続きです。
KIMURAさんとのオフ会を終えて、京都駅前に戻ってきました。
今度は地下鉄で京都コンサートホールへ向かいます。
アンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団のコンサートで、久々にナマで聴くアメリカのオケです。
ちなみに、前に聴いたのはマゼール/クリーブランドですから、何年前になるんでしょうね(汗)
最寄駅から植物園内の遊歩道を通ってホールに向かいます。
到着した時間には日が暮れてしまって残念ながらホールの外観を見ることは出来ませんでした。
写真によれば、建築デザインとしては結構攻めてるように見えますが、渋い色合いで風景に溶け込んでいますね。
ボストン交響楽団は、” The Big Five”と称される、メジャーオーケストラです。
(諸説ありますが、” The Big Five”と言うと、一般的にはニューヨーク・フィルハーモニック、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団・フィラデルフィア管弦楽団・クリーブランド管弦楽団を指します)
私としては、機能性を保ちつつ音色がウェットで” The Big Five”の中では一番ヨーロッパの香りがするオーケストラだと思っています。
指揮のアンドリス・ネルソンスは椀方さんとご一緒させていただいたライプツィヒ・ゲヴァントハウス以来です。
ホールは伝統的なシューボックス型でオケの背後にも観客席があるアリーナ形式です。
定員は約1800人でザ・シンフォニーホール(約1700人)よりも少し大きいですね。
天井は細かく反射用の出っ張りが設けられていて、反響を抑える役割をしているようで、ザ・シンフォニーホールやサントリーホールと比べると若干デッドな感じがします。
今回のプログラムはキャロライン・ショウのPunctum(オーケストラ版)、モーツァルトの40番、R・シュトラウスのアルプス交響曲です。
Punctumは初めて聴く曲ですし、一応現代音楽になりますが、尖った感じはなく聴きやすい曲でした。
この曲とモーツァルトは小編成で演奏されましたが、ホールの響きを考えると普通の編成の方が聴き栄えがしたかもしれません。
ネルソンスの指揮はいろんな意味で「安全運転」です。
破綻はしませんが統率が若干緩めで、もう少し切れやメリハリが欲しい気がします。
前半二曲を終えて休憩も後半に入ると、奏者がどんどん入ってきてステージがいっぱいになりました。
アルプス交響曲は大編成でパイプオルガンも使用します。
今回はこの曲のために京都公演をチョイスしましたので演奏前の練習を聴いているだけで個人的には盛り上がってきましたね。
ネルソンスの安全運転も「楽団員に極悪超過勤務を強いつつ、楽譜にあざとさをテンコ盛りする」R・シュトラウスですから問題ありません(笑)
目立ったトーンミスもほぼ無く、盛り上がって終わりました。
残念だったのは、今までいったコンサートの中で、ほぼ最高と言っていいくらいにお客さんの入りが悪かったことです。
五分どころの話ではなく、おそらく四割以下だったんじゃないでしょうか?
何となくモヤモヤとした気持ちを抱えたままホテルに戻ったのでした。
ホールの音については、伝統的な構造を保ちつつ、大音量でも飽和・破綻しないよう考えられているのだろうと思います。
もう少し響いてほしい気もしますが、設備も環境も十分なホールでした。
次の日は、朝から大阪に移動してハイエンドオーディオショウです。
久々に開催されることもあって楽しみにしていましたが、一番興味があったParadigmはトップラインのPersonaシリーズではなくセカンドラインのFounderシリーズを鳴らしてました。
DSPによるルームコレクションをプレゼンしてましたが、アンプ内蔵サブウーハーとパッシブ部分とのつなぎ方が難しそうです。
二日の間にいろいろと詰め込んだ弾丸ツアーでしたが、とても楽しく過ごしてきました。
来年はのことはまだ未定ですが、良いコンサートを見つけてどこかへ出かけたいですね。
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fukuさん、2日間で3つのイベントとは精力的に活動されてますね。
ネルソンス氏の指揮は安全運転に感じましたか?
オケによっては指揮者よりもコンマスや各トップ奏者の方が権威を持っているところもあるので、ボストンは独自のサウンドを維持している代わりに融通が効かないのかもしれませんね?
聴衆の入りが悪かったとのことですが、京都コンサートホールは京都駅から地下鉄で30分なので大阪や神戸方面から集客しようとすると1.5~2時間も移動時間がかかりますから厳しいのでしょう。
首都圏ならそれくらいの移動時間は当たり前なんですが、関西だと1.5時間でも遠いと感じてしまいますから仕方ないですね。
演目的に大阪での公演のほうが人気がありそう(内田光子の『皇帝』とショスタコービチ)だったので、そちらに行かれたのではないでしょうか?
と思っていたのですが、ベルウッドさんによると、東京でも不入りだったとのことで、ちょっともったいないですね。
演奏については、もう少し自己主張しても良いかな? と感じましたが、まだまだ若いですし、これからが楽しみな指揮者だと思います。
バーミンガム、ゲヴァントハウス、ボストンと振ってきているわけですから、将来を嘱望されていることは間違いないですし。
ちなみに2日で3つのイベントをこなすことになったのは、単なる偶然です(笑)
オーディオショウはコンサートのチケットを確保した後で発表されましたし、KIMURAさんとのオフ会はご厚意で声をかけていただきましたし。
来年もどこかに出かけたいと思っていますが、良いコンサートを探さないといけません。