最近、頭のなかはクロックで一杯です(^^;
ネットで調べているとどうやら MCK(マスタークロック)が重要らしいことが分かってきたというか、そのように主張する人が多い感じです。今日はその裏付けの一環としてMCKを観察してみます。
ワーストケースして過去の遺物の同期型のUSB-DACを取り上げ、現在音が良いと噂の 「SDカード再生I2Sトランスポート」の水晶発振器NDK交換&水晶発振器専用超ローノイズ電源換装品を戦わせます。
最初に注意が必要なのは観察に使うオシロスコープです。
↑このように、格好よく観測できればいいのですが・・・・
こういうデジタルオシロは高価です。個人で買うには敷居が高い。
昔ながらの安価なデジタルオシロは、
輝線が細い1本で更新頻度や部妙なブレが表現できません。
その点でアナログオシロはブラウン管?の残像のおかげで現実に近いものを見れました。(逆に言えば安価なデジタルオシロは現実を見れない)
デジタルオシロの弱点を補うための機能が、Tektronixの製品のデジタルフォスファオシロスコープだったんですね。趣味の範囲では安価はデジタルオシロとアナログオシロの共用が一つの解でした。
時は流れ、中国製のオシロが市場に沢山でてくると・・・
デジタルフォルファには及ばないものの残像が残せるデジタルオシロが安価に入手可能になりました。RIGOLです。これ即買い。
それでもアナログオシロは捨てられませんが。。。
ここまで、簡単に観測の背景を書いてみたのでした。
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SDカード再生I2SトランスポートのI2S出力のなかの BCK MCKを観測し始めると最初にミスしました。波形が矩形波のはずが・・・違う。
この波形、覚えがあります。※懐かしのアニメ「ヒカルの碁」よりオマージュ
audiodesignさんのブログにあった CDプレーヤーの BCK MCK(マスタークロック) 波形です。
↑上記リンクから一部引用ここから
ここまで
答えは BCK MCK(マスタークロック)だった訳ですが、氏の測定に誤りがあって後日修正されています。(残像がない、昔ながらのデジタルオシロの波形ですね。)
何が間違いだったのかというと、プローブの x1 x10 の
選択ミスでした。 今回、私も同じ間違いをした訳です。
こういうミスもをキチンと消去せず残してくれていると助かります。
プライドの高い人は自分のミスを証拠隠滅してしまいがちですが
それではイカンのです。
引用おわり
audiodesignさん Nice!! 貴重な情報ありがとうございます。
「おいこら! audiodesignのページにはシステムクロック波形と書いてあるだろ!マスターじゃねーよ」なんて批判が聞こえてきそうですが・・・Mi-takeさんのページからお言葉をお借りすると↓
↑そーゆーものらしいのです。ややこしいですがね(^^;
図:ついでにSDカード再生I2SトランスポートのI2Sシルク印刷の誤記?(ここでのSCKは実はBCKでした。BitClocK)
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話が前後しましたが、測定機材や設定の選択によって結果が異なってくることがあるので注意が必要です。
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では早速、ワーストケースの PCM2706(USB-DAC)の MCK。
デジタルフォルファのような綺麗な絵にはなりませんが、
ジッターのような横揺れが観測できました。
このPCM2706は音が出ればOK的な安価な製品なので・・・まぁ、こんなものかという印象です。
PCM2706とおなじ 5ns/div ですが 横の振れ幅が全く違いますね。
あと、観測波形も最初に比べて理想的なものに近く見えるようになりました。
これはプローブを 500MHz対応& x10のものに変更したからです。
ちゃんと矩形波っぽい。直角に立たないのは・・・電線のL成分のせいかな?高い周波数になっていけばなるほど、波形や寝やすくなる傾向がありますよね。
↑ 5ns/divで観察してたので1マス5ns。測定結果は立ち上がり5ns、立下り4nsとちょっとか?カタログ値より少しだけ鋭く見えているかも。※矩形波出力かと思っていたら台形出力が正しいみたいです
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観測の様子は動画にしてみました。
お時間あるときにでも見てやって下さい。
