アンチスケーティングの事

日記・雑記
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語りつくされた感がある話題だけど。
トーンアームに対してカートリッジが内周側に角度を付けて装着されている(ほとんど全てのトーンアーム)とレコード再生中内側に引っ張られる力が働く。
それを機械的にアームに逆方向の力をかける機構がアンチスケートだが、ばねの力や糸で吊ったおもりで一定の力で外側に引っ張っている。

アンチスケートは不要というような人もいるようだが、物理現象として現実に内側に引っ張られているわけだから少し外向きに力を与えて平衡を取ろうというのは必要だと思う。
でもそんなに都合よく打ち消す(キャンセル)ことは出来ない。
針圧に対応させたりしているがアンチスケートはアームに対して一定の力を掛けているだけ。
でも内に引っ張られる力(インサイドフォース)は一定ではない。
針圧で変わるのは当然として、レコードの溝の深さの違い(音量、周波数)でも変わる。

インサイドフォースを見るのに一番わかりやすいのは溝がない平面なレコードに針を落とすことだけど、そんなレコードを持っている人はあまりいない。
代わりにレコード内周の溝のない平面部に針を下ろしてみれば内側に引っ張る力は相当なものだとわかる。 だからといってその条件で引っ張られないほどアンチスケートを掛けたらやりすぎだろう。 溝を針がなぞっているときと平面を針が滑るときでは条件が違いすぎる。
平面部でゆっくり内周に動くくらいの設定がちょうど良いと思うが、特に決まりはない。 なんとなくで良いが極端な値にしてカンチレバーに無理な力が加わることは避けなければならない。
よく言われるのはカートリッジ正面から見て再生中に針/カンチレバーを中心にカートリッジが左右一方に片寄らないようにすれば良いという。 でも片寄りが目で見えたらそれは極端すぎる。 あるいはテストレコードで左右同音量の音源で一方に片寄らず中央に定位するように調整するってやつ。 実際やってみればわかるけどちょっとくらいアンチスケート量を変えたくらいじゃそんなに左右にぶれたりはしない。
結局適当な按配で設定するしかない。
このいい加減さ、曖昧さがアナログレコード再生の面白さの一端なのだろうが、面倒なところでもある。
ま、一度適当な値に設定してそれで問題なければ変える必要もないからそんなに気にするものでもない。

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