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John Williams vs. Daniel Barenboim. Berliner Phil vs. Vienna Phil. Atmos vs. Auro3D

日記・雑記
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John Williams vs. Daniel Barenboim, Berliner Phil vs. Vienna Phil, Atmos vs. Auro3D

この写真のディスクの両方、あるいはどちらか一方をお持ちの方は少なくないと思います。
(写真1)[:image1:]

片やスターウォーズのテーマなどの作曲者として現在の映画音楽界の第一人者の一人であるジョン・ウィリアムズが、間違いなく世界最高峰のオケの一つであるベルリンフィルと2021年の10月に共演したLiveのBDアルバム。片やこれも世界最高峰のオケの一つであるウィーンフィルによる、毎年恒例のニューイヤーズコンサートのライブBDの2022年版で、今年の指揮者はダニエル・バレンボイムです。

どちらも日本版で、そもそも日本版が出ているということは、世界中でかなり売れているわけで、最近出たクラシック系のBDではかなり有名な作品である点において、この二つは甲乙つけがたいものだと思います。

さて、今回の私の興味は、どちらの演奏がとか、どちらのホールがということではありません(そもそもそんなことを論じられる音楽的素養はありません=汗)。この録音時期が近く、しかもベルリンとウィーンというお隣同士の国の首都で収録された、同じBDフォーマットなのに、片や「Dolby Atmos」という比較的新しいイマーシブオーディオフォーマットを採用してそれを高らかに<宣伝>している(今月号の『HiVi』にも「アトモスで<音楽>を楽しもう」という提灯記事が出ていますね。どんだけ宣伝費使っているの!=笑)のに対し、片や同じく最新のイマーシブオーディオフォーマットである「Auro3D」を採用しているにも関わらず、悲しいかな(笑)、それをまるで「落とし子」のように、<ひた隠し>にしているという、この扱いの違いを取り上げたいと思います。

(写真2)[:image2:]
ちなみに、上の写真にあるように、ジョン・ウィリアムズは先にウィーンフィルとの共演(こちらはなんと、現代最高のバイオリニストとの呼び声も高い、ムターも参加!)も果たしており、こちらもBDによるライブ盤があり、ニューイヤーズコンサートと指揮者は異なっても同じ会場、ほぼ同じ団員ですので、後ほど<音>を比較してみたいと思います。これも今作と同様、Dolby Atmos採用です。

マルチに関心のない方はこれらのアルバムをもしかするとCDやLPとかでお持ちの方もいらっしゃると思いますので、そういう方にとっては物珍しいかもしれませんが(笑)、このようなBDアルバムの場合、最初の画面でたいてい再生フォーマットを選べるようになっています。

まず、こちらがジョン・ウィリアムズのBDのスタート画面です。
(写真3)[:image3:]

「Stereo」「DTS 5.1」の下に「Dolby Atmos」が選べるようになっています。「三択」です。

もちろんパッケージの方にも誇らしげに(?)「Dolby Atmos」のロゴが入っています。
(写真4)[:image4:]

この「Atmos」を選択すると、私のAVプリにはこのように、ちゃんと「Dolby Atmos」と表示され、Atmosとしてデコードしていることがわかります。
(写真5)[:image5:]

一方、こちらはBD版ニューイヤーズコンサート2022のスタート画面です。
(写真6)[:image6:]
ちょっと見にくいですが、[2.0ch PCM]と[5.0 DTS-HD]の二択になっているのがお分かりになると思います。パッケージにも、この「二択」であることがはっきり書かれています。
(写真7)[:image7:]

で、この[5.0 DTS-HD]を選択した私のAVプリの表示がこれです。
(写真8)[:image8:]

なんと!「DTS-HD MA Auro3D 48khz 9.1」と「Auro3D」の表示が!!!これはこのソースがAuro3D信号を含んでいることを認識し、AVプリ側が「9.1chのAuro3D」としてデコードしていることを示しています。私のAVプリでは、ソースのフォーマットが「Auro3D」と認識すると、それが9.1chだろうが、11.1chだろうが、なぜか13.1chのMaxフォーマットにUp Gradeしてくれる(笑)ので、拙宅では13のスピーカー(プラスSW3台)から音が出ます。これには「センターフロントハイト」と「トップ(Voice of God)」という、Atmosでは定義されていないので音を出せない、Auro3D専用の二つのスピーカーが含まれています。

これが「隠れAuro3Dソフト」であることはAuro3Dファンの間ではかなり知られたことで、実はこのSonyが出しているNew Year’s Concertシリーズは、私が持っている限りでは2018年版からAuro3D録音されております。
(写真9)[:image9:]
しかし、いずれもパッケージにも選択画面にも「Auro3D」の文字は出てきません。「DTS5ch」を選択して、お手持ちのAVアンプがAuro3Dに対応している場合のみ、「こっそり」(笑)この録音フォーマットが本当はAuro3Dであるという素性を明かしてくれます。

つまり、同じイマーシブオーディオフォーマットなのに、ジョン・ウィリアムズのアルバムは、高らかに「Atmos」をアピールして売っているのに対し、ニューイヤーズコンサートの方は「Auro3D」で録音されていることをひた隠しに(?)しているように見えます。

なぜなのか?

