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自作DACの設計思想について2

日記・雑記
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制作の修羅場で全く更新できてませんでした。ヘッドフォン祭りも行きたかったのですがどうしても行けず、各所のレポート見て雰囲気掴んでいます。

さて、更新が遅くなってしまいましたが地味に書きためた内容を投下します。今更ではありますが先日のDAC設計思想についての追加記事です。

■ジッター特性は可能な限り追求したい

ジッターが多いと分離が悪化し不明瞭なサウンドとなり、さらにデジタル特有のきつい音となってしまいます。ジッターは経験上少なければ少ないほど優れた音となり、色付けのためにあえてジッターを残すメリットはないと思っているため、ジッターを減らすことは優先課題としています。

以前のジッター測定実験の結果(リンク)から、デジタルレシーバにCS8422を使用しサンプリングレートコンバータ(以下SRC)によるジッター除去を行います。SRCそのものは音質向上の手段では決してありませんが、原信号のクロックと完全に非同期でI2S信号を出力できる為、SPDIFからPLLにより取り出したジッターの多いマスタークロックを捨てて、低ジッターの水晶クロックから直接I2S信号を作り直し、DACのマスタークロックを直接駆動できます。これがSRCの最大の利点と理解しています。

水晶は低ジッタのVCXOを使用します。SRCを使用していても肝心のマスタークロックにジッターが多ければ無意味となってしまいます。ですからここではPLLは決して使用してはならず、水晶の中でも低ジッタモデルを探して使用することが重要と思われます。また高精度(PPM)ではなく低ジッタ(ps)であることが目印です。低ジッタを謳うモデルであれば水晶のデータシートにジッタスペックは必ず記載があります。今回は0.5psの水晶を使用しました。これは一般的なPLLでは実現不可能な低ジッタ性能です。この水晶を良い物に変えればさらなる低ジッタが狙えるはずです。

■低インピーダンスのレギュレータを各系統別に使用

既存の電源ICはどんなにスペックが良いものでも10kHz程度から特性が悪化し、なおかつゲインも80-90dB程度が限界のため、性能で納得できるものは探した限りではありませんでした。

そのためすべてのレギュレータは電源ICを使わず、オペアンプをエラーアンプとして採用した設計(オーディオデザイン、DEXAの電源も微妙な差はあっても同様の仕様と思われます)のものとしています。これにより広帯域高ゲインのレギュレータを実現できます。ここでICオペアンプを使うメリットは電源の使用箇所に応じて異なるICを選別できることです。アナログではローノイズ高ゲイン、デジタルでは高速広帯域、というような最適化がICの交換だけで簡単に可能ですし、ICごとの音の個性もありますから、あえて性能よりも積極的な音作りとして利用することも可能です。

また、純粋デジタル用3.3V、クロック用3.3V、DACアナログ出力用5Vとレギュレータを3系統に分けて供給しています。

ここまで電源に拘る理由は以前自作ヘッドフォンアンプ作成時に、レギュレータの性能による音の違いが、アンプ部のオペアンプIC交換などよりもずっと大きな音質的影響をあたえたという経験をして以来、電源のクオリティはとても重視と認識しています。

実際、ICのデジタル制御部のためのデジタル電源レギュレータであっても実験の結果、とても音質の差は大きく無視できるものではありませんでした。キットや市販でも低価格だとこのあたりに注目して手を入れている製品はないように見えます。高級品では多数のレギュレータを搭載している事例は多いですし、電源はとにかく大事だと思います。

■ディスクリートオペアンプを使用

以前のレポート(リンク)にて詳しく記載しましたが、ディスクリートとICの間には測定スペックと全く関係のない、越えられない音質の壁が存在します。この壁の原因は全く不明ですが、少なくともディスクリートであることで音質はICよりも分離が明らかに良いことを確認しました。そのためDACの出力フィルタには全て自作ディスクリートオペアンプを使用します。

入手可能な既存のディスクリートオペアンプも音は悪くないのですが、個人的には色付け過剰に感じる製品が多く、好みの特性(高域がなめらかで分離がよくワイドレンジな音調)のものが探した範囲では存在しなかったため、いくつか試作した中から納得の行く性能を持つものを採用しました。アンプの回路自体は非常にシンプルで、設計スキルはないため変わったことはしていません。

思ったことは、今時はトランジスタ単体の性能が優秀なのでICのような複雑な回路にせずとも十分特性が出るような気がします。

■抵抗によるノイズを低減

WM8741はデータシートに抵抗の熱雑音を抑えた出力回路が記載されています。抵抗の熱雑音はどのような種類の抵抗であっても原理上発生する雑音で、大きな抵抗値ほど大きな雑音を発生します。私自身はVishayのVARよりも抵抗値を下げた普通の安い抵抗のほうが音が良いということを実際に経験しました。

特に抵抗の劣化の音は非常に悪く、どうしようもなく見通しの悪い劣化になってしまうため、ピュアであることを目指すならば神経質に数値を詰めていく必要があると思っています。

データシートのリファレンス回路はかなり大規模な回路のためか、残念ながら自作例では見かけたことがありません。しかし低抵抗を使用しつつアクティブ・フィルタによりしっかりと高周波ノイズを除去していると見られる為、リファレンス回路の採用はWM8741の特性を引き出すには必要と判断し、自作DACでは採用しています(単にどんな音が出るのか気になったのはあります)。WM8741のSNスペックが高いのも基本的なチップスペックだけではなく、他DACでは例を見ない程のこの大規模リファレンス回路による差もあるのではと思ったりもします。

結果リファレンス回路はオペアンプ動作も安定し、測定ノイズレベルも低いですから結果としてよかったのではないかと思っています。現状は厚膜チップですが、All薄膜にしたらもっとよくなりそうです。

■実使用時の使い勝手の考慮

これはサンプルレート切り替え時にノイズが入らないこと、ディスクリートオペアンプ特有のDCオフセット対策、ポップノイズ対策、等となります。

まず、CS8422を採用してからはサンプルレートの切り替えやロック外れの際は自動的に音量は無音となり、ノイズ0で音声復帰の際に自動でフェードインしてくれるようになって非常に良い感じです。

DCオフセット対策は、出力差動アンプのNFB抵抗を介してDCサーボを接続して対処しています。実験結果から言うと、DCサーボアンプもTHD悪化の原因となるため、FET入力かつローノイズで、できる限りTHD特性の良い物を選択しました。

電源ON/OFF時のポップノイズ対策はマイコン制御の出力リレーで行います。電源ON時はDCオフセットが安定するための時間が経過してからリレーを接続し、それ以降は常時電源電圧を監視しアナログ電圧が80%以下になったときにリレーを遮断するようにしています。

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