西方オーディオ見聞巡りに行ってきました。それにしても、個々人のオーディオスタイルや地域性は大きいですね。出しているサウンドもオフ会の作法も、皆さん違うので目が回るようでした。”オーディオ西方見聞録”を日記にするなどと大きなことを言ってしまいましたが、さてどうすればよいのかと迷っています。写真だけでも100枚は越えますし整理も大変です。ですから、まわった順番にドキュメントを書きながら思い出し、気に留まったことをトピック的にメモしていこうと思います。
<< >>内がトピックです。
着目したのは10数年前に実施した”西方オーディオ見聞巡り”の記憶から、「各邸や人がどのように変わったのか」、初訪問のお宅では「新たな趣向や発見」もありました。「聴かせてもらう自分の変化」も感じますね。巡る中には数々のハプニングもありましたので、楽しかった思い出として、いつでも再生できるようにしておきたいと思います。
第1章:サウンドクルー邸
初日は広島のサウンドクルー邸に向かいました。朝7時の電車に乗って、広島駅への到着はお昼の時間となりました。地元名産の牡蠣小屋でカキづくしです。
<<取れたての牡蠣を炭火で焼きながら味わうのは絶品でした。広島に来たら、これは外せないです。>>
その後にサウンドクルー邸に向かいました。サウンドクルー邸は11種のシステムがあるそうで、今回の訪問では、公開している4つのシステムを聴かせてもうらうことになっています。最初は”リファレンス:マジコ軍団”でした。
①リファレンス:マジコ軍団
オーディオルームには、スピーカー別に3つのシステムが混在していました。その中で、リファレンスはマジコ Q3を中心としたシステムです。
スピーカー:マジコ Q3
プリアンプ:FIDELIX CAPRICE
パワーアンプ:M+GEN
SACDプレーヤー:エソテリック グランディオーソ K1X
目指したサウンドは、カッティングエッジ。時代の最先端を目指した終のシステムとのことでした。オーディオルームは15畳ほどの広さで、天井は高めです。電源環境は素のままとのことで、「オーディオ使いこなしドクターの仕事」もしているため、一般的な環境のままとしているとのことでした。
簡単な説明を受けた後に、早速の試聴タイムです。
クルー氏:「では、お持ちになったCDをおかけいたしましょう」「私からこれを聴いて欲しいという音源はありませんので」
この言葉には、度肝を抜かれました。普通はホストが選んだソフトでプレゼンした上で、「何かお持ちの音源がありましたら」と促される形と思っていたからです。余程に自信があるのか?とも思ったのですが、年に1000人近いお客さんをお迎えするので、短時間で試聴をやりくりするために、この形になったのだと思われます。コロナ明けの昨年ですら、700名の試聴客があったとのことで驚きました。
<<自宅にお迎えした時に、席に着くなり「では、これを聴かせてください」と言われて、「ずいぶんと図々しい人だな」「ウチはお店じゃないんだけれど」と思ったのは、自宅でこのようなスタイルでやられているからですね、ようやく理解が出来た気がしました>>
<<少し先の話になりますが、四国ではホストが選んだソフトをかけまくり、「最後に・・・」と言われるソフトも自前のもので終らせるスタイルが多かったです。このスタイルの違いも面白いと思いました。ちなみに関東では、自前のソフトでプレゼンした後に持ち込みを促すスタイルと、自前を掛けまくるスタイルが混在しています>>
促されて最初に取り出したのは、”パッヘルべル カノン/オルフェウス室内管弦楽団” CDです。
試聴後の感想は、「通奏低音がよいですが、冒頭の第1ヴァイオリン~第3ヴァイオリンのカノンの定位が甘いですね」でした。
するとサウンドクルーさんは、「地震でエラックのスーパーツイーターがズレた可能性がありますので外します」と言われました。
スーパーツイーターを外すと、確かにカノンの定位が正確になりました。ですが、続くコメントが出てしまいます。
ヒジ:「定位は正確になったのですが、カノンのハーモニーを感じ難くなりました」
クルー:「(わが意を得たりと言わんばかりに)そうでしょ、だからスーパーツイーターを付けているんです。」「今回はズレてしまったようで残念です」
冒頭にこんな会話になりました。だから、一般的には持ち込み音源は最初にかけさせないんですよね。神経がすり減ってしまいますので・・・
続く持ち込み音源は、”幸田浩子/カリヨン” CDです。
聴き終わって、「アンサンブルが奥行き深く、美しいです」「ですが、ボーカルが奥に引っ込んでしまいますね」
こちらは、原因や対処の話はせずに先に進みました。
次々に持ち込み音源を聴かせてもらったのですが、全体的には「奥行きが深く」「低域の解像度が高い」素晴らしいサウンドだったと思います。クルーさんを自宅にお招きした時も、屈託のない意見(よい点、気になる点)でしたので、自分も同じスタイルで試聴に臨ませていただきました。
最後には、ご自身が製作されている”THE DRUM SOLO” シングルレイヤーSACDをプレゼンされて、これ以上ないと思わせるドラム ソロを聴かせてもらい①リファレンス:マジコ軍団試聴はお開きとなりました。
<<持ち込み音源からの試聴など粗さがしされるだけですよ~ん、オーディオマニアをなめたらあかぜよ>>
最後にはアンケート用紙を渡されて感想の記入を促されましたので、「よいと感じた点」「気になった点」を書き込みます。クルー氏は、訪問されるすべての方にアンケートをお願いしているとのことです。余程に自信があるのか、少しでも追い込みを進めたいと言う向上心の現れなのかでしょうね。クルー氏は、その間に配線を繋ぎ変えて、以後の試聴タイムの準備をされていました。
そして、次なる試聴システムを目指して、3階にあるリスニングルームシステムに向かいます。
(つづく)
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