7月に入り梅雨前線が北上して真夏日となった土曜日の昼過ぎ。
阪急中津駅から歩いて10分程、大阪グランフロント横にある梅田スカイビルにやって来た。
今日は、ザ・シンフォニーホールで開催される、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の来日コンサート。
自宅からコンサート会場のあるザ・シンフォニーホールまでの道程を調べてみると、いつも行く西宮北口駅横の兵庫県立芸術文化センターだと駅からつながった回廊を歩いて直ぐだが、このザ・シンフォニーホールは場所が意外と不便で、グランフロントエリアが完全に再開発が終わればオフィスや商業エリアも整備され、そう遠い辺鄙な場所ではないと思うが、今はJR大阪駅、地下鉄梅田、阪急梅田、阪神梅田からだと、徒歩で15分、下手すると20分近くも歩くことになり、意外や阪急中津駅から徒歩が距離的には一番便利である。
前回このホールに来たのは、2014年4月にノンノンさんとコンサートに行った後は、カミさんの友人に誘われて大阪フロイデ合唱団のコンサートに出かけて以来である。
その後直ぐに色々有ったので、ここでのコンサートを意識的に避けて居たのかも知れないが、丸3年が過ぎて漸くここのコンサートチケットを購入したのだった。
席はステージを横から見下ろす、所謂ロイヤルボックスの前列で、このホールでは平土間よりも音響的にも視覚的にも楽しめる座席である。
今日のプログラムはブラームスの交響曲第4番と第1番である。
ブラームスの1番は有名曲であり、来日公演でも多く取り上げられる曲であるが、4番の方は意外とコンサートで聴く機会が少ないと感じていた。
偶々、先週はPACオケの定期演奏会でブラームスの4番を聴く機会があったので、若いアカデミーオーケストラの演奏と、ドイツの伝統あるドレスデンのオケとの違いを楽しみにしていた。
結論から言うと、プロ野球の2軍と1軍の違いであった。
個々の団員のテクニックの差はPAC団員が大きく劣っている訳ではないが、こと音楽性というか、音楽で聴衆を虜にする能力が格段に違うと感じた。
アンサンブルの緻密さ音色の豊かさ、色彩が遥かに豊かである。
驚いたことに前半の第4番から後半の第1番になると管楽器群が総入替えになりコンマスも交代すると、オケの音色の傾向がガラッと変わったことである。
ザンデルリンクの指揮は、知性的で抒情性に流されることもなく、かといって冷たいわけではない。
作曲家の意図を、それぞれの楽器を通じて聴衆に理解させる術を持っていると感じた。
トゥッティでもパワー全開ではなく僅かに抑制的な演奏であったが、これはホール空間がややコンパクトなこのホールに対応した為であろう。
演奏自体には大変満足したのであるが、唯一残念なのは聴衆の拍手マナーが無遠慮だったこと。
2曲ともフィナーレでタクトがまだ指揮者の頭上にあり、残響がホール内で消え入ろうとしている最中から拍手をするのは勘弁して欲しいと感じた。
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