genmi邸の躍進日記の続きです。大きな躍進を果たしたと感じた3回目のgenmi邸訪問でしたが、「何が変わったのか」「どう変わったのか」「その理由は何か」など、具体的に感じたことを記録しておくことにします。
2022年末の2回目の訪問時に感じたことの要旨は以下でした。そこからの変化の印象を中心に書いてみます。
・初回(6年前)と比べて、オーケストラの再生が大きく進んだこと
・初回によいと感じた女性ボーカルが落ちたように感じたこと
・相変わらずのキレキレな高域だが、低域の進化が目覚ましかったこと
<オーケストラ>
オーケストラの再生については、前回の日記に書いた通りで「音場が広がり」「帯域バランスも自然」で「ずっと聴いていたくなるようなサウンド」でした。大きく進んだと感じた2回目と比べても、更なる進化を果たしています。再生が難しいマーラーの交響曲を、豪快かつ自然に聴かせてくれたので、「小型スピーカーでここまでやるか」と感心しきりでした。
<女性ボーカル>
2回目にはもう一つか?と感じた女性ボーカルも今回は魅力たっぷりに聴かせてもらいました。年末の時は、「きっと素晴らしい歌声を聴かせてくれるだろう」と期待していたのですが、思うほど魅力を感じなかったのです。では、何に不満があったのか?「音は綺麗なのだが歌声が迫って来ないこと」「初回のきらめくような声が、やせてしまったように感じたこと」です。それが今回は、初回の魅力を延長した形で「より自然に」「より肉感的に」聴かせてくれたと思います。
幸田浩子のカリオンでは、細かなことが気にならないように聴かせる歌声の訴求力を感じましたし、他の曲も肉感的で生々しかったです。
一番驚いたのは、今井美樹の潮騒です。
「音の変化を知りたいので、前回に聴いたものをお願いします」とオーダーして選曲してもらったのですが、「この曲は前回に聴きましたか?」「聴いた記憶がないのですが?」との感想でした。
その理由は、大きな後方展開していたからです。ボーカルがスピーカーの後方で歌い、伴奏はその後ろに広がるサウンドです。前回は、前に出るサウンドだと感じていましたので、「こんなに後方展開する曲はなかったはず」というのが記憶との照合結果でした。
するとgenmiさんは、「してやったり!」という面持ちで、TVに設置していた「共振止め」を外します。
するとどうでしょうか、ボーカルも伴奏もスピーカーより前に出て来て、音のにごりも増えるではないですか。本当に驚きました。「何も言わずに聴かせて驚かせよう」というgenmiさんの術中にまんまと嵌ってしまったようです。そういえば、ケリースイートの”Je T’Aime”も、らせんを描いて回るようになっていました。
オーケストラ再生も含めて、ボーカルの実在感の躍進はルームチューニングのなせる業とのことです。
・上部や側部に設置された音抜きの調整及び音響パネルの再配置
・耳の高さの拡散の見直し、リスニングポイントの変更
やったことと考え方を説明して貰ったのですが、いずれも腑に落ちる内容でした。でも、聴いてみるのが一番ですね。
<ジャズ>
前回に聴かせてもらったものや、自宅のオフ会で選曲したものなどがかかります。
ミハエル・ナウラ・クインテットの曲や、Heart of the City、BROMBOIIIの激しいジャズも音楽的に楽しく聴けたと思います。滑らかで、耳に刺激的な部分が少なく、長く聴いても疲れないサウンドだと感じました。前回のドンと体に響くような重い低音や耳を切り裂くような高音は影を潜めていましたので、もしかするとジャズ聴きには物足りないのかもしれないです。
<現代音楽>
さて、今回の目玉と言いますか自分もgenmiさんも聴き馴染みの薄い現代音楽です。自分も聴きどころがわからずに、お互いに勉強のために聴いてみようと言う「試練」です。
リゲティ 弦楽四重奏曲/ディオティマ弦楽四重奏団です。この曲は、自分がコンサートで聴いて感動したので、オーディオでも感動再生が出来ないかと模索している曲です。最近の取り組みの「音像と音場」もこの課題から派生しました。そこにgenmiさんが喰いついて来たので、一緒に取り組んでみようとしたものです。
genmi邸で聴いてみると、「弦楽四重奏の定位」「聴力検査を思わせる細かい音を再生するSN」そして「急激な立ち上がりのキレ」どれもハイレベルな再生だと思いました。ですが、どうも音楽的に入ってこないのです。無機質な第2番だからかと思い、少しはメロディカルな第1番も聴かせてもらったのですが同じ印象でした。なぜだろう?とずっと考えていたのですが、自分なりの結論は以下です。
<きらめくようなヴァイオリンの音色に対して、チェロやビオラの質感が揃っていないこと>
