私にとって理想のアナログ音声とはスクラッチノイズ(針音)がないレコードの再生音です。レコードではピックアップとスピーカーのフィードバックにより、中低域が重厚で迫力が増すのが心地よく感じます。専用室のTargetラズパイ5でそのようなピラミッドサウンドにできました。Album Player+Direttaで送出する音源ファイルについても記します。
ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート「Dani & Debora Gurgel Quarteto – Luz ~ 光」2014年リリース、ボッサジャズの傑作。
ダニ・グルジェルは、ブラジル・サンパウロ出身のシンガーソングライターです。このカルテットは母親デボラのピアノとアレンジ、夫チアゴ のドラムス、そしてベースを加えたコンテンポラリー・ボッサジャズです。全曲スタジオでの編集なし一発録りで、家族の一体感に緻密で緊張感を伴った素晴らしいアルバムになっています。ダイナミックレンジの広い優良録音です。
Targetラズパイ5での音質変化は低域の厚みと解像度が格段に増したことです。これはメモリ量が新5が4GB、旧3が1GBということも関係すると思います。Direttaの改良プロトコルDDS(Diretta Direct Stream)対応となったこともあるでしょう。
Diretta ASIOの設定は同じですが、Targetの設定 AlsaLatency は3までしか詰められなくなりました。
ログを見るとDDS(mode3) 500Hz Fixモードで送出されています。たいへん安定しているのですが、上の段のパケット表示 fs=88.2000 というのが分かりません。fsとはサンプリング周波数のことですが、DAC表示は88.2ではなく44.1KHzとなっています。
Album Playerのミニマルな設定も変わりません。
Windowsサービスとして起動、Only WAV Player modeでWAVファイルだけ扱える状態です。再生モードはDirect Inputで、ギャップレス再生のためのデコードとバッファをやめて、音源ファイルを直接Diretta ASIOに送ります。
このショートカットの効果は大きく、ギャップレスやメモリー再生では途端に鮮度が落ちます。これはサイズ(再生時間)の異なる音源ファイル(トラック)を合体させてバッファ、さらにASIOに送る、という作業を強いられるCPUとメモリのノイズが増えるということです。ファイル全体をメインメモリに先読みし、メモリ再生するFull preloadingでは、アンビエンスが消えてしまうほどです。見かけ上の鮮度を上げようとシステムタイマーを0.5msとか、プライオリティをリアルタイムにしたり、追加の負荷をかけるとノイズが増悪、ジッタ―がさらに悪化します。
レコードは無論、CDにも曲間にギャップはありません。全体が一つのファイルで、IndexでTrackの開始時間が定められています。一般のリッピングソフトでは、曲名を付けたトラック別のFLACファイルに分けて読み込みます。それで曲間にギャップができ、FLACをデコードする手間もかかるわけです。
XLDでリッピングの際「一つのファイル(+cue)として保存」した場合、CDのインデックスが記されたCUEファイルは以下です。
このCUEとWAVファイルは言わばCDのImageファイルであり、生のPCMがWAVコンテナにそのまま収まっているだけですから、FLACのようなデコードは不要です。
では、なぜPCM16bitではなく24bitでASIOから送出するのか?Targetが32bitでDACに渡すはずなのだから32bitにしたらどうか?
実情は、16bitではTargetの負荷が増える、32bitではイーサネットの負荷が増える、つまりどちらも24bitより音質低下するからです。
超高速の強力な矩形波を撒き散らすCPUやメインメモリはもとより、イーサネットやUSB回路とそこを通過する信号もノイズ源となりますので、バランスを取りながら静かに動かすことが肝要だと思います。

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