部屋とスピーカーとリスニングポイントの融合 – いなかのクラング邸(前編)

日記・雑記
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訪問させていただく約束から半年経っていました。栃木県にお住まいとのこと、月に一度は仕事で宇都宮に行っていましたので、その時に訪問させてもらうこととしていたのですが、その後に出張禁止となりタイミングがつかめずに先の見通しも立たない状況でした。

そこで、この休みに声楽仲間(以下Mさん)と一緒に伺わせてもらうことにしました。ちょっとした小旅行気分で伺ったオフ会でしたが、部屋とスピーカーとリスニングポイントの融合の大事さをあらためて教えられた有意義なオフ会でした。

カーナビで時間を見計らいながら進みましたので、約束の時間にピタリのタイミングで到着です。奥に進むと、急な階段を昇った先に家の中にもう一つ部屋を増設する形でリスニングルームが造られています。

中に入ると、コミュの写真で見慣れた木の香りのお部屋です。天井が高い感じはそのままに、前後は短くスピーカーとリスニングポイントは比較的近い印象を受けました。写真は広角レンズで撮っているために長く見えるとのことです。話し声は明瞭で、やや中低域側に厚い印象はありましたが、気になるくせも感じません。写真の印象と違ったのは部屋の響きが少ないことです。全面が木でしつらわれていますし、拡散材も多用されているのでもっと響きが強い環境を想像していました。

(写真はクラングさんのマイルームからお借りしたものです)
床や壁なども、とてもしっかりした造りで、部屋の外から想像する印象とは違うものです。

さて、目を惹くお部屋の様子の次はオーディオ装置です。やはり何といってもスピーカーのオイロダインですね。自分が子供の頃に雑誌で憧れ見ていた時はシーメンスのオイロダインとして紹介されていましたが、クラングフィルム製が前進とのことです。このスピーカーをテレフンケンのアンプで駆動されていました。

この時代の装置を維持していくのは大変です。直近のオフ会で、音が歪んでいると言う指摘を受けたとのことで、ネットワークのコンデンサーの交換と、ラダー式のスピーカーケーブルを自作されたとのことでした。

システムの前段は、アナログ優先でトーレンスとEMTのプレーヤーがセットされていました。普段はトーレンスのプレーヤーをお使いとのことです。カートリッジはオーディオテクニカのART7、デジタル系はLINNのKLIMAX DS/1をお持ちですが殆ど使われていないとのことでした。たわしのアースも3ポッドありました。

事前に「CDの持ち込みは可能ですか?」とお訊きした所、「リッピングしますので大丈夫です。」とのことでした。試聴に入る前にリッピングしようとしたのですが、やり方を忘れたとのことです。使っていないことがすぐにわかりますね。一緒にリッピング作業する合間にLINNのネットラジオを小さく鳴らしていたのですが、ピアノがとても濃くしっかりした音で耳が惹かれていました。

リッピングを大方済ませた後に、試聴タイムが始まりました。クラシックを中心に聴かれているそうで、Mさんと一緒だったこともあってか、最初に合唱とソロの声楽曲がアナログ盤でかかります。濃くて実がしっかりとつまった音が流れました。

ですが、少々違和感が・・・。センターから聞こえるはずのソロボーカルが、左右から聞えて来ます。

そんな感想をお伝えすると、直近のオフ会で「音がセンターに寄り過ぎている」と指摘されたので、スピーカー間のアンクを1セットに減らしたそうです。Mさんによると、先ほどネットラジオを聴いていたときからサイドに寄ってしまう違和感を感じていたとのことです。ですので三人で相談して、アンクをセンターに3セットに増やしてみます。

同じ曲を聴きなおしてみると、これでバッチリでした。センターでソロが色濃く歌い、両サイドのやや遠めから合唱が歌います。三人が納得したので、先に進みました。

クラングさんの選曲の多くは、モノラルからステレオ録音に移行した時代のアナログ盤でした。当時の演奏がご自身の感性に嵌るそうです。そしてこれらの演奏を、まるでホールで聴いているように響き豊かに心地よく味わいたいとのことでした。なるほど、納得の機器選びと部屋づくりだと思いました。

さらに試聴は続きます。

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