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復習 – 感動再生のソフト選び

日記・雑記
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コンサートで感動すると、オーディオのサウンド磨きのチャンスがやって来ます。今年のテーマである、「感動再生」の取り組みの一環として復習に取り掛かりました。そして姫の演奏する姿が思い浮かぶのも、「感動再生」のひとつになりますね。

 

題材は、「憧れ 弦楽四重奏と共に」で聴いた2曲の弦楽四重奏曲です。

①モーツァルト: 弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調K.458 ⦅狩⦆

②スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調⦅我が生涯より⦆

 

モーツァルトは以前から好きな曲でしたし、お気に入りの音源で楽しんでいました。

・ Prazak Quartet / Mozart”Haydn”Quartets Praga  SACD

 

K.458 ⦅狩⦆は、6曲あるハイドンセットの中の曲で、ハイドンが作曲した弦楽四重奏曲に感銘を受けて作曲したとのことです。⦅狩⦆の愛称は、出だしが狩の角笛を思わせることからつけられたとのこと、⦅狩⦆のイメージとは異なり「軽快で明るく楽しい曲」です。ハイドンセット6曲に内容としての関連はないようで、ハイドンを招いて聴いてもらったこと、出版に際してはハイドンに向けた言葉を記載したことから、ハイドンセットと呼ばれるようになったとのことでした。当時は6曲まとめて出版すると言う慣習があったらしいです。

 

感銘を受けたので自宅にも招いて聴いてもらうという点は、オーディオでも同様なことがあると思いました。

 

さて、復習の話です。赤坂ストラドホールで聴いた時は、「音量がオーディオで聴いている時よりも大きい」「音に厚みがあり、この濃密さはオーディオでは出せない」と思いながら聴いていました。そんな点の確認をするために自宅のオーディオで聴き直してみました。

 

・音量の話は、ボリュームを上げれば解決します。予習の時には、生で聴いた時に「音量が小さくてがっかりするといけない」と思い、小さ目な音量で聴いていたこともこの感想に繋がったようです。

・音の厚みの話は、さすがに音量を上げても生の厚みは出せないですね。ですが、不満を感じるほどの差ではなかったです。

・その他に感じたのが、「綺麗で滑らかな音」はオーディオの方があると感じました。

・聞え方は少し違います。赤坂ストラドホールの方が音がダイレクトです。PragaのSACDで聴くPrazak Quartetの演奏は、響きの量が多いように感じました。ちょうど、弦楽四重奏曲に最適なサルビア音楽ホールの1列目あたりで聴くサウンドです。

 

そして復習の中で思ったのが、「笑顔で演奏する姿」が思い出され、今まで以上に楽しく聴けるようになったことでした。

 

問題はスメタナです。予習の時点ではこの曲の良さを知ることが出来ないでいました。生演奏を聴いて良さを知ることが出来たのです。これは、「生を聴きに行ってよかった」と思う反面、「オーディオではよさが感じられられなかったことが課題」となります。予習して来た音源は下記でした。

・東京クァルテット / スメタナ : 弦楽四重奏曲「わが生涯より」 Harmonia Mundi SACD

 

この曲は、スメタナの音楽活動の自叙伝であることは、先の日記にも書きました。

・第1楽章:音楽家として歩み始めた時の情熱

・第2楽章:楽しかった青春時代

・第3楽章:亡き先妻との優しい時間

・第4楽章:人生の絶頂を謳歌するが、失聴から虚しく幕を閉じる

予習の時にも、この曲が表すことは調べていました。ですが、「そう言われるから、そう聞こえる」程度にしか感じていなかったのです。

 

ですが、コンサートでは冒頭から曲に引き込まれ、全曲を通して「スメタナが表現したかったこと」を感じるものでした。

この差が問題です。ではなぜこの差が生まれたのか?

・生では、「冒頭のトゥッティ」と続く「ビオラが奏でる主題」で気持ちが持っていかれたこと

・音量は大きく、厚みのある音が身体に響いてきたこと

・姫の演奏するときの表情と体の動きが、情感を感じる助けとなったこと

主な点はこんなところです。

 

復習で聴き直してみると、音量や厚みの話はモーツァルトの復習の通りです。

表情や身体の動きの話は、生でしか味わえないことですね。

今回のポイントとして捉えたのが、「冒頭のトゥッティ」と続く「ビオラが奏でる主題」です。この掴みと言える部分の違いが大きいと感じました。聴くものを、この曲の世界に引き入れる力です。

 

ですが、手持ちの東京クァルテット盤の再生では、その点が不足すると感じました。

 

そこで、別のソフトを探すことにしました。ストリーミングで探せば、同じ曲を数十曲の比較が出来ます。

比較して聴いてみるとそれぞれですね。演奏的にも、録音的にもすべて違うのは当然のことですが、その中で「冒頭のトゥッティ」と続く「ビオラが奏でる主題」を聴いて、あの感動を想起させる音源が二つありました。

 

1)Jerusalem String Quartet / Smetana: String Quartet No.1 “From My Life” Harmonia Mundi CD

 

2)Pavel Haas Quartet / Smetana: String Quartet No.1 “From My Life” Supraphon CD

 

どちらも「冒頭のトゥッティ」「ビオラが奏でる主題」共に、自分の琴線に触れる音源です。

1)のJerusalem String Quartet盤は空間の響きが多めで、少し広めなサルビア音楽ホールの4列目あたりで聴くサウンドです。

2)のPavel Haas Quartet盤はダイレクト感が強く、ちょうど赤坂ストラドホールの1列目あたりで聴くサウンドだと思いました。

どちらもいいと思います。

 

ジャケットの好みは1)Jerusalem String Quartet盤だったのですが、「お取り寄せ」となっています。2)Pavel Haas Quartet盤の方が先日の感動を思い起こさせてくれる気がしたので、2)Pavel Haas Quartet盤に決めて注文しました。

 

ソフト選びで生とオーディオの音が同じになるわけではありませんが、ソフトの影響力は大きいです。さらに、感動を想起させてくれるかどうかも大きなポイントですね。オーディオが、どれほどいい音で再生できるようになったとしても、生の感動を味わうことは外せないと感じています。特別な思いの話は別としても、好きな曲が増えることは自分にとっての財産です。注文したCDが届くのが楽しみでなりません。

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