ピリオド楽器の浸透力:ファウスト+フライブルク・バロック「シューベルト八重奏曲」によせて

日記・雑記
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ピリオド(古)楽器演奏っていうと、
私は「温故知新」という四字熟語を思い起こします。
一種の歴史主義なのでしょうけど
後半の「知新」が大事だっていうことはわかっているのに
まるで古都の街を散策するかのように
古いいわれの楽器のリストをながめ
モダン楽器にはない音色を愉しみ
「へ~昔はこんな感じだったんだ~」とまあ
私などそこでおしまいになってしまいます。。。
これでは「知新」のかけらもうかがえないですよね。汗

でもそんな私でさえ、これは「知新」なんじゃないかと感じた演奏の中に
フライブルク・バロック・オーケストラ(以下FBと略す)の
最近聞いたものがありました。
昨年ちょこっとレビューも書いています。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/4053/20171001/57153/

届いたばかりのシューベルトの八重奏曲
http://www.eclassical.com/harmonia-mundi/schubert-oktett.html

メンバーは
「スリーピングビューティー」を奏でるイザベル・ファウスト
弦楽奏者はすべてFBやオーストラリア室内管のメンバー、
管楽器もFBでおなじみの
コッポラ(クラリネット)、ズヴァールト(ホルン)、ザフラ(バスーン)
といった、ピリオド楽器の最前線で活躍する奏者たち。とのこと

一聴してわかるのは
ひとつひとつの楽器の音の明瞭さです。
これは録音によるところもあるかとは思いますが
意図的にそう演奏されていると私には感じられました。
これはFBの他の演奏、たとえば同じシューベルトのシンフォニーでも
同様の傾向はうかがわれます。
でもアンサンブルがばらける印象がなく
むしろ強度が増しているというか
楽曲の骨太さがより感じられるようになっていて
オーケストラの小型版ではなく
八重奏曲なんである!という主張が伝わってくる演奏です。

また同じ八重奏でも
メンデルスゾーンの弦楽四重奏×2のような編成でない
この楽曲は弦と管楽器のからみのおもしろさがあると思うのですが
他の演奏よりもバランスとして管の音が大きめなような気がします。
たとえば90年代のベルリン・フィル八重奏団や
同じピリオド楽器編成による
ビルスマを中心としたアンサンブル、ラルキブデッリとくらべても
まだ大きめに感じられます。
管楽器が後ろに引っ込んで、弦楽器の音のなかに埋もれる感じは
ほとんどない印象です。
どの楽器も基本的に同じくらいの浸透力をもって
聞き手に伝わってくるのです。

またこういう合奏のなかから聞こえてくる
「スリーピングビューティー」は
個人的にはいちばん愉しめます。。。
終章の最後の溌溂ぶりを聞いていると
ファウストご本人もこういう演奏が好きなんじゃないかな~
と思わせるぐらいです。

とにかくここのところ
毎日このアルバムを通して聞くのが
日課となっている私なのでした。。。笑

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