人間Dirac Liveの成果 – フロント・スピーカー最終編(驚きの聴感上効果)

日記・雑記
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この日記は今年9月に書いた以下の2つの日記の続編です。

人間Dirac Liveの成果 – フロント・スピーカー編
人間Dirac Liveの成果 – サラウンド・スピーカー編

でもこのアクティビティは6月に始まっているのです。
足掛け5か月に及ぶ壮大な(笑)プロジェクトになってしまったのですが、今回がその最終編になります。

9月の日記ではフロントスピーカーに関してはSTW(スーパー・トゥイーター)の極性を実施したことを書きました。
サラウンドスピーカーに関してはSTWの極性変更に加えてTW(トゥイーター)の位置調整によるタイムアライメントを実施しました。

フロント側でTWの位置調整を行わなかったのはその時点でTWの周波数領域での位相特性に破綻がなかったこととフロント側の変更には大がかりな作業が必要になるからです。
Wavelet特性上はやはりTW領域の時間遅れが少し見られたので気にはなるのですが作業量の割には効果があまり期待できそうもないので、ものぐさな私が動き始めるのには少し時間がかかりました。

今回の日記はそのフロントのTW位置調整によるタイムアライメントの結果です。
あ~なんとも長大な前振りになってしまった。(笑)

まずはTW調整直前のOmniMicによる測定結果

[:image3:]FL(フロント左側)の周波数・位相特性  Before

[:image4:]FL(フロント左側)のWavelet  Before

そして調整後、TWをバッフル面から20㎜前に出したときの測定結果
(なお、STWの位置もTWの移動に伴って移動させています)

[:image5:]FL(フロント左側)の周波数・位相特性  After

[:image6:]FL(フロント左側)のWavelet  After

どうでしょうか?
あんまり変わらない。(笑)
周波数特性はむしろBeforeの方が高域のうねりが小さいくらい。
AfterではWaveletの山の左斜面が滑らかになったこととインパルス応答波形の立ち上がり方に差が見られます。
Beforeのインパルス波形は緩やかに少し持ち上がった後、パルス的な応答が始まりますがAfterではいきなりパルス応答が始まる。
これはWF(ウーファー)とTWのタイミングが揃ったことを意味しているように思います。

上記の測定はスピーカーを完全に組み立てなおして測定したものですが、実験段階ではTWの位置を変えて仮固定で測定と試聴を繰り返しています。

スピーカーが古いので…特にバーチカルツインの下側のセットは50年以上前のものなので、TW周りの取り付け方が他のと少し異なります。
最初に苦労して左側だけTWの位置を変えて測定したのですが、その時の最初のTWの位置、バッフル面から前に出した長さ20㎜が結局最終的な位置になりました。
その最初の試聴の時に音の変化が非常に大きいことに気が付きました。

右のスピーカーはオリジナルのままなので、右と左をそれぞれ単独で聴くとその差が良くわかります。
その時に聴いたのがコレ。

[:image7:]

白鳥英美子さんのうた景色~ひこうき雲のアルバムのTr1、さくらなのですが左右であまりにも違うのでびっくりしました。
左のAfterは声質が明るくなって繊細感が出ています。右はそれにくらべるとちょっと暗く沈んだように聴こえてしまうのです。
カミさんにも声をかけてこの差がわかるか確認してもらったのですが、さすがにこれはすぐわかって明らかに左がいいとのご意見。

TWの位置はバッフル面から10㎜、20㎜、25㎜、30㎜を試したのですが、Waveletの山の左側の傾斜の滑らかさと試聴結果から20㎜に決めました。
この後、右側の古い下側のスピーカーのTWの移動は困難を極めました。
TWとそれを固定するためのアルミ鋳物のブラケットが外れないのです。接着剤まで使って固定されていたのです。結局TWとブラケットをスピーカーから完全に外した状態でトレッキング使っている小型のナイフまで使ってやっと剥がすことができました。
実験試聴の結果が良かったので頑張ったのですが、音の変化がそれほどでなかったらあきらめていたかもしれません。

スピーカーの外観正面から見る限りは今までと全く変わりません。

[:image1:]

TWを横から見るとバッフル面からデフューザーが前に出ているのがわかります。

[:image2:]

現在は再組立て後の慣らし運転中でいろんな曲を聴いているところです。
マルチchのテスト・ディスクではペンタトーンのBOXセットにオマケでついていた音源を使っているのですが、FRとSR、FLとSLのファンタム定位は過去最高です。
また、パルス的なピンクノイズがリスナーの周りを回るグルグル音源では移動のスムースさと音色の統一感はやはり過去最高になっています。

ステレオでの効果がこれほどあるとは想定外だったのですが、音響空間が大きくなり、定位感も解像度も空間的解像度も向上しています。
特にボーカルや弦楽器のピチカート、ピアノの高音の冴え方に違いを感じます。

サラウンド音源でも同様の変化を感じます。
以下のような小編成の音源も空間表現がいい感じです。

[:image8:]

このプロジェクトはこれでひとまず終わりになると思いますが、タイムアライメント、位相整合の重要性を改めて感じました。
ちょっと疲れました。しばらくは音楽に浸って過ごしたいと思っています。
あ、映画の音響もすごく良くなった感じがします。
当分は音楽と映画で秋の夜長を楽しみたい…

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