道中膝栗毛レポ【第12話:Mt.T2邸 後編-1】

日記・雑記
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マンションのRC構造の中で、テツは低音の処理に苦慮していたようだ。

当然かもしれない。スピーカーの周りは、硬いコンクリートの壁に囲まれている。低音の逃げ場がないのだ。低音のエネルギーは硬い壁に跳ね返され、向かう先はスピーカー右側の窓と、スピーカー左側の太鼓状になった引き戸だった。窓側は抜けてくれるだろう。だが、引き戸側は低域の大きなエネルギーを受けて強烈に振動しているはずだ。スピーカーの左側の引き戸を全開放して隣の部屋に抜いてやれば問題ないことはわかった。低域のだぶつきがなくなり、高域にも艶が出る。だが、現実の生活にはそぐわない。テツは、現実に可能な扉の開き方を決めた。

この状態でも、先ほどの全閉に比べると大幅にスッキリしている。では、この先どうするか。

思わずニヤついてしまった。重い思いをして持ってきた、携帯は忘れてもこれだけは忘れなかった「振動吸収子」の出番が回ってきたからだ。Songbird邸でもHY邸でも出番はなかった。このまま重いものをそのまま持って帰ることのなるのかと言う心配が頭をよぎっていたからだ。

これ全部持って行ったんですが、結構重いんですね。

そんなことも配慮してくれたのか、テツは好きなように貼っていいと言ってくれた。奥さまも特に嫌な顔はされなかった。「これ何」とテツには聞いていたが、取りあえずは許されたのだと思う。そしてカンと経験と度胸で貼らせてもらった。

扉の上も石膏ボードの壁だったので貼らせてもらった。右側のカーテンボックスの内側にも….全部で30個は貼っただろう。上の左スピーカーの横に小さくポチポチ見えているのがこの振動吸収子です。

この状態で、再度同じ曲を聴かせていただいた。引き戸全開には及ばないものの、低域はスッキリとして、高域には艶が出る。音像と音場も明確に表れていたと思う。これ、結構効くのだ。見栄えさえ気にしなければの話だが…..。

テツがどんな感想を持ったのかは、聞けたかどうか記憶にないが悪くはなかったのではないかと思う。自分の出番はここまで。

そして、次はテツが主役のゲゲゲショータイムに移っていった。

次回に続く

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