喉が枯れるほどに会話を楽しんだMt.T2邸の次に向かう先は、音場再生の第1人者である京都人邸です。Mt.T2さんの車で向かう途中も3人の会話は尽きません。諸々の話に花を咲かせながらも、ほぼ予定通りの時刻に京都人邸に到着しました。
2階にある大きなオーディオルームは健在でした。これでサブルームと言うのですから、部屋の狭さと格闘する自分にはうらやましい限りです。記憶との対比をすると広くなったような印象を受けましたので、「以前よりも広くなりましたか?」と訊ねると、「同じですよ」と言われます。この印象の違いは昔の写真と見比べてみると、奥行き方向に広く使われるようになったためだと思いました。
再生用の機器は一変されています。
スピーカー:ジャーマン・フィジックス HRS130
アンプ群:オール ソウルノート
CDプレーヤー:ソウルノート S-3
京都人さんは音場再生にこだわりを持たれているので、納得の無指向性スピーカー使いです。電力機器がオール ソウルノートなのも30畳あるスペースで無指向性スピーカーを鳴らす所以かな?と想像しました。50畳あるメインルームでも電力機器はオール ソウルノートです。
京都人邸のオフ会スタイルは、「自前の音源を次々と鳴らすスタイル」でした。それと言うのも、様々な実験をされて来ていますので、その結果を披露することがオフ会でのポイントとなるからですね。部屋は照明が落とされて、暗くされた状態となりました。この暗闇の中で聴くスタイルも京都人さんのこだわりの一つで、暗くした方がより音場空間を感じるためだと思います。
さて試聴の開始です。スピーカーに対する、ゲストの3人とホストの位置関係は以下となります。
京都人邸の通の人は一番ホスト側の斜め横から聴くポジションを選ぶのだそうです。事前に京都人さんがその話をアナウンスされていたので、誰もセンターに座ろうとはせずにモジモジしていたように思いますが、誰が最初にセンターに座ったでしょうか?どうも記憶があいまいですが、ひとつの曲の中でも、3人が聴く位置を入れ替えながら聴くスタイルとなりました。各位置から見たスピーカーは下記となります。
試聴がスタートしました。オーケストラのストリングスが小さな音で鳴ると共に、ソロ ヴァイオリンが奏で始めました。「おっ」と声が出るほどに生々しく自然な音です。以前のサブルームはおろか、メインルームをも超えるサウンドが流れましたので笑みが浮かびました。
<<やはり最初に聴かせる「つかみ」は大事ですね>>
同じCDから次々に選曲されます。ゲストの3人は試聴ポイントを入れ替わりながら聴くスタイルとなりました。
ヒジ:「素晴らしいと思います」「ただ、ヴァイオリンは素晴らしいのですが、ピアノがしょぼいです」
京都人:「・・・・・、雑誌の付録のCDだからだと思います」
(写真はイメージ)
<<暗闇で聴いていますので、CDの入れ替えは大変です。サウンドクルーさんが、試聴用音源をCD-Rにまとめている様子を取り入れて、雑誌の付録のCD1枚で様々な曲を聴かせるスタイルにしたとのことでした。後で市販のピアノのCDも聴かせてもらいましたが、ピアノの音は随分と改善されました>>
<<ですが、やはりヴァイオリンなどの弦楽器の素晴らしさにピアノは敵いません。想像ですが、無指向性スピーカーでの再生なので無指向性楽器の音が合うんですね>>
聴くポジションによる感想は3人まちまちでした。全員の感想を記載するのは大変ですし、思い思いに語った感想のすべてを覚えていませんので自分が感じたことを挙げておきます。
・京都人邸の再生は、正面から聴いても斜め横から聴いても、音像は固定されていて正面から聴けば正面から見る形が見え、斜めから聴けば斜めから見た形が見える
・正面から聴いても、斜めから聴いても、その奥行き感は同じで、斜めから見た方が立体を捉えやすい
・どこで聴くのが好きかと問われたら、「音源により変わる」と答えます
・自分が好きなクラシックのオーケストラ演奏などは、正面から聴いた方が作曲者の意図を感じるので好きでした
・反対にジャズ系の演奏は、斜めから聴いた方が演奏者の立ち位置が感じられ好ましいと思います
・ボーカルはセンターで聴く方が、「濃い歌声」を感じて好ましいと感じました
もう一つの京都人さんのこだわりは、モノラルや左右振り分けのステレオ音源の再生です。モノラル音源でも、生演奏を聴くように自然に広がった感覚で聴けます。左右振り分けの音源も同様で、右と左に分かれてしまわずに自然な感じで左右に分かれて聴けました。主に古いモダンジャズの音源ですが、これらは斜めから聴くとより自然に感じられたと思います。京都人さんから「音を空間で混じり合わせるからこう聞こえる」との説明がされました。
それにしても、サブルームの音はよかったです。音場再生は京都人さんの十八番ですが、以前は「音が薄く感じる」マイナス面も目立っていました。しかしながら、12年ぶりとなる今回は、「音に芯があり」「音が光っていました」以前の良さはそのままに、マイナス面を払しょくする素晴らしい進化だと感じました。
サブルームでここまでの進化を感じたので、メインルームはどうなるのかと胸をたからせながら次なる部屋に進みます。
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