またAGSモドキの話です。
題名だけでは「何のこと?」と言われそうですが、順に書いていきます。
事の発端は、前回の「丸棒を塗ったら音質が激変した」という事から、丸棒をこれ以上なく表面の凸凹を平坦化、つまり、サンディング、あるいはポリッシャー掛けをしたらどうなるのか?と興味が湧きました。
ちなみにコレ、本家AGSでも恐らくやっていません。
何故なら、サンディング(研磨作業)は特殊業種で、非常に時間と手間とコストが掛かるからです。
研磨サンディング業種が、金属加工、木材加工業者数に比べ、絶対数対比で圧倒的に少ないという理由もあります。
本家の丸棒表面を見ても、とても(何回も)サンディングをやっているとは見えませんしね。
その前に塗装の話ですが、ニスにしろ塗料にしろ、筆塗りは不得意というケースもあるかと思います。
まあ、最終的にヤスリ掛けしてしまうので、最悪は塗面が少々凸凹でもなんとかなる・・・・って話ですw
ただ、筆塗りの時点で均一に塗れていれば、サンディングは少しで良くなる訳なので、まずは塗装から考えていきます。
筆塗りが不得意な理由として「あまり器用ではない」という理由もあるかと思いますが、そもそも、不得意な人物の塗装作業を見ていると気が付くのが、コレを使っていない事が先ず挙げられます↓
薄め液です。
ニスに始め塗料にも言えますが、缶や瓶に入った塗料そのままで筆塗りが”巧く”出来る事はほとんど無いと言っても過言ではありません。
ニスや塗料を購入したら、先ずはかき混ぜ棒で塗料の硬さを確認し、硬いと感じたら薄め液で薄めます(水性は水で薄める)。
刷毛塗りはガンで吹く訳ではないので、ポタポタ水のように垂れるまで薄めなくても良いですが、若干緩く薄めると塗面が均一になり易くなります(塗った後、乾くまでの表面張力で均一になるのを利用する)。
あとは、空気が乾燥しているとか、気温が高いとか(ガンの場合は湿度など)の条件下で、塗りながら薄め液を足していく作業が必要になります。
そもそも、光沢ニスを使用しているので、当然光沢を出すためにニス塗りは複数回塗り重ねています。
で、塗り重ねる前にサンディングを行う訳ですが、1回目塗り後は♯600、2回目塗り後は♯800、3回以降は♯1000でサンディングをした後に塗り重ねていきます。
サンディングは手作業です↓
最初の♯600は塗表面のボコボコ具合で、番手を上げたり下げたりする必要もあります。
木材の場合は番手を下げるのが一般的です。
ちなみに今回、スピーカー後ろの180cm高AGSと、その上に載せる70cm高のミニAGS↓
これらを全て3回塗り重ねるのに、油性ニス0.7L缶を1缶使い切りました↓
・・・・で、3回塗り重ねた後に、ポリッシャーで研磨作業を行います↓
なお、この場合のポリッシャー掛け作業に、高価なダブルアクション式は不要で、安モノのシングルアクションでOKですが、回転トルクの高めなモノを軽く当てて作業します(強く当てると、ニスや塗膜が剥げたり焦げたりするため)
最初は横着して、画像の通りに組み立てたまま取付ネジを緩めて丸棒を回転させながらポリッシャー掛けをしていましたが、結局、全バラでポリッシャー掛けをしました。
3回塗り重ね、サンディングをした後、ポリッシャー掛けをして組み立てた状態です↓
もう、表面はツルッツルです。
今回は、とりあえずバラし易い70cm高ミニAGSモドキのみポリッシャー掛けをしましたが、組み立てた後の音質評価です。
今回は70cm高モドキしかしていませんが、音質の支配力はかなりな効果でした。
ニス塗りだけでも空間再現性が広くなりますが、3コートサンディングの後にポリッシャー掛けをすると、ビックリするくらいに音場が広く感じられます。まるで出来の良いSACDマルチを聞いているかのような。
あと、キレが半端ない。
キレが良いのに刺々しさがあったり、耳障りだったりする事がありません。
ただ、このキレの良さは聞いていて爽快で極めて気持ち良いですが、諸刃の剣?で、キレが良過ぎるために、特にアコースティックの粗が強く浮き彫りにされる事が分かりました。
この一件の理由で、ルームアコースティックを再考する必要が出てきてしまいました。
長くなるので、その話は次に書きます。
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