PCオーディオの20年?

日記・雑記
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今夜は自分の経験+ネット知識を織り交ぜて
PCオーディオの過去25年ほどを遡ってみたいと思います。
かなり独断と偏見が入っていますのでその点はご容赦下さい。

■90年代 MS-DOS
この時代はまだPCオーディオの影も形もありません。
NECのPC-98とか、MSXとか、スーパーファミコンとか
そんな時代だったでしょうか?
音といえばピコピコ。あってもMIDIかな?
90年代でも今では誰もが知っているESSが有名でした。
FM音源というのでしょうか?サウンドカードの分野で有名でした。
[:image1:]
このカード、
ESS ES1938Sチップで、とっても音が良く見えますが、
現在のようなハイエンドオーディオ界の地位は当時のESSにはありません。
というか十数年後、ESSがハイエンドオーディオ界に殴り込みを仕掛けてくるとは当時の誰も想像していなかったのではないでしょうか?
Youtube動画の紹介↓です「ESS Solo-1 ES1938S PCI Sound Card for DOS Games」

■2000年 Millenium
この時代は私が初めてPCを買った頃です。私のはWindows98でした。
Windows95が登場してやっと、マルチメディア(音や映像)が
パソコンで扱えるようになりました。Windows95は凄い騒ぎでした。
https://www.iodata.jp/ssp/magazine/09/index.htm より画像転載
[:image4:]
この頃から?PCでCD-DAを再生可能です。
ただしPCの性能的にそれはまだけっこう大変な作業だったので
再生自体はCD-ROMに任せて、つまりD/A変換までCD-ROMがやってしまい、
そのアナログ音声を出力ジャックまで導くだけというのが・・・
PC側のお仕事?でした。ですのでほぼ再生の為にCPU性能を使わない。
当時のCD-ROMドライブの背面です。アナログ出力とデジタル出力とIDEインターフェースがあります。
[:image2:]
CD-ROMからの音声を受けるサウンドカード(Creative SoundBlaster Live! 5.1)
思えば2001年か2002年にはPCで5.1ch再生可能だったのですね。
[:image3:]

■2002年~2014年 WindowsXP
かなりの長い年月、WindowsXPが猛威を振るっていました。
このWindowsXPの時代に「PCオーディオ」という言葉が生まれました。
ONKYOがSOTECと組んでオーディオPCを販売していましたが・・・
恐らくズッコケましたね。
「リッピング」という言葉が出てきたのもこの時代かと思います。
「リッピング」はCDに記録されているデータを1ビットの違いもなく
バイナリーでPCに取り込みます。音声データ的には完全なコピーです。
「リッピング」と対比して単なる「取り込み」というものもあります。
Windowsに標準のMediaPlayerでそれは可能でしたし、iTunesなど?の
音楽系ソフトも同様です。
これはWindowsXPの設定画面の一例です。取り込みの設定ですね。
[:image7:]
「アナログ」というのが先ほどのCD-ROMドライブの後ろのアナログ出力からの取り込みで「デジタル」というのがIDEインターフェース(現在だとSATAインターフェース)からの取り込みになります。
古いパソコンの標準設定は「アナログ」なので、普通にCDを取り込みするととっても音が悪かったはずです。当然、トランス式電源や取込速度(等倍速でなければならない!!)などが影響するのはこの「アナログ」です。
「デジタル」ではCDに記録されているものをそのまま取り出しますが、エラー訂正などが入ってCDに傷が入っていたりするとデジタルデータとしては同じものではなくなる恐れがあります。また、WindowsMediaPlayerの「取り込み」には音量を自動で調整する機能もあったりで・・・知識無しに「リッピング」と同等の「取り込み」をするのは容易な事ではありません。
「リッピング」をきちんとできていれば、それを行ったのが1万円のCDライブだろうが100円のCDドライブだろうが、はたまた Amazon Music HD の下請け会社の「取り込み」作業だろうが、それがきちんと出来た「リッピング」である限りデータには1ビットの狂いもありません。※「アナログ」での「取り込み」でそれは100%不可能です
言ってしまえば、音の良いリッピングなどというものはこの世に存在しないのです。特別な環境、特別な電源、特殊な機器、特別なオーディオアクセサリーが無ければ実現できないような作業ではありません。必要なのは、正しい知識。それだけです。

閑話休題 開始

●完全なリッピングをしても『再生時』の音が違う理由?の一例
この2000年から数年のあいだ、ハードディスクで面白い製品がありました。
皆さんはDELAでお馴染みのMELCOからスケルトンのモデルが。
[:image8:]
この手の製品は、実際のハードディスクの読み取りヘッドの移動を見ることが可能です。昔のパソコンはイヤホンを使った場合、このハードディスクの読み取りヘッドの移動(スイングアームの移動)音が、そのまま音に乗ってきましたので面白かったです。アナログならではです。
当然、音質を良くしたいならヘッドの移動は最小限に抑えるべきです。
ヘッドの移動動作をさせるために電源が揺らされるのと、ノイズが発生します。

