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アンサンブル・マイルストーン 第15回定期演奏会

日記・雑記
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昨夜からの雨も午前中には上がって時折晴れ間も見える。
今日11月23日は勤労感謝の日で休み。
今日は今年48回目のコンサートで、さてどちらに行こうかと悩んだが、東京都交響楽団の方は、インバルの指揮で辻井伸行のピアノによるオールベートーベンプログラムとあって、チケットが完売のため、アマチュアオケの無料演奏会に決定(^^♪
ブログの方もご覧ください。

桜の葉も赤く色付いてちらほら散り始めている。

電車に乗ってJR桜木町駅から徒歩で約8分強、坂道を登ったところに本日の会場である神奈川県立音楽堂がある。
館のホームページによると、ここ神奈川県立音楽堂は、座席数が1100席余り、1954年に公立施設としては日本で初めての本格的な音楽専用ホールとして、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに設計されたホールだという。
当時としては音響の良いホールだったそうだが、残響時間は空席時で1.4秒と最新のホールに比べるとデッドな響きという印象である。

今回の演奏会は、2003年に結成されたアンサンブル・マイルストーンという小編成のオーケストラで、入場無料ということもあって客席の8割以上が埋まるほど盛況のコンサートである。

1954年完成のこのホールは小生が生まれる前の設計とあって、客席の傾斜が野球場の観客席のようになっていて、ステージの奥行きはやや狭め。
全面が合板張りの壁面と白く波打つようなデザインが特徴の天井を持っている。
今日はヴァイオリン独奏があるので後しかなかったらどうしようかと心配したが、運良く前から5列目の真ん中に席を確保することができた。

本日のプログラムは、今井治人氏の指揮で、1曲目はロッシーニ作曲:歌劇「セビリアの理髪師」序曲、2曲目はウィーン交響楽団の団員、榎本麻衣子氏のVn独奏で、ブルッフ作曲:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26、休憩をはさんでメインがベートーベン作曲:交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」。

弦部が5-4-4-3-2で2管編成の小型オーケストラなので音量が小さいのではと心配したがそれは杞憂に終わった。
年齢的には30~40歳代が多いと見受けられるがアンサンブルの統一感もアマチュア平均以上で、最近聴く機会の多かった100名規模の大編成オケに比べて足りないものは大音量だけと、今回のような小規模ホールでは丁度良いサイズだと感じた。
指揮者の今井治人氏は長身であるが、指揮ぶりは堅実でオーソドックスなタクトさばきが印象に残る。
セビリアの理髪師は、ロッシーニの人気オペラであり軽やかなメロデイラインをいかに薫り高く演奏するかであるが、序盤やや硬さのあった管楽器群も曲が進むにつれて華やかな響きを聴かせてくれた。

2曲目のブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、ウィーン交響楽団の団員として活躍中の榎本麻衣子氏がシックなドレスを身にまとって登場。
小生からは直線にして約7~8メートルの場所で華麗なヴァイオリン独奏が始まった。
ブルッフのヴァイオリンコンチェルトは、ロマンティックで魅惑的なメロデイが随所に散りばめられた名曲であるが、眼前で繰り広げられる榎本麻衣子氏の演奏は華麗でダイナミクスに溢れ、気合の入れ所ではハイヒールのサンダルの踵でカン!と床を踏み鳴らす。
弓は弦を弾くだけではなく、リズムに合わせて叩いて音を出したりもするのだという、当に楽器を自在に操ってメロディを紡ぎ出していく。
けっして華々しい華麗な音ではなく、どちらかといえば地味で渋めの音色だが、それがかえってこのロマンテイックなブルッフに良く合う気がする。
伴奏のオケとの呼吸もぴったりで、最終楽章の有名な第2主題が熱情的に進行して最終フィナーレを迎えると、会場のアチコチからのブラボー!の掛け声とともに万雷の拍手。
演奏中はプロ演奏家らしい集中した精悍な顔つきだったが、演奏後はにこやかな可愛らしい笑顔が素敵なお嬢さんそのもので、このギャップがまたイイ!
どうも彼女の追っかけファンが沢山会場に来ているようだ(笑)
カーテンコール3回目にはアンコールとしてバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから1曲が演奏された。

休憩後のベートーベンの運命は、先々週にすみだトリフォニーホールでも聴いたばかりだが、小編成のこれもまたいいものだ。
演奏テンポは中庸で速くも遅くもないが、ホールのサイズとオケのサイズがピッタリハマると、音楽に集中できる一時をステージと聴衆とで共有しているという一体感が生まれ、それが静かな熱情となってフィナーレまで一気に駆け抜けていった。
これは、ブルッフで火を点けられた音楽魂が煌々と燃え盛っていったのだろう。

このような素晴しいコンサートが無料だというから、日本のアマチュアオケはプロオケにとっておそろしい存在である(笑)

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