前者がグラモフォン、後者がSonyという製造・販売元の違いはあります。しかし商売としては、一枚でも多く売れた方がいいはずですから、Sonyがこのパッケージに「Auro3D」と印刷すれば、私のような<Auro3Dオタク>が、たとえクラシックに興味がなくても買うケースは出ると思います。それとも、まさか「Auro3D」と表示すると「敬遠されて売り上げが落ちる」とSonyは考えているのでしょうか?そこまでStigma化されてます、Auro3Dって?(泣)

まあ、「隠しコマンド」にしておくことで、<オタク>心をくすぐる、というのはゲームソフトの世界などではよくやる手のようですが…

これ、不思議なんですよ、前から。私がAuro3Dの社長さんだったら、『New Year’s Concert』のような世界中でかなりの売り上げが見込めるソフトこそ、「Auro3D」のロゴを入れさせるでしょう。そうすれば「Auro3D」の知名度が上がるし、「このような有名作品が採用している録音フォーマットならうちも使ってみよう」と思うレコーディングエンジニアがきっと出ると思うんですが。この謎解きできる方、おられますでしょうか?

最後に、やはりこのサイトはオーディオファイルのサイトですから、なんだかんだ言って<音>はどうなんだ?って思われますよね。

そこで、フォーマットの違いにスポットを当てるため、それ以外の条件が近い、最初に紹介しました同じウィーンフィルの学友協会ホールで録音された、John Williams とNew Year’s Concertを拙宅の伊豆のシステムで聴き比べてみました。もちろん、前者はAtmos、後者はAuro3Dで。

言うまでもなく、曲が違うので厳密な比較はできませんが、どちらもイマーシブオーディオフォーマットなので空間表現だけに注目して(つまり、楽友協会ホールらしさをどちらがより体現しているか=実は行ったことないけど=笑)、どちらもフィナーレ曲(前者は、「スターウォーズから<帝国のテーマ>」、後者は、「ラディツキー行進曲」。どちらも最後に観客の歓声と拍手が入り、これらの<音源>は同等と思われます)を聴き比べました。私的には(まあ、私が書くのだから結論はみえていると思いますが=汗)、Auro3Dの方が音の迫力といいますか、迫真性、空間の広がり感とレゾナンスの美しさなどで、Atmosを<圧倒している>と聴こえます。これは論より証拠で、本当は、そうですねぇ、ヒジヤンさんのような、このホールに足しげく通われた経験のある方に比較試聴してもらう方がFairな結論を出せるのでしょうが(ちなみに、これまでの経験から、Atmosの方が優れた音場表現をするケースとして、「フロントワイドch」に音が振られているソースがあります。この場合は、Auro3Dより左右の広がり表現に優れるので、大編成のオケ曲だと音が波のように左から右へ、右から左へ動く感じが出ます。先に紹介した今月号の『HiVi』で紹介されているサロネンのアルバムなどがそうです。この「フロントワイドSP」はAtmosでは定義されていますが、Auro3Dでは定義されていませんので、Auro3DやAuro-Maticでは鳴らすことができないスピーカーです。ただし、私の知る限りでは、Atmosの音楽ソフト(映画でも)でこの「フロントワイドSP」に音を振ってあるソフトは非常に少ないです=今回のJohn Williams のはさすがグラモフォン、「9.1.4」との表示があり、FWにも音が振ってありましたが、最新のエリック・クランプトンのBDのAtmosなんか、「7.1.2」ですからね。これが一番多いAtmosです)。さらにそもそもAtmos環境を整えている方でも「フロントワイドSP」を入れている方は少ないのでは?=1Fが9.1chになりますので、拙宅のようにある程度縦に長い部屋でないと片壁に4台のSPを効果的に適切に離して置くのは難しい)。

最後の最後に、Auro3Dファンの私が使っている「裏技」のご紹介。マルチに詳しい方はよくご存じのように、Atmos, Auro3Dとも、それぞれ非対応フォーマットを「らしく」再現するためのUpMixがあり、それぞれ、Dolby Surround, Auro-Maticといいます。ただ残念ながら私のAVプリでは、オリジナルのフォーマットがAtmosかAuro3Dの場合、他のフォーマットに変換して再生することができません(つまりこれら二つは必ずオリジナルフォーマットで再生される)。しかし、ソースが5.1chの場合は(もちろん2chでもですが)、Dolby Surround, Auro-Maticの好きな方を適用して聴くことができます。

私はこの機能を利用して、SACDマルチなんかもオケものはAuro-Maticで聴いているのですが、同じことはこのJohn Williams のBDでもできます。つまり敢えてAtmosをスルーして、5.1chを選択し、AVプリの方でAuro-Maticを選ぶのです。

(写真10: DTS5chのソースに対し、Auro-Maticを適用している)[:image10:]

映画のように意図的に特定の音を特定の上方のSPに振ってはいない、今回のようなオーケストラものでは、Atmos音源をこのようにしてAuro3D化しても、音像表現上のデメリットは感じません。むしろ、5.1ch録音は往々にして192KHzとか96Khzという高音質で記録されていることが多く(残念ながら今回のアルバムは48KHz)、この場合はAtmosフォーマットの最大値である48KHzというサンプリングレートの音源より<理論的には>高音質のはずです。

この高音質の5.1chソースを基にUpMixしたAuro-Maticの音(Auro3Dは全チャンネル192KHzまで対応できる)の方が、オリジナルのAtmosで再生するより、音質的にも音場的にも「音がいい」という体験を、すくなくとも「私は」しています。今回のJohn Williams のアルバムも、Auro-Maticで聴いた方がAtmosよりキレと迫力があり、一音一音がリジッドです。Auro3D対応AVアンプをお持ちの方は是非、お試しあれ!

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