CD-Rを使った事がある人は、
CD-Rが内周から外周に向かって使用されていくのをご存じかと思います。
ハードディスクはどうか?というと、外側から使用されていきます。
PCを長く使って、沢山データが増えてくると、
どんどんハードディスク内の円盤の内周を使うことになると動作が遅くなります。
これは、内周の方が周速度が遅くデータ転送量が落ちることと、
ヘッドの移動が外側入ったり内側入ったりで忙しくなる事と関係しています。
これはハードディスクの内部のスイングアームと記録ディスク写した写真です。
引用元URL:失念
[:image5:]
この円盤の上にデータが保存されるわけですが、保存のされ方を
赤線と水色線で示してみます。
[:image6:]
新品のハードディスクを使い始めてすぐに音楽データを保存すると水色のラインのように綺麗に「連続で」データが保存されます。一方、使い込んだHDDに音楽データを保存すると「赤色」のように一つノデータがDISC上のあちこちに「分散して」保存されてしまいます。これを再生するとき、読み取りヘッドの移動が頻繁なのは当然、赤色のの方でこちらの方が 『再生時』 の音質は劣ります。
こうなっても心配いりません、別の新しいハードディスクを買ってきてデータをそちらに移動すればよいのです。※デフラグでは完全ではありません
またはデータを全部メモリー上に置いてから再生するというのもありますが、昔のメモリー容量の小さなパソコンでは難しいテクニックでした。
こんな風なことを色々調べた2000年代の初頭でした。
私は先のスケルトンなHDDではなくて、Quantum社製のBigfootというハードディスクで読み取りヘッド(スイングアーム)の移動を、そのハードディスクに在った覗き窓から観察していました。Cドライブは外周部、Dドライブは内周部に作られるのだなぁ・・・なるほど。とか。ヘッドの移動が最小になるように、そしてできるだけデータは円盤の外周を使うようにするのが速くて静かなPCを構成するうえでのコツでした。

閑話休題 終了

■2009年 Windows Vista Service Pack 2 ,Windows 7
個人的に PCオーディオの夜明けはこのときです。
そう、WASAPI の WindowsOS への搭載がVista SP2のときです。
当時の私はまだその強力な仕組みに対して全くの無知でしたので、
ASIO4ALLやらuLilithなどを使って机の上のスピーカーで音楽再生をしていたものです。思い出すだけでも恥ずかしい時代。
この頃でしたかね? ONKYO が オーディオPCを WindowsXP で発売していたのは。
ONKYOが世に出したオーディオPCは・・・
当時はほとんど評価される事はありませんでした。残念です。
Windows7 の WASAPI を使用して、メモリーを4G搭載して
オーディオPCを売り込んだならば・・・もっと違ったかもしれません。
残念です。

■2010年~現在
リッピングに対する理解は・・・10年経ってもなかなか浸透しません。
ビットパーフェクトという言葉がリッピングの理解の一助にはなりますが、
未だに残念な状況です。そもそも議論の話題にあがること自体がおかしい。
議論にするような難しいことではないのですけれど・・・。
プリ・エンファシスはちょっと小難しいですが、それ以外は単純明快。
CDと全く同じデータを取り込めば良いだけです。
LINN は リッピングに フリーソフトEAC(Exact Audio Copy)を紹介しています。
私も、やる場合は EAC です。
http://linn.jp/c/pdf/ds/eac.pdf
[:image9:]
EACは「セキュアモード」を使って下さい。音質を考慮するならば「バーストモード」は決して使ってはなりません。このような「使い方」を覚える過程、正しい知識を得るために必要です。

これで、再生するデータの準備ができたら・・・
あとはPC次第です。
音質のよいパソコンとは何か?
これは現在進行形で様々な人や企業?が取り組んでいる課題でもあり
テーマです。明確な答えはありませんが少なくとも音楽制作の現場に
WindowsあるいはMacが無いなんて事は現代では無いだろうと思います。
アナログレコードのダイレクトカットなんかは例外ですけれども。。。
マスタリング工程なんかには?ね?
そもそも録音が「デジタル録音」だったりして録音データはハードディスクに記録なんてのが未だに現場の設備の主流?であったりするのではないかと思います。いずれSSDに置き換わっていくのでしょうが。
https://jpn.nec.com/bv/hoso/pdf/NEC_broadcast_catalog_2019.pdf
[:image10:]

【ハードディスク】
Quantum社 の Bigfoot は 動作中のHDDの内部、
スイングアームを見ることができる隠れた名機でした!!
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