デジタルレシーバとDACジッタ測定

日記・雑記
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今回はタイトルの通り、デジタルレシーバと手持ちDACのジッタ測定をしました。
http://innocent-key.com/data/yohine/dac/jitter_measurement.html
(2013/11/30リンク修正)
比較は次のとおりです。

Texas Instruments DIX9211
Cirrus Logic CS8416
Wolfson WM8805
Cirrus Logic CS8422

Lavry Engineering DA10
FIDELIX Caprice
Onkyo P3000R

おそらく自作をしない方にとってはデジタルレシーバとはなんだろう?という方がほとんどかと思います。しかしES9018等の特殊なDACチップ以外であれば、大抵デジタルレシーバが搭載されているはずですし、性能を知ることで今後のDAC導入を検討する際の参考にはなるかもしれません。もし興味があれば既存のDACがどのようなレシーバを使用しているか調べてみても面白いかもしれません。

こちらでは結果についてだけ簡単にまとめます。測定について詳しくはリンク先をご覧ください。

まずDIX9211やCS8416を単体で使用しただけではある程度以上のジッタが残ります。それに比べてWM8805は単体でかなりジッタを減らすことができる優秀なチップですが、88.2kHz以上の周波数ロックで安定性の問題を抱えています。高性能の代わりにロック安定度に問題がありノイズなどが入りやすいです。これはちょうどES9018のLowest問題と似ています。

安定性とジッタ抑圧のどちらも満たす手法は知識としていくつかありますが、サンプルレートコンバート、メモリバッファ、外部の特殊なジッタ抑圧機能(AITやお気楽オーディオキットの基板)等、ジッタを非常に低く抑えようとした場合には、こういった外部での工夫が必須ということになりそうです。このあたりのことは現役で設計をされている方や情報収集に熱心な方にとっては今更すぎる内容だと思いますが、自作DACを作るにあたって私自身同様の問題にぶちあたったわけです。

メモリバッファは部品数が多く必要であり、設計と実装の難易度も高く、さらにアルゴリズム実現方法によってはデータの喪失やレイテンシ(再生までの時間差)の問題を抱えています。さらに音楽制作サイドとしてはモニター時のレイテンシは死活問題のためこの方法は使えません。

サンプルレートコンバートはコンバートによる劣化がつきまといますが、水晶クロックの選定によってジッタを確実に低く押さえることが出来ます。方式上レイテンシも発生しません。今ではコンバートによる劣化を殆ど無視できる高性能チップが多くあり、しかもCS8422のようなサンプルレートコンバート機能とデジタルレシーバがセットになったICがあり、手軽に実装できそうだったので自作DACではこちらを採用してみました。

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結果CS8422であれば低ジッタと安定性のバランスは非常に良好でした。サンプルレートコンバータによる音質劣化も測定と聴感で全く分からないですし、音声のレイテンシもなく、音質的にも満足行く出来となりました。ジッタの測定値ではWM8805とCS8422は近いように見えますが、実際に比較するとCS8422のほうがはるかになめらかであり、分離もよく奥行きがあり、こちらのほうが明らかにジッタの少ない音という雰囲気に仕上がっています。

次回はなぜスペックに劣っているように見えるWM8741を採用したのかと、Capriceがありながら自作DACを作るに至った話を書きたいと思います。Capriceと自作DACの比較なども次回にかきたいとおもいます。

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