2月最初の土曜日午後、大学オケ時代の後輩に誘われて、池袋駅前にある東京芸術劇場にやってきた。
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今日は今年4回目のコンサート、豊島区管弦楽団の第71回定期演奏会。
1975年豊島区の設立によって産声を上げたオーケストラだが、運営は市民オーケストラそのもので、ここに後輩の妹さんが所属しているということで、招待チケットを頂いたのだ。
席は当日指定引き換えということで先ずは指定券を引き換えると、1階席最後21列の真ん中辺りの席となった。
この席から見るステージはこんな風で、最近多い前から5~6列から比べると結構後に感じる。
今日の演奏曲目は、マーラー没後100年ということで、マーラー:交響曲第6番イ長調「悲劇的」1曲のみ。
指揮者は2007年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクール第3位の他、第11回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクール 審査員特別賞受賞など、各地指揮者コンクールでの入賞経験豊富な海老原光氏。
ステージ上には110名の団員が座る席が並べられている。
弦五部の配置は両翼にVnを配置、左手から1stVn、Va、Vc、2ndVnと並び、中央に木管、金管と並び、中央最後列のひな壇にコントラバス、打楽器群は左右に配置されておりおなじみのカウベルに木製のハンマーも用意され、指揮者の前にはチェレスタといった、大編成ながら最大限の音響効果を狙った配置とみえる。
開演のベルが鳴り、ステージ一杯に団員が配置についてチューニングが始まった。
ここで気が付いたのは、今日座った席に届く音が以外にも豊かな響きを伴った音だったこと。
1階席とはいえ最後列で後には壁がある席だったのでそう期待はしてなかったのだが、これは嬉しい誤算だ。
指揮者の海老原光氏がステージに現われた。
客席に一礼をした後、コンサートマスターの横で団員を見渡して暫し瞑想。
おもむろに指揮台に飛び乗ってから両手を大きく広げた姿勢からタクトを振り下ろした。
ザッザッザッ・・・スネアドラムとコントラバスによる4拍子のリズムに乗って演奏が始まった。
第1楽章は、冷徹なリズムを崩すことなく高度の緊張感を維持したまま進行していく。
金管のファンファーレが高らかに鳴り響き、木管楽器が美しい主題を演奏する。
左右に配置された打楽器群が効果的な音響効果をもたらしている。
ここまで聴いて、このオーケストラの実力が素晴しいものだということが理解できた。
弦のボウイングも指揮者の要求に瞬時に応え、トップから最後尾まで一糸乱れぬ統率力を持っている。
木管各パートの技量もすばらしいが、何より金管楽器が輝くサウンドを響かせているのがグッとくる。
第4楽章で振り下ろされるハンマーだが、今回使用されたスコアは、2010年国際マーラー協会改訂版という比較的初演に近いもので、打撃は2回。
流石に3回目は怖くて振り下ろせなかったのか。
全4楽章を通して指揮者が求めたのは、過度な叙情性を廃し、一本筋の通った緊張感ある演奏だった。
90分の演奏時間が全く長さを感じさせず、最後まで深みと力強い響きを聴かせてくれた豊島区管弦楽団に、開場からは万雷の拍手がおくられていた。
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