昨春導入したDST-00(I2S-HDMI出力のDiretta Target、いわゆるDigital to Digital Converter: DDC)の改造推移を纏めました。年末に投稿した「電源トランスを重ねる際の注意点について教えて下さい」の続編でもあります。
まず、現在のカタチから。
DST-00は当初のクロック内蔵版から10MHz外部クロック入力版 (DST-00-CT)に変わっています。DST-00-CTは、デフォルトでは5VDCで稼働しますが、簡単な改造で5Vを1系統、3.3Vを3系統の独立給電に変更可能です。特徴を記すと:
- HDPLEX のH5というPCケースを流用
- 60VAのトロイダル型電源トランスを2基使用
- IanCanada製のLinearPi Dual + UcConditioner (x2)、LinearPi Dual MkIIで整流回路を構成
- 本体ケースにこれ以上の穴を開けたくないことと作業性からサブ・シャーシ(手許にあった3mmアルミ板を流用)に電源の主要部品を配置
外部電源化は、もともとトランス1基を既存の穴に取り付けてレイアウトしていたのですが、給電系統を増やすに際してトランスを追加したことでレイアウトに無理が出てきていました。そこで「電源トランスを重ねる」というアイデアに至り、前回の投稿となりました。結局、電源トランスを重ねてもスペースの節約以外は全くメリットが無く、デメリット解消も色々と問題があることから根本的にレイアウトを見直しました。最初からこうしておけば良かったかも。
さて、これまでの推移を簡単に記します。
① DST-00の導入。私が導入したのは開発者の原田さんの最終試作機。
② 外部電源化と別ケースへの移行。60VAのトロイダル型電源トランス1基で5V、3.3Vそれぞれ1系統出力の電源部を構成。
③ 合計6系統のマルチ・インプット電源化を実践。手持ちのIanCanada製のLifePO4バッテリー電源ユニットを使用。GentooPlayerで使用していた別のケースに移行。
④ DST-00-CTを導入。このユニットは電源構成が若干簡略化され合計4系統なので、②の実装にトランスと整流ユニットを追加して対応。トランスは横に並べ、整流ユニットは上下にスタック。
⑤ 電源トランスがDST-00-CTに極めて近いことから、漏れ磁束の悪影響が気になり電源トランスの積み重ねを実験。上からは②とほとんど同じように見える。トランスを重ねることに不安があり、この構成は2日ほど使用しただけ。
⑥ 2基の電源トランスをフロントパネル側に移動し、現在のカタチに
見た目の収まりも良いので暫くこれで使います?!
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のびーさん、改造例はたいへん参考になります。ひとつ質問です。
DST-00-CTには砲弾形三角のステンレスベースを敷いたままですが、これには特段の理由がありますか。DST-00では外してらっしゃいますね。他の方の改造例でも外してますので気になりました。
MacWinFanさん、細かいところまで見て頂いて恐縮です。
あの砲弾形三角のステンレスベースを途中から敷いた理由は、幾つか有りますがどれも大したものではありません。
① 私のDST-00は最終試作機で、当初はベースもアクリル製でした。
② DST-00-CTを購入した際、原田さんにフロントの電子ペーパーを無償で付けて頂きました。「ステンレスベースも欲しいなぁ」とねだると「あのベースは、部品単体としては最も原価が高い!」と言われました。よく見ると、しっかりした造りで重量もあり音にも良さそうです。これを使わない手は無い、と思った次第です。
③ OrangePiをシャーシに固定するには4つのM3のネジ穴を正しい位置に開ける必要があります。特にバックパネルとの距離は微妙で、近過ぎても離れ過ぎてもコネクタが上手く繋がりません。それならベースごとシャーシに載せればバックパネルとの距離は完璧です。
④ 電源からの不要輻射を減少させるシールドする方法を模索しましたが、DST-00のアクリルケースに銅箔テープを貼り付けるのが一番簡単そうで、そのケースの固定にはステンレスベースがベストです。
お返事ありがとうございます。
ひとつ懸念は「アクリルケースに銅箔テープを貼り付ける電磁シールド」を施した場合、熱がこもりCPUが過熱して音質に影響するかもしれません。このケースはスペース的に自然対流が望めませんし、このCPUは空冷ファンなしではヒートシンクを付けても数℃しか下がりませんでした(ラズパイ3での実例)。冬場はまだしも夏場には70℃を超えると思います。
https://philm-community.com/macwinfan/user/diary/2023/08/20/21030/
ご紹介の日記は読んでいて、熱のことは気になったので、デフォルトのままで実際に温度変化を観察したのですが、少なくともウチでは上がっても50度程度でした。
原田さんにも照会しましたが、OrangePi部分は最低限度の仕事しかしていないので温度のことは大丈夫ではないか、というコメントでした。
一応、ヒートシンクを付けたのと、ケースは上蓋が無く片側がオープンですから、実機では心配する必要が無いレベルだと考えています。
のびーさん
こうやって振り返るとDST-00で随分と遊んでいたのですね〜。笑
周回遅れですが私のもやっと分散電源化が進みました。
電源分散後の音は別物ですね〜、少々戸惑っています。
気持ち良くてどんどんボリュームを上げたくなってしまう。。。
Rev.5の記事を読みました。
CENYAさんの個体では電源分散化とクロックの違いが大きいと思います。
次はCT基板を入手して外部10MHzも試してみて下さい(あおってます)。
のびーさん
色々な音の項目で変化があったのですが、アレ?って思ったのは音像のエッジ感がガサっと無くなった事です。
PCMなんですけど感覚的にはDSDの方向に寄って行った感じです。
一気にやり過ぎたので何が効いてこうなったのかが分からんです。
外部クロックですか〜、そこまで行くとハイエンドの領域で夢がありますね。
のびーさんが次の基板に進化した時に今のを譲って下さいませー。笑