リゲティの弦楽四重奏曲は、多くのクラシックが構成する主旋律に対するハーモニーで構成されておらず、ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ビオラ、チェロの各楽器が奏でる音のひとつひとつを繋いで音楽にしている感覚です。だから、各楽器の質感が揃わないと音楽的にならないのだろう?と言う仮説に至りました。自分でも聴きどころがわからずにいたのですが、発見できたような気になれて勉強になったと思います。この点は更に深堀していきたいと思います。
次にグリモーのアルヴォ・ペルト作曲”credo”です。この曲はO氏邸で聴かせてもらって感動したので、最近取り組んでいる曲です。ピアノ独奏と混声コーラスとオーケストラのために書かれた楽曲で、編成が大きく録音もよいです。混沌を表すようなガチャガチャとした部分と、神からの示唆を聴くような冒頭のコーラスとの対比、そして終盤の調和に移り変わる部分が荘厳に聴けることがポイントなのか?と思って聴かせてもらいました。
genmi邸のサウンドは、音質はよかったです。音量を上げてもガチャガチャとしたところもうるさくならずに調和の部分も綺麗に鳴ります。ですが、音場が小さいと言いますか、この曲の荘厳なスケールを感じないのです。よく聴いてみると音場が左に寄っているように感じました。合唱が左右の壁を越えて大きく広がって欲しいと思いました。O氏邸で聴いた圧倒的なスケール感は、「合唱がホール中に響き渡る感覚」とでも言えばよいでしょうか。そんな感覚を求めてしまいました。
最後に課題を持ってくるなんて反則技かもしれないのですが、そこは次々に課題をクリアしていくことを楽しんでいるように思えるgenmiさんだからこそということで許してください。全体的には素晴らしい躍進を遂げ、何を聴いても楽しく聴かせてくれましたので、更なる期待が高まるgenmi邸です。次に声がかかるのはいつになるでしょうか。今から楽しみにしています。
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ヒジヤンさん、こんにちは。
拙宅の音の変化を分かりやすくまとめてくださりありがとうございました。
横方向の音場の拡大が想像以上に早く達成できてしまったので拍子抜けしたと同時に、いとも簡単に響きがコロコロ変わり調整の難しさと奥深さを感じました。
とりあえずはヒジヤンさんから今回の改善事項に対する合格点は頂けたと理解して更なるgenmiサウンドのブラッシュアップに励みたいと思います(笑)
<きらめくようなヴァイオリンの音色に対して、チェロやビオラの質感が揃っていないこと>
ただ、今回新たに頂戴したこの課題については、まずはgenmi自身がこの問題を「問題」として理解しないといけないことと、これを修正したとしても『あちらを立てればこちらが立たず』ループになることが予想されるので、じっくり取り組んでいきたいと思っています。よって時間がかかりそうです (^^;)
>ですが、音場が小さいと言いますか、この曲の荘厳なスケールを感じないのです。よく聴いてみると音場が左に寄っているように感じました。
こちらに関しては、「楽器の音色の質感を揃える」課題よりは対策が簡単そうなので、グリモーのアルヴォ・ペルト作曲“credo”をもっとじっくり聴きこんで少し試行錯誤してみたいと考えています。
ヒジヤンさんとオフ会をさせて頂くと本当に勉強になるので感謝しています。
こんなgenmiですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します m(__)m
genmiさん、コメントありがとうございます。
今回の躍進は、合格点を通り越して驚愕なと言っていいかと思います。ここまで整ってくると、この先が大変ですよね。言われている通りです。
>『あちらを立てればこちらが立たず』ループになることが予想される
>じっくり聴きこんで少し試行錯誤してみたいと考えています。
早いのもよいのですが、この「じっくり聴きこんで試行錯誤」が大事かと思います。相反することを両立させることが、真のクウォリティアップになりますね。もしかすると、ここまでは機器の持つ実力を発揮させるステージで、この先に真価が問われるのかもしれないです。
少しだけヒントを残しておくと、
・credoの合唱は女声が左で、男声が右に配置されているようです
この日記を書く前に自宅で確認しました。
ですから、ヴァイオリンや女声と言った高い音が目立つ調整になっていると言うことですね。好きな音を目立つように調整する(してしまう)のは普通なことだと思いますので、「これが私の音」ですと言う解もあるかと思いました。
じっくり聴きこんで、自分の音を追い求めて下さい。
ヒジヤンさん
大ヒントありがとうございます!!