※nightwish_daisukiは電気の素人なので間違ったことを発信している可能性がある事にご留意ください。
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今回私は、ワーストケースとして USB-DAC(PCM2706)という
PC側と同期するタイプのICを選んでみました。
一方でたかじんさんはSPDIFレシーバーを採用して観測動画を紹介されていましたのでそれを紹介します。(たかじんさんは BCKの観察です。MCKではありません。SPDIFレシーバーとはSDDIFをSPDIFのクロックを復調してI2S信号にしてくれる部品の事です。)
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そんなこんなから、MCKは音質に “結構” 影響してそうな
予想が立ってきます。
(MCKが綺麗ならきっとBCKも綺麗と予想。いずれにせよジッターというか横の振れ幅が小さい製品が音質が好ましい結果が出ている感じ。今はまだ事例が少ないけれど・・・有志やプロの方が追試してくれのを期待しよう。)
また・・・、デジタルオシロとアナログオシロとで
波形の見え方が違ったりもします。不思議な事もあります。
この事は、。現実の組み合わせ、つまり「トランスポート側」と「DACのIC側」との接続というか組み合わせによっても
音質的な結果が変わってくる事が容易に想像できます。
結論として、
『測定と実聴の両面で取り組んでいく必要がある』なんてことは・・・改めて書くことでもないか。( 『nightwish_daisukiは測定ばかりで音楽を聴いていない』との批判も聞こえてきそうなので、一応。 ちなみに飽きもせずにしょっちゅうnightwishを聴いています(汗)昨日は気分を変えてvocalがアネット・オルゾン時代のを聴いてました。)
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おまけ:SAI(Serial Audio Interface)は件のトラポでは使用されていない様子だけれどもES3098PROのsyncモード(内臓のDPLLを無効化)で128FSのクロックを出力しようとしたときに活用できるかもしれない。https://www.stmcu.jp/wp/wp-content/uploads/files/presentation-ja/STM32MP1/45_STM32MP1-Peripheral-Serial-Audio-Interface-(SAI)_J.pdf
syncモードって何?という人は↓こちら。要はband幅がLowestより良い設定。自作派に人気の設定です。
まぁ、syncモードを無理して使わなくても、そもそもDPLLがないDAC-ICを使うのも良いかも。レガシーなPCM1794とかR2-Rですね。自分はAD1852が未だに好き(^^。ES9038PROは所有した事もなければ実力を聴いた事もないけれど。。。
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2024/01/29追記:yanaさんのsyncモードを使えるDACのマニュアル(http://yanasoft.jp/yana/ES9038DM3_DAC_1_1.pdf)より一部引用
引用ここまで
ESSのマニュアルの通り、サンプリングレートの128fs(128倍)の周波数をMCLKに入力したときにDPLLが無効化される(それ以外では無効化されない)ので、SyncモードをyanaさんのDACで楽しむ為には サンプリングレート384kHzの音源と49.152MHzのMCLKを用意すればいいです。(384k * 128 = 49.152MHz , 残念ながら SDカード再生I2Sトランスポートは公称192kまでなんだなぁ・・・ 試したら案外行けるのかもだけれど。どうなんだろう。)
ただし、
お気楽オーディオキット資料館のヒロさん曰く
「波形の滑らかさは周波数に依存しています。128FSR優先モード(SYNCMODE)ではマスタークロック周波数が低いためか波形の滑らかさがすこし足りません。周波数があがると徐々に波形の滑らかさが増していきます。
SYNC MODEはひょっとして352kHzや384kHzなどの入力にも動作できるように(マスタークロックが低くても動作する)、設定されたモードかもしれません。」
http://www.easyaudiokit.com/bekkan/ES9018K2M/es9018k2m.html
なんだってーー
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