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ケチケチな天国と地獄のウィーン8(ウィーンに来ても聴けないウィーン・フィル)

日記・雑記
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プラスチラバからウィーンに戻る電車はガラガラでした。週末でしたが、まだ仕事上のゴールデタイムだったからかもしれないです。

ホテルに戻った後で少しだけ休憩をして、夕食を済ませたあとにムジークフェラインに向かいました。

 

待望のウィーンフィル公演です。何度もウィーンに来ているのに、「待望の・・・」となるのは、「ウィーンに来ても聴けないウィーンフィル」だからです。ウィーンフィルのメンバーは、日常では国立歌劇場のオーケストラとして活動しています。その中で有志がつどいオーケストラを編成しているため、毎日コンサートが行われるわけではありません。ザルツブルク音楽祭を除いては、月に1演目/3回公演といったところでしょうか。その3公演のうちの2公演は定期演奏会でチケットを取るのが大変です。ですからウィーンフィル公演に当たる確率は1/10となるためです。実際のところ、自分もウィーン8回目ですが、ウィーンフィル公演にあたったのは半分くらいです。だから待望の・・・となります。

 

今回座ったのは、2階バルコニの4番扉3列目です。座った状態ではステージは殆ど見えませんが、立てばステージの半分以上は見えます。音はとても良いです。そして、チケット代がカテゴリ1の1/4ほどになるのでお得な席です。最近は、この2階バルコニーの3列目がお気に入りとなっています。

 

ステージを真上から見るとこんな感じ、パイプオルガン席を見るとこんな感じでした。

 

5月2日ムジークフェライン大ホール ウィーン・フィル公演

<演奏曲>

ラミンタ・シェルクシュニテ 真夏の歌

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

シベリウス レンミンカイネン op.22

 

演目は定期演奏会と同じ内容で、2日間行われる定期演奏会の前日にムジークフェライン主催で行われるコンサートです。ムジーケフェラインで聴くウィーンフィルは、10年ぶりくらいですのでどうも落ち着きません。普通に座っているとステージが見えませんので、立ったり座ったりしながら開演を待ちます。ムジークフェラインで聴くウィーンフィルはいいですね。最初の現代曲だけは座って聴きましたが、続く2曲は立ちっぱなしで聴くほどに惹きつけられた公演でした。これで60ユーロですからケチケチ作戦の当たりと言えますね。<ホクホク9>

 

ラミンタ・シェルクシュニテ 真夏の歌

作曲家のラミンタ・シェルクシュニテは、リトアニア生まれの女性作曲家です。詩的な特徴と神秘的な雰囲気を持つと紹介されていますが、まさにそのものな楽曲で、弱音の美を感じるものでした。10分程度の短めな曲でしたが、作曲したシェルクシュニテも来ています。初めて聴く現代曲でしたが、心落ち着く美しさを感じさせてくれました。

 

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

ピアニストは、ユジャ・ワンです。オーケストラの準備が出来て、ピアニストの登場を待っているのですが、いつまでたっても出て来ません。そのうちに、会場もざわつき始めたのですが走るように出てきました。楽屋裏では何が起こっていたのでしょうか?オーケストラでいっぱいになった、段々畑のようなステージを、ドレスをまくりながら大股で渡りぬけ、ピアノの場所にたどり着くなりピョコんと頭を下げる様子が、まるで「山猿」のようで笑みがこぼれます。

演奏が始まると、先ほどの山猿姿とはうって変わってエネルギッシュに演奏する姿は素敵です。今回初の女性指揮者と張り合うような演奏がスリリングでもあり、ウィーンフィルのやわらかな弦の音との対比も印象的でした。ウィーンでも、ユジャ・ワン人気はすごいですね。終演後の拍手が鳴りやまず、アンコールを求めます。予定していたのかどうかはわかりませんが、ジャズ・ピアノを披露していました。

演奏後にピアノはステージから外されるのですが、狭いスペースからどうやって移動させるのかと思いますか?まずピアノを横に倒してから、足を外して、分解して横倒しにしたまま外に運んでいました。

 

シベリウス レンミンカイネン

休憩後は、先ほどの協奏曲とはうって変わりオーケストラの本領です。交響詩を組み合わせたレンミンカイネン組曲では、強奏時の音量もぐっと上がり、終曲の「レンミンカイネンの帰郷」では、美しさだけでなく、コントラバスが唸るような迫力の演奏で楽しめました。

 

ウィーンに来ても聴けないウィーンフィルです。ラストウィーンとしていましたので、これで最後との思いをかみしめながらアパートに戻りました。

ですが、高椅子の足載せ部分にずっと立って聴いていたので、帰りながらに足が痛かったのも事実です。代償がまったくない節約はないのかもしれません、ちょっとはしゃぎ過ぎました。

 

 

ここまで ホクホク:9 ガックリ:6

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