最近は音楽を聴かずにYouTubeばかりみている。
Subscribeしているいくつかのオーディオ関連のチャネルがあるのだけど、
その中の一つ、”The Joy of Vinyl Records”で面白いことを言っていた。 ちょっとこじ付けっぽいけどね。
Why Vinyl Records Matter? (It’s more than you think)
ディジタル音源で素晴らしい音で気軽(レコード再生と比較して)に楽しめる現在、なぜわざわざ面倒くさいレコード再生を好むのか。
本当は、趣味の事だから理屈はいらないんだけど、話としては面白かった。
レコードを再生する行為、手順を日本の茶道に例えて、「儀式」に意味があるという。
茶道のことは知らないけど、たかが茶を入れるために何であんな手順を踏む必要があるのか、要するに結果だけが重要なのではなくその過程に意味があるという。
結果も大事だけど、そこに至る過程、手順も含めて楽しむのが好きだからレコードを聴き続けるのだという。
私のようにCDやディジタル音源が存在しない頃からオーディオを楽しんでいる世代からするとアナログレコードの再生は特別でも何でもないのだが、音楽を良い音で楽しみたいというのならわざわざレコードを選ぶ必要はない。 それでもレコードを聴き続けるのはなぜだろう。 ディジタル音源より音が良いからというわけでもなく(私はどちらも良い音だと思うので比べる必要はないと思っている)、その行為が好きだから、その存在感が好きだからだろう。
確かにレコードの再生は儀式みたいなものだ。 でも茶道と違うのは、緑茶を飲むのにあの儀式手順を踏む必要はないけど、レコードの再生は儀式なしには聴くことができない。
もう一つ、「金継ぎ」も引き合いに出している。
金継ぎというのは割れた器を金箔、漆を使って修繕することだけど、割れ目を隠すのではなくわざわざ目立たせてそれ自体を愛でるという、多分日本独特の美意識だと思うのだけど、ここでの比較は、どちらも不完全なものを楽しむ、愛でるという事なのだろう。
確かに、アナログレコードは不完全の塊。 その曖昧さから素晴らしい音が再生されるのだから面白い。
不完全さを認めずに完璧を求めすぎるのは興醒めだ。
などということをつらつら考え、またYouTubeを見る。
音楽を聴け、と思うのだけど、、やっぱりYouTubeを見る。

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