新規会員登録の際、X(旧Twitter)のフォローやメッセージをご確認頂けず、登録保留の方もいらっしゃいますので、Xへログイン頂きご確認をお願いします。

ソナスマルチの位相問題―「ものいわぬははらふくるるわざ」

日記・雑記
Sponsored Link

これは書こうかどうか迷っていたのですが、「ものいわぬははらふくるるわざ」と言いますので(笑)。

実は、一時位相問題に悩み、血迷って「総入れ替え」も考えていた時に、買い替え候補として同じソナスの一つ上のランクのシリーズ、「オリンピカ」を検討していました。結局、このシリーズのフロア型は、左右非対称であることを知り、センターと3本を「同じ」にすることができないことがわかり断念したのですが、その時、参考にしたサイトの一つがここです。

その記事の一部を以下に引用します。


 デノンAVC-X8500Hを用いて、ノヴァ5をフロントL/Rに、ノヴァ3をリスニングポイント側方、ノヴァ1を後方に置いてサラウンド・チャンネルを4本としたセンターレス、サブウーファーレスの6本スピーカー構成でUHDブルーレイの『AKIRA』やブルーレイ『コールド・ウォー/あの歌、2つの心』などの映画ソフトを再生してみた。音のテクスチャーが見事に揃った同一シリーズで構成したサラウンド・システムならではのまとまりのよさで、音が見事に溶け合って間然するところがない。また人の声を迫真的に聴かせるノヴァは映画再生にピッタリ。サラウンドchに大胆に振られた『AKIRA』のガムランやジェゴクの響きの生々しさも特筆モノで、ついテストを忘れてずっと観続けてしまったのだった。

輸入代理店のノアの社長さんによると、ソナスの最近の3Wayはすべて同じネットワーク設計方針になっているそうです。つまり、恐らくこの「オリンピカノヴァ」も3Wayの「5」と「3」はツィーターとスコーカーは「逆相」接続、ウーファーは「正相」接続になっているはずです。一方、2Wayの「1」は、ツィーターとウーファーは「正相」接続になっていると思います。

ちなみに、元住ブレーメンさんがお持ちのAmati Homageというハイエンド3Wayですら、「AVアンプはヤマハ->ソニー->パイオニア->ヤマハと四代目ですが、毎回「逆相」と判断される」そうです。

さて、ここで問題提起です。この記事を書いている方は、「オーディオ評論家」という肩書です。私も高校生の頃愛読していた『Stereo Sound』や、最近愛読している『Hi Vi』にもこのところよく寄稿されているプロフェッショナルです。

記事中、スピーカーとの接続方法について特段のことは書かれていませんので、恐らく、プラスはプラスに、マイナスはマイナスにつなぐという「普通の」つなぎ方をしたものと思われます。恐らく、バイアンプ接続などもせず、デフォルトのショート金具を付けたままつないだのでしょう。

使用したAVアンプは、この記事には「デノンAVC-X8500Hを用いて」とは書いてありますが、ビルトインされているAudysseyという補正ソフトを使ったのかどうかは書いてありません。もし、使ったのであれば、3Wayの2機種(このテストでは、フロント2台とサラウンド2台)は「逆相」判定されたはずですが、特にこれにも触れていないので、恐らく(まあ時間もないでしょうから)、Audysseyは使わずに(つまり補正はかけずに)試聴したものと想像されます。

で、その結果、「同一シリーズで構成したサラウンド・システムならではのまとまりのよさで、音が見事に溶け合って間然するところがない」そうです。この、ソナスの3Wayと2Way が混在しているシステムで、特段の補正をかけなければ、3Wayの中高域と2Wayは相互に逆相になっているはずなんです。この事実を、ノヴァの社長さんと、ダイナのベテラン店員さんと私の3人で実験し、確認したのは「日記」に書いた通りです。

この「逆相」状態のままマルチチャンネル再生をするとどのようなことが起こりえるかをわかりやすく書くと、例えば、ある映画のワンシーンで人物が画面の左から右側に歩いてフレームアウトし、その足音が右の壁に沿って後ろに移動し、あなた(視聴者)の背後に回りこんだことを「音」で表現しているとしましょう。

さて、このシーンを、この記事にある「オリンピカノヴァ」のシステム構成で再生すると、恐らくこうなります。1.画面左から右に歩く足音=これはきれいに移動音が再生されます2.画面をフレームアウトしてから、視聴者の横あたりまで来る足音=これも移動音はスムースに再生されます。機種は違っても同じ3Wayなので、すべてのスピーカーユニットの位相がそろっていますから3.視聴者の横から背後まで来る足音=これが問題です。サラウンドとサラウンドバックSP間の音場は、3Wayと2WayのSPで構成されていて、中高域は相互に「逆相」となっているため、コツコツという靴音の移動音はきれいに再生されません。恐らく、突然、右横から真後ろに「ジャンプ」するでしょう(それまで、ゆっくり歩いてきて恐怖感を高めてきたのに=笑)。逆相接続だと音がSPに張り付くからです。

「同一シリーズで構成したサラウンド・システムならではのまとまりのよさで、音が見事に溶け合って間然するところがない」??? この記事には接続方法や補正システムについての追加的な情報が望まれます。でないと「プロ」の耳を疑うことになってしまいます。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

タイトルとURLをコピーしました