TDA1541Aを使用したDACを作って暫らく経ったので初期エージングは出来たかな?
かなり前になりますが個人で経営するCD店で「少し前にウィーンに行ったのだけどDENONのCDが入ると行列が出来てすぐに売り切れて入手出来なかった。何処か違うのか?」と聞かれた事がありました。
当時はよく分からなくて「日本なら買えるけど、どうしてなんでしょうね?」・・・
TDA1541A DACに追加でアナログのデ・エンファシスと表示灯を付けたので、80~90年前半の当時のDENONのPCM DIGITAL CDを聴くとほとんどがプリ・エンファシスCDでした。
これをアナログでデ・エンファシスすると確かに 納得です。・・・PMD100のデジタル処理とは一味違う?
16bit上限の時代にエンファシスはそれなりの効果が有ったみたいですね。
素の周波数特性を測ると20KHzで-3dBになっていました。
あれれ?・・・基板をよ~く見るとアナログフィター回路の時定数が基板印刷で1000pの所に2200Pが付いていました。
取り付けミス? 意図的?かは分かりませんが、1000pに交換したら周波数特性は20KHzで-0.4dBと良好になりました。・・・計算上ではフィルター単体で33KHz→49KHz
NETで調べるとTDA1541AはN.O.S.(ノン オーバーサンプリング)化すると良いと???
これを見越して遮断周波数を20KHzにしていたかも?
試しにx4 - N.O.S.切替回路を作りました。
デジタルフィルターのSAA7220からTDA1541Aに送るI2S信号をSAA7220の入力と4倍の出力信号を切り替える簡単な回路です。
ド・モルガンの定理で簡略化すればNAND IC 3個で組めそうですがANDとORのICが有ったのでそのまま組みました。
2.5mmユニバーサル基板を使用して隙間に嵌めるために2段構成になりました。
SAA7220を取り付ける24ピンソケットは手持ちに有った28ピンソケットの4ピンを切り落としました。
思いつきなので全て有り合わせです。
N.O.S.切替回路を取り付けました。
赤丸が変更した部分で部品の合間に何とか収まりました。
5Wの抵抗付きの基板は、出力を繋いだまま電源を入/切した時に出る”ポコ”音が嫌で付けたリレー回路です。
TDA1541Aの①ピンWS(LRCLK)の入力波形です。
上が通常のx4倍で176.3KHz,下がN.O.S.の波形で44.1KHzと確かに切り替わっています。
再生音も正常に出力されているのでCLやDAもセットで切り替わっています。
PHILIPSの規格表によれば入力はVDD(5V)±0.5Vなので電圧は5.28~5.36VでOKです。
この時にSAA7220P/Bを付けたつもりがSAA7220P/Aを付けていたのでSAA7220P/Bに付け替えました。・・・何が違うのか分かりません!
x4とN.O.S.の周波数特性を測りました。
x4倍はSAA7220P/AとP/Bの違いで前回の測定より1dBほど全体のゲインが上がっています。
N.O.S.は更に1dBほどゲインが上がって原因不明ですが20KHzで-3dBになっています。
信号源のCD、DA変換とアナログ回路は共通なので単純にデジタルフィルターの差によるのかな~
それとデシタルフィルターって周波数特性だけでなくゲインまで変わる物だったんですね?
補間による面積の差なのか?元のデータまで弄っているのか?分かりませんが予想外の結果です。
もし元のデータまで弄っていたら16bit保証のダフルクラウンの存在価値は???
TDA1541A全盛の頃のCDで試聴しました
どれもプリ・エンファシスCDです。
x4の方が中高音の張り出しが良くて綺麗でした・・・NETの下馬評とは逆?
一世風靡したICなので効果がなけければ早い段階で外されていたでしょうね。
ここ暫らく調整のためにCDばかり聴いていたので 改めて384KHzのDXDを聴くと、緻密さや滑らかさ そして臨場感に圧倒されました。
頑張ってDACを調整してこれならと思っていたのですが・・・半世紀のデジタル技術の進歩を実感させられました。
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