で、当時の定価が55000円。

ブログの方もご覧ください。

チューナー各回路ブロック間の配線を極力短くし、電源部から各ブロックへの電源供給経路も最短距離で結ぶラジアルパワーサプライを採用し、受信する電波による高周波の影響を抑える工夫がなされている他、ヒートシンクにフッ素加工を施してヒートシンク自身の製振化も図られているなど、当時のSONYオーディオ技術が存分に投入されている。

1990年代に入って各地でFM放送の他局化が進んだこともあり、マニュアル選局に加え、ランダムに40局までの記憶が可能なプリセットメモリー機能を搭載するなど、Carオーディオからフィードバックされたよな便利機能も盛り込まれている。

高音質化への取り組みでは、チューナーで選局を終えるとマイコン動作を停止させるピュアサーキットを搭載しており、マイコンによるノイズの影響を低減した結果、S/N比が92dBと優れており、FM放送局の送り出しの質にもよるが、CD並みの高音質が楽しめる優れたチューナーである。

小生宅では、ケーブルTV配信網に乗せられているFM放送波を分波器でFMチューナーに取り込んで十分な受信強度を確保できるので、CD再生の放送だと音質は本当に良い。

そういうことで、我が家では今でも毎日朝からFM放送を聴いていて、放送される楽曲の中から気に入ったものがあると、CD購入リストに載せるということをやっている。

今はネットに配信される番組表で何を放送したかを調べることができるので重宝している。
また、海外や日本のクラシック演奏会のライブ録音も、CDではなかなか味わえない臨場感と迫力があり、いつも聴くのが楽しみになっている。

前置きが長くなったが、長年小生宅で働き続けていたこのFMチューナーだが、先日突然電源を入れても音が出なくなったと、大阪の奥からSOSの電話が。

早速保証書に記載されていたSONYサービスステーションに電話をかけて症状を伝えたところ、最悪、チューナー部の損傷があると部品がないため修理できないとのこと。

さて困った(~_~;)
既に13年もの間働いてくれた機器であるが、最悪のことを想定して今手に入る新品のFMチューナを調べてみたところ・・・・・・・ほとんど気に入る水準の機器がないではないか。

FM放送をエアチェックする時代は既に過去のものとなり、リスナーの大半が車の中で運転しながら聴いているという現状では、ホームオーディオ用の優れたFMチューナーが売れるはずもなく、ミニコンポ内臓レベルの製品しか無くなっている。

更に調べてみれば、小生宅と同じ機種が中古市場でも結構な高値で取引されているではないか。

これは、何としてでも、他の部品を使ってでも直さなければ、ということでSONYサービスステーションの技術者に出張修理に来ていただくことにした。

来てくれたのはSONYの技術部門を定年退職後、再雇用された筋金入りの技術者だった。

早速機器を取り出しボンネットを開けて故障箇所を探すと、回路基板に取り付けられた抵抗やコンデンサー類のハンダ部分が長年の使用の間に腐食した箇所が沢山見つかり、そのうちの何箇所かが接触不良を起こしているとのこと。

幸いにも心臓部であるチューナー部は問題ないとのことで、その技術者は3時間近くかけて丁寧に全てのハンダ箇所をチェックして怪しそうなところのハンダ付けをやり直してくれた。

さて再びオーディオシステムに組み込まれてFM放送を流したところ、今まで聴いていた音よりも格段にクリアでダイナミックレンジの広い鮮度の高い音楽が流れ出してきた。

これには奥がびっくりするやら感動するやらして、早速奥がコーヒーを淹れて技術者の方に飲んでいただき、細かな作業の労をねぎらったとのこと。
当の技術者の方も音楽やオーディオが好きらしく、満足げな面持ちで音楽を聴いてくれたらしい。

これは、平日の昼、奥が応対した時の内容であるが、できれば小生もその場に立会いたかった。

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