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サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン/フェスティバル・ソロイスツFINAL

日記・雑記
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サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデンは、去る6月4日から2週間余りにわたって、サントリーホールの小ホール(ブルーローズ)で開催された室内楽の祭典。
オープニングは、このサントリーホール館長である堤剛のチェロに若林顕のピアノにクァルテット・エクセルシオの弦楽四重奏により幕開けとなり、今日そのフィナーレを迎える今年12回目のコンサートに出かけた。

ブログの方もご覧ください。

梅雨の合間の曇り空。サントリーホール近くの喫茶店で軽食を摂る。

今日は当日券が12時30分より発売されるということで、早めにホール前の当日券売り場に並び、首尾よく指定A席を手に入れた後は、ベンチに座って開場を待つ。
昨日は屋根のある広場で市場(マルシェ)も開かれていたそうだが、今日は静かなカラヤン広場。
コンサート前になり続々と人々が集まりだす。

開場前になると、ホール正面上にあるカラクリが動き出し、パイプオルガンの音色を奏でる。

今日の演奏会は大ホールの方なので、大きなシャンデリアのあるエントランスホールの上に向かう。

今日の席は、2階RC6列7番で、ステージ右袖方向から見下ろす感じだが、意外にステージが近かったので安心する。

今日は、サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン/フェスティバル・ソロイスツ FINALと銘打った演奏会。
出演は、ピアノ:メナヘム・プレスラー、ヴァイオリン:竹澤恭子、ビオラ:豊嶋泰嗣、チェロ:堤剛の4人。
プレスラー氏は、長年ピアノ3重奏団「ボザール・トリオ」で活躍した名ピアニストで87歳になる。
ヴァイオリンの竹澤恭子氏はソリストとして世界中で活躍し、現在一際輝いている演奏家の一人。
またビオラの豊嶋氏は、新日本フィルハーモニー管弦楽団のソロ・コンサートマスターであり、小生にとっては兵庫県立芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスターとして馴染みあるが、今日はヴァイオリンをビオラに持ち替えての演奏。
そして、堤剛氏は、ここサントリーホールの館長でもあり、母校、桐朋学園大学の学長も務める重鎮中の重鎮。

これだけの顔ぶれが一同に会した室内楽の演奏会は、滅多に聴けるものではない。

曲目は、1曲目にシューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 op. 47、2曲目は、ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調 op. 10。
休憩を挟んで、ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 B162という名曲揃いの豪華プログラムだ。

1曲目のシューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調は、シューマンが一番気力充実し数多くの室内楽作品を書き上げた「室内楽の年」に作曲された名曲。
プレスラー氏のビロードのようなタッチがホール中に充満し、竹澤の弾く1742年製グァルネリが重なり合うようにメロディを紡ぎ出す。

大ホールでの室内楽なので音量が小さいのではと内心は心配していたが、それは杞憂。
ピアニシモでもホールによく響き、小生の座る2階席でも音やせすることなく素晴しい音楽が耳に飛び込んでくる。

堤氏は時折プレスラー氏とアイコンタクトをとりながら演奏しているが、プレスラー氏はひたすら竹澤氏の方を見つめながら。
豊嶋氏は中央に陣取ってメロディの受け渡し役といったところで、時折ロマンティックなメロディを奏でていく。
シューマンはやはり交響曲よりもこのような室内楽の方が良い。

2曲目はハンガリー出身の作曲家、ドホナーニによる弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調。
冒頭から東欧らしい民族的な色彩のメロディとリズムが進行する。
ここでは豊嶋しのビオラが美しい旋律を奏でるのが印象的。

最後のドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調は、プレスラー氏のピアノが弦楽3重奏とかけ合うかのような演奏。
親しみやすいメロデイが随所に現われ、叙情性や民族性に溢れる曲は、どこから聴いてもドヴォルザークそのもので、交響曲第8番に通じるところがある。

演奏終了は万雷の拍手にアンコールまで演奏してくれた。

フルオーケストラの演奏会も良いが、このような室内楽の演奏会も、機会を見つけてまた聴きに来ようと、幸せな気分で会場を後にした。

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