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明治大学交響楽団 第87回定期演奏会

日記・雑記
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今上天皇の誕生日は慌しい歳末に、ホッと一息つく休日である。
今日は今年53回目のコンサートで、大学オケ時代の友人を誘ってJR錦糸町駅前にあるすみだトリフォニーホールにやってきた。
ブログの方もご覧ください。
高さ500メートルを超えた東京スカイツリーが見える。

今日は明治大学交響楽団の第87回定期演奏会。
全席自由で入場料800円だが、このチラシを持っていくと何名でも無料で入れるというので、会場時間前から沢山の人が並んでいて、1800人収容の大ホールは満員の入り。

今日のプログラムは、宮松重徳氏の指揮で、ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」作品92、チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71より抜粋、そしてメインがマーラー:交響曲第1番二長調「巨人」というもの。
明治大学交響楽団は創部が1923年。年1回の定期演奏会を開催して今回が87回目の定期演奏会。
団員も200名を超えるというが、団員名簿を見ると管楽器やヴァイオリンが充実しているのに対し、コントラバスがやや薄いようで、4名の賛助出演を得ている。

指揮者の宮松氏は風貌が演歌歌手の吉幾三にそっくりで、タクトさばきはダイナミックでエネルギッシュ。
1曲目の謝肉祭は熱狂的でアップテンポな主題が連続する曲で、冒頭は弦楽器のアインザッツがなかなか揃わないもどかしさがあったが、後半部になるにつれて指揮者との息も合いだして、小気味良いリズムに乗った木管楽器のソロが素晴しかった。
明大オケのサウンドは糸が張り詰めたような緊張感はなく少々揃わなくてもオッケー(笑)というおおらかな包容力あるもので、聴いていてもとてもリラックスする。
管楽器パートは人数も多いが巧者揃いとみえて速くで難しいパッセージも難なくこなす。

2曲目のくるみ割り人形からの抜粋は、管楽器が総入れ替えになって、楽しいクリスマスの夜のファンタジーを素晴しいソロで聴かせてくれた。
また、パーカッションを担当した団友のカスタネットがフラメンコを踊るように素晴しい演奏を聴かせてくれたのが印象深かった。

休憩をはさんだメインはマーラーの巨人。
ステージ一杯に配置された弦楽5部8-7-6-5-5に4管編成の木管楽器、ホルンは8本も揃えている。

第1楽章:ニ長調4分の4拍子、ゆっくりと、ひきずるように
第2楽章:スケルツォイ長調4分の3拍子、力強く運動して
冒頭から牧歌的な曲想の中でクラリネットによるカッコーが鳴き、巨人がゆったり歩を進める様が表現されている。
負けん気の強そうなコンサートミストレスをなだめるような指揮者の身振りが面白い。
第2楽章はチェロとコントラバスが活躍する荒々しい祭りの風景のよう。
ホルンのソロが巧いので、傍らで聴いていた友人のもとホルン吹きが思わず身を乗り出すのは、小生と同じ印象を持ったからか。

第3楽章:ニ短調4分の4拍子、緩慢なことなく、荘厳に威厳をもって
第4楽章:ヘ短調2分の2拍子、嵐のごとく激情的に
第1ティパニ奏者はくるみ割り人形で、素晴しいカスタネット演奏を披露した団友が担当していたが、彼の演奏は今まで聴いてきたどのアマチュアオケの奏者に比べても抜群に巧さが抜きん出ている印象だった。
それぞれの場面に相応しいバチを選択したうえで、一音一音の打撃の力加減を微妙に変化させ、しかもリズムは完璧で音楽性も高く、コンミスよりもこのテインパニ奏者の彼がオケをリードしているかのようだった。

このマーラーでは、オケが完全に一つの楽器になったかのように活き活きとした音楽を発し、指揮者の意のままに力強い演奏を聞かせてくれた。
特に多人数の管楽器のそれぞれのパートが一つにまとまっていて素晴しかった。
フィナーレではホルン8本のスタンディングによる「勝利のコラール」が高らかに奏せられ、ホールの中を興奮の響きで埋め尽くしたところで終演となった。

演奏会がはねてからもその興奮はなかなか収まらず、友人とそのまま反省会に繰り出すことになった。

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