初冬のチェンバロ – ソレール神父のソナタ集

日記・雑記
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このところ、ちょっと精神的にタフな状況になっておりまして
夜ふかしもそこそこ、くたびれて寝てしまうような日々が
続いています。。。
そんな中、なぜか最近こんな作品にはまっちゃっていて
朝いちばんに、これを聞いてなんとなく元気をもらっているのです。

ディエゴ・アレス
『Sol de mi fortuna – Fr. Antonio Soler: Harpsichord Sonatas from the Morgan Library』(2015)

タワレコの紹介文をまず引用します。
http://tower.jp/item/4104590/
世界初録音。
ソレール神父秘蔵のチェンバロ・ソナタ集

生涯を聖職者として送ったアントニオ・ソレール(1729-1783)。約150曲残されたチェンバロ・ソナタは師スカルラッティの影響を示しつつも、イベリア色香る独自の魅力を放っています。このアルバムに収められた26篇はすべて世界初録音。ニューヨークのモルガン・ライブラリー所蔵の自筆譜を使用して録音されました。当時のイタリアやスペインの鍵盤ソナタは、同じ調性で一対の曲を成していますが、ここではそれをきちんと再現。美しいメロディと陽光あふれる世界は、何故いままで埋もれていたのか不思議なほど魅力的。1983年生まれのディエゴ・アレスはリチャード・エガーやジェスパー・クリステンセンらに師事した将来を嘱望される若手。ジョエル・カスマン制作の1734年セビーリャ・チェンバロのレプリカ楽器が、スペイン黄金時代の響きを味あわせてくれます。

ソレール神父もディエゴ・アレスもよく存じ上げなかったのですが
素人の私が聞いても感じられる、アクロバティックな転調の多用は
一聴すると、にぎやかな印象が先行してしまいがちですが
ディエゴ・アレスの演奏のタッチがそうなのか
録音が中低音の響きをうまく拾っているせいなのか
やわらかで優雅なタッチを醸し出してくれているように
私には思えました。
上記の紹介文にもあるような「陽光あふれる世界」というのは
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、
当たらずとも遠からずというところもあって
ふんわりと気分を上げてくれる
そんな効果が感じられる演奏なのです。

以下ウェブ上から私の印象と重なるレビューを拾ってみました。。。

「ソレール作曲〈ソナタ〉No.104について」
http://members2.jcom.home.ne.jp/yukine/y/html/Soler1.htm
 ソレールのソナタの特徴は、自由な形式と転調にあります。
彼はABAといった形式にとらわれず、自由に作曲しています。
テーマを作っているモチーフは発想豊かで短く活き活きとしており、 次から次へとキャラクターの異なる表情が現れ、特に踊りを思わせるリズムはいかにもスペイン的です。

「アントニオ・ソレールのソナタ | 未音亭日記」
http://plaza.rakuten.co.jp/rkadono/diary/201209160000/
ソレールのソナタの魅力はいろいろありますが、…いくつかの作品に見られる音響効果のすばらしさです。彼はきっとスカルラッティとは別の意味で、ハープシコードという楽器の響きに特別な感受性を持っていたに違いありません。
例えばソナタ43番(G major)。前半の速射砲のような連打音の響きもさることながら、後半の「回遊部」で三度の連打音が転調を繰り返しながら雨あられと降り注ぐ部分はまさに恍惚とするほどすばらしく、ハープシコード・サウンドの極致というべき世界を創り出しています。
(中略)
カークパトリックはソレールのソナタを「これ以上派手で軽薄なものは想像しがたい、といったもの」と評し、「18世紀の教会の中で,ものうげな聖人達は言うに及ばす,飛び跳ねる薔薇色の天使達に会うのには慣れているが,これがエスコリアルということになると,まるで枢機卿会議が歓声を上げて舞っているかのようである!」と書いていますが、ソレール本人にしてみれば「我が意を得たり」かも。

アグレッシブなキラキラ感を愉しみたいときは
Dynaudioのシステムで
中低音の響きをもっとディープに愉しみたいときは
ハーベスのシステムで
といった具合に、どちらのシステムでも
愉しめるところも、お気に入りになった理由でしょうか。

初冬の陽光を慈しみながら、こんな音楽を愉しんでみては
いかがでしょう、ということでご紹介いたしました。

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