部屋の周波数特性や残響時間などを測定すれば音響対策の指針になるのはわかっていても面倒なので今までやったことはありませんでした。
新たにオーディオ機器、音響パネルを部屋に設置する機会を得たので、測定してみようという気になりました。
購入したのはminiDSP UMIK-1というUSBマイクロフォン
個人で音響測定をするときの定番のようです。
使用したソフトウェアはREW(Room EQ Wizard)というfreeware、これも定番のもの。
https://www.roomeqwizard.com/
多くのWebsiteやYoutubeで使用方法を説明している。 日本語のサイトもいくつかあるようです。
私は周波数スイープして測定して、f特、残響時間を見るだけなので、初期設定、音量設定以外は特にいじることはない。
後はf特を人間の聴感に合わせて平滑化(Smoothing)したり、グラフの大きさを見やすく調整する程度。
まずはスピーカー正面1mのf特グラフを載せます。
距離はスピーカーから1m、マイクロフォンの高さはトゥイーターに合わせてあります。 (視聴するときの耳の位置とほぼ同じ)
無響室ではないので部屋の影響(壁、床、天井の反射)が含まれたものです。
周波数は20㎐から20K㎐
あまり大音量にしたくないので測定時の音圧はちょっと低い。
1/12 oct Smoothing(1/12オクターブ平滑化)したデータ:
Psychoacoustic Smoothing(心理音響学に基づいた平滑)したデータ:
200Hzくらいから下の低音域で左右の差が若干見えます。
それ以上の中高音域はかなりそろっている。
低音域はPS-Audio aspen FR20の実力と部屋の寸法の両方が影響しているのだろうけど、20㎐まで伸びている。
これが視聴位置でどう変わるのか、スピーカーから離れれば部屋の影響が大きくなります。 当然f特はもっと乱れてくるし、定在波によるRoom Modesが悪さをする。
視聴位置でのデータは次回紹介します。
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定在波、なかなか考えると難しく、私も試行錯誤しています。数kHz以上は、1、2cmずれただけで周波数特性が変わるため、測定が難しく高い方は諦めています。(4 kHzの波長は約9cmで、2cmずれると定在波の節と腹が変わってしまうため) Diracなどでは高い周波数は補正対象から外すこともできるようですが、結局それも部屋の影響は受けるので、いろいろ迷っています。
sonnenblueさん、こんにちは。
定在波は難しいですよね。 左右前後の壁と天井床の3軸で定在波が発生してそれが絡み合ってRoom Modesを形成する。 しかも部屋に置かれた家具類も影響するし、壁床天井の材質で反射率が変わる。
さらには左右スピーカーの置いた場所によってスピーカー間の干渉(SBIR – Speaker Boundary Interference Response)の影響も重なってくるから素の周波数特性を見ると相当暴れたものになるのが普通だと思います。
中高周波はなるべく拡散するように対応しておけば良いと私は思います。 sonnenblueさんがご指摘のように波長が短いので測定位置(視聴位置)が少しずれただけで大きく変わるからあまり気にしても仕方ないと思っています。
そして低域は、、吸音拡散どちらの対処も巨大なものになるのでこれまた難しいですね。