Auro3D邸訪問記:20ch超マルチシステムの響き

日記・雑記
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myu邸訪問の折に、勿論Auro3D邸の最新機器による音を試聴させて頂きました。STORMのAVプリをch増設して32ch,Dirac LiveもARTなるものが導入されています。さてどんな変化なのか興味津々!一時、myuさんも参加されました。その時の印象はmyuさんのブログを参照ください(https://myuaudio.hatenablog.com/)。

さて、機器の変化ですが、24chだったSTORMのAVプリを32chに増設して、LCR,SL,SRは各ch毎2ch使用して、バイアンプ。但し、ウーハーは正相接続(元々は逆相)にして、STORMのフィルター(多分?)とDirac Liveで位相と周波数特性を調整されています。Auro-3Dだと、サブウーハー4機使用して、7.4.6で計7+4+6+5(前記のバイアンプ分)=22chを使用している他、スクリーンを下ろして映画を視聴する際には上下にセンターSP2台を別chで鳴らしておられます。ATMOS用のセットもあって、十分には説明できないほど複雑です(笑、汗!)。また、Dirac Live ARTなるものは、全ch使用して、140Hz(?)以下の低音を周波数特性のみならず、減衰特性も制御するという、myu邸のピュアーデジタル(https://philm-community.com/tomy/user/diary/2023/09/27/21508/)とは対照的な、超マルチアンプシステムと言えるのではないでしょうか!

まず、聞いた順とは異なりますが、最も印象に残った音源の印象を!!

【熱海の花火、Auro-3DのAuro3Dさん秘蔵音源、13.1ch】

ARTをONにして、ターゲットカーブは、後でご紹介する拙宅に類似したものをセットさせて頂いて試聴しました。

(音源とは全く異なる写真です、悪しからず、汗!)

これには開いた口が塞がりませんでした(笑)。50mほど先で打ち上げられた花火が上昇して行き、頭上の吹き抜け天井のずっと上で炸裂して、そのインパルスが重低音と共に上方から体に向かって飛んでくるのが、本物そっくりに再現されていました。最初は視聴位置に座ってい聞いていましたが、そのうち我を忘れて立ち上がって、上方(天井)を見上げながらあっけにとられながら聞き入りました。訪問の一週間ほど前に、ヒルトンラグーンで花火を見てきたところで、それを実に見事に再現しているように感じました。天井(屋根)のずっと上から低音のインパルスが飛んでくるんですよ!実に印象に残る音でした。

【ARTとDLBCの比較、上原ひろみ、VOICE/MOVE、2ch】

以前のAuro-3D友の会の方々(K&Kさんなど)のレポートにもあるように、DLBCでは低音がよりふくよかですが、ARTになると引き締まりました。ピアノの音はソナスはソフトドームを使っているためか比較的優しい響き。しかし、その後、お約束していた拙宅風のターゲットカーブのを設定している時に気が付いたのですが、ARTとDLBCのデフォルトのターゲットカーブは違っていることに気が付きました。ARTは低音まで完全フラットに対して、DLBCは50HZ位のところで+5dBくらい上昇するターゲットカーブだったのです。これが低音感に大きく影響していたように思います。ARTの音は上記のように素晴らしいものですが、DLBCとの正確な比較は次回に持ち越しとしました(泣、汗、笑)。残念!!

【ARTのターゲットカーブの設定】

そこで、お約束もあったので、試しに以下のようなターゲットカーブをセットさせて頂きました。Auro3Dさんは、デフォルトのターゲットカーブを1kHz以下で使用しておられ、1kHz以上は(位相制御は別として)周波数特性はソナスの特性そのままです。それに対して、全域補正として、低音は100Hz以下緩やかに上昇させ、高音はソナスの特性を活かして、10KHz以上を少しロールオフさせるものとしました。10Hzくらいが少し上昇していますが、これは下げられなかったためで、ARTもこの周波数を真剣に補正はしないだろうと思います。SWとのクロスオーバー周波数などはARTが自動で決めるようで、写真にもSWが受け持つ帯域の周波数特性などは表示されていません(DLBCだと、ここにSWの周波数特性が重ね書きされています)。200-300Hzの帯域(ウーハーとミッドのクロスする領域)が凹んでいるので、STORMのAVプリのフィルターを入れていないかもしれませんね(逆相→正相反転のため、打ち消し合っているかも?)。

(設定させて頂いたターゲットカーブ)

この状態で聞いた上原ひろみのVOICE/MOVEは素晴らしい音でした。ピアノの音も、低弦のゴリっとした感じが出てきていたし、低音感も期待どおりでした!

【ADELE/30 とAl Di MeolaとPaco de Luciaのギターデュオ/Friday Night in San Francisco、2ch】

上記の試聴の後、myuさんのご希望で試聴、視聴位置では聞きませんでしたが、特にAl Di MeolaとPaco de Luciaのギターの弦のはじく音は印象的でした。音量はmyuさんご希望の爆音!!(笑)。出音の印象はmyuさんのブログに詳しいです。聞き終わった後直ぐ、myuさんから「100点満点ですよ、この音ならどこに出しても恥ずかしくないでしょう・・・」という言葉が出てきたのが、その良さを物語っていますね(^o^/)。

【Magnificat/Tuvayhun、Auro-3D】

Magnificatは2章から始まる合唱隊の声が上に上がっていないか、響きは上方に拡散するか、また、Tuvayhunは9章辺りからの重低音(The pure in Heart)や弦を弾く音(右側)と鈴のようなパーカッション(左側)などが左右に広がって、広大なステージが広がる(The face of God)かなどを中心に試聴しました。