そして「合格点を通り越して驚愕な」とまで言って頂いてgenmi感激です(笑)
genmiも今の部屋で10年間悪戦苦闘してきたので、対策しにくい(時間がかかる)問題かどうかは何となく感覚で分かっているつもりです。
実は今回の新たな二つの課題の原因が同じだとしたなら、genmiが気持ちよく聴けるように無意識に調整している可能性が大です。
普段は邦楽や女性ボーカルをよく聴いていてクラッシックはまったくと言ってよいほど聴いていません。特に女性ボーカルの声を生々しく艶やかに聴きたいので(=バーボンを美味しく飲みたいので)、結果的・副次的にバイオリンの音も艶やかになっているのかもしれません(笑)
だとすると、ヒジヤンさんが仰る通り「これがgenmiの音です!」という結論もあり得ますね。
いずれにしましても、ヒントのおかげで全体像が少し見えてきましたのでボチボチやってみます。ありがとうございました。
genmiさん、さすがです。
少しのヒントで全体像を掴むのは容易ではないですね。
究極的には、「これが自分のサウンド」と言えるものを構築するのが、オーディオ演奏ですね。ただ、様々なレーベルやエンジニアたちが作り上げたソフトを使わざるを得ない現実を考えると、中庸にしておくのが妥当な線かもしれないです。
よい演奏が出来るように精進していきましょう。
ヒジヤンさん、こんにちは。
的外れなことを言ってなくて安心しました。
>ただ、様々なレーベルやエンジニアたちが作り上げたソフトを使わざるを得ない現実を考えると、中庸にしておくのが妥当な線かもしれないです。
その辺の考えが難しいところですよね。普段聴くジャンルの音楽は100点目指して頑張るのが普通ですが、聴かない音楽は仮に80点とか90点でも良いのではないか?と。
genmiとしては、オールジャンルでそこそこ鳴らしたいという目標を持っていて、だからこそ805を使っています。以前はオールジャンル80点以上を目指していましたが、今は少し欲が出て90点以上が目標です(笑)
何をもって90点か? それはもちろん自己評価ですね。ただ、それは様々な音を聞き、経験を積み重ねた上での評価なので、経験値が上がるにつれてどんどん評価基準が厳しくなっていきます。
genmiの好きな音は昔から一貫していて、高音フェチの見通しが良くてクッキリハッキリしている音です。再生クオリティは昔と今とでは全然違えど、好きな音は昔から変わっていません。
ある程度の再生レベルまで辿り着いたという前提では、サウンドを「中庸」にすることによってオーディオ演奏の楽しみのひとつだと考えている『個性』が無くなってきてしまうような気がしています。
genmiで例えると、普段聴かないクラッシックのために女性ボーカルの質を下げるのかということになると思います。オーディオはあくまでも個人の趣味ですので、その辺の考え方が難しいところですよね。
ですが、genmiはマイペースに経験を積み、出来る出来ないは別として、目標としてオールジャンル100点を目指します!
ヒジヤンさん、また色々と教えてください m(__)m
ってな訳で、まずは読書に励みます(笑)
genmiさん、楽しくなってきました。
いいですね~。
「目標としてオールジャンル100点を目指します!」
これでこそ、武者genmiです。
Streoの「実践ルームチューン」から事例の情報を得るのもよい取り組みですね。
「音像と音場の調整完了!?日記」でハム太郎さんとポリエステル吸音材の効果について意見が割れていますが、「正反⇒合」の原理が進歩を生むものだと思いますので、有意義な論議と感じています。
genmiさんの意見も聞きたいので、ポリエステル吸音材を活用した「音像と音場の両立」の取り組みの成果を検聴しに来ませんか?
ヒジヤンさん、楽しくさせちゃいましたか(笑)
>いいですね~。
「目標としてオールジャンル100点を目指します!」
これでこそ、武者genmiです。
ハハハ。ただ、ヒジヤンさんほどの熱量も意気込みもございませんので悪しからず (^^;)
>genmiさんの意見も聞きたいので、ポリエステル吸音材を活用した「音像と音場の両立」の取り組みの成果を検聴しに来ませんか?
楽しそうなのでぜひとも検聴しに伺いたいのですが、バレーボールの練習が4月から再開(今は小学校の体育館が卒業式・入学式で使えないのでオフシーズン)すると、4月の土日は練習で埋まっているのでちょっと厳しいかなと思います。今週末は空いているのですが、確かヒジヤンさんのご都合が悪かったように記憶しているので、5月以降でスケジュールが合えばぜひよろしくお願いします。
genmiさん
了解しました。
予定の合う時に聴いてみてください。
5月はかなり先になってしまいますので、平日案も含めて日程調整させて下さい。メールから連絡します。
◆ルームアコースティックによるサウンド作りの仲間が増えると、更に楽しくなりますね。