拙宅での再生と同様、Magnificatの合唱隊の声は、上方に上がることは無く、その響きは上方に良く拡散して敬虔な響きを十分堪能できました。Tuvayhunの重低音では、凄い低音が出ているにもかかわらず、膨らむこともなくすっきりとしていたので、部屋の中を歩き回ってみました。どこかで定在波が溜まっている個所が無いかと?しかし、定在波でブーミングするところはほぼありませんでした。一か所だけ、螺旋階段の下に僅かあるのみ。元々の部屋の特性なのか、ARTの効果なのかは分かりませんでしたが、吸音など無しに上手く行っているなあ~と感心しました(笑)。ステージの左右への広がりも自然で良かったです。左の壁と左フロントSPが近いので、僅かに左への広がりが抑制されている感じはしましたが、軽微でした。

この2枚のアルバムはSACDの5.1ch録音もあります。Auro3D邸では時間の都合で比較できませんでしたが、気になったので帰宅後比較試聴してみました。5.1chの音もかっちりとして良いのですが、敬虔な響きと感動という点で、Auro-3D音源の圧勝であったことを付記しておきます。拙宅ではそうだったのです。

【Chick Corea, Rendezvous in New York, Gonzaloとのダブルピアノ、5.1ch】

5.1chの左右の広がり方を聞くのに何時も聞く音源です。Chickのピアノが右、Gonzaloのピアノが左で、拙宅だと一直線か若干逆ハの字に並んで聞こえます(https://philm-community.com/tomy/user/diary/2023/02/01/15029/)。以前Auro3D邸では二つのピアノが左右に分かれてLPを挟むように聞こえるとのことでした。ところが今回は、拙宅とほぼ同様、前方のステージに左右に一直線に並んで聞こえました。ワイドなステージ感が良かったです。拙宅での音像配置が、Auro3D邸でも確認できました。

【Polarity、Auro-3DのJazz音源】

これは、Auro3D邸の音源です。フォッサマグナツアーでも聞いたとか。ドラムが後ろ側で鳴ります。拙宅では聞いたことが無い音源で、比較のしようがありませんが、ドラムの音は少し膨らみ気味。私がセットしたターゲットカーブがまだまだ十分ではない感じでした。後ろにドラムが聞こえるのも、Jazzファンの一人として、「う~ん、どうしたものかなあ~」ですね(笑)。

【Eagles Hotel California、5.1ch】

これはSACDですが、5.1ch再生とAuromatic(13.1ch)再生の比較を行いました(Auro3Dさんのご希望)。

AuromaticをONにすると、ハイトSPからかなりの音が聞こえてきます(1F層をOFFで聞いた結果)、しかし、1F層のSP群をONにすると、音像は5.1ch再生とほぼ同じ高さに聞こえました。この音源の聴き所は最初のドラムのアタックが力強く、クリアか、また、センターボーカルが低音にマスクされてぼやけないか、包み込まれ感が良いかなどだと思います。実は第二層SPの影響の試聴で、この辺り記憶が定かではないんですけど(汗、笑)、ボーカルとドラムのアタックは綺麗であったことは記憶しています。5.1chとAuromaticの音質などの差は、残念ですが、記憶外(爆)。

ということで、大変楽しいOFF会でした。Auro3Dさんありがとうございました。

次回はARTとDLBCの真剣対決(笑)をお願いします。

コメント ※編集/削除は管理者のみ

  1. Tomyさん

    この度は、「試聴」というよりは拙宅での「実験」(笑)にお付き合いいただき、レポートをありがとうございました。

    Commentをする前に、少しCorrectionを(汗)

    >ウーハーは正相接続(元々は逆相)

    Sonetto VIIIでデフォルトで逆相になっているのは、中高域です。

    >Dirac Live ARTなるものは、全ch使用して、140Hz(?)以下の低音

    詳しくは下記で報告していますが、ターゲット領域は150Hz以下です。
    http://koutarou.way-nifty.com/auro3d/2023/08/post-2a0162.html

                                       
    さて、そのうえで(笑)、今回の「実験課題その1」のARTについてですが、

    >以前のAuro-3D友の会の方々(K&Kさんなど)のレポートにもあるように、DLBCでは低音がよりふくよかですが、ARTになると引き締まりました。

    低音の聴こえ方(好み)は(高音もですが)、結構個人差があるんだなあ、というのが、今回のフォッサマグナツアーの「成果」の一つでして(同じシステムを大勢で試聴して、その後感想を語りあって分かったことです)。それ以来、オーディオ評論家が「すごい低音」とか「低音が物足りない」とか書いていると、眉に唾をつけて読むようになりました(笑)。

    しかも、オーディオの世界って、学会とは異なって、用語の正確な定義をスルーして議論しているのがこのところ身に染みてきたので(汗)、同じ現象に対しある人は「締まる」と呼び、ある人は「痩せた」と書きかねません・・・幸い、私もARTは低音を「締める」と感じているので、TomyさんとはK&Kさんなどと同様、ある程度Codeを共有しているようで、コミュニケーションが成立していて嬉しいです(笑)。現場でTomyさんも言語化しておられましたが、「低音の解像度が上がる」という現象が確認できますよね、ARTは。それが好みかどうかは別にして。

    次に、もう一つの「実験課題その2」である、Auro-3D(Matic)で、第2層・3層はどのような仕事をしているのか?ですが、

    >AuromaticをONにすると、ハイトSPからかなりの音が聞こえてきます(1F層をOFFで聞いた結果)、しかし、1F層のSP群をONにすると、音像は5.1ch再生とほぼ同じ高さに聞こえました。

    これは、Auro-3DのNativeソフトでも同じ実験をしましたね。つまり、第1層の出力をすべてオフにして、第2層・3層だけで再生するとどのような音がどの程度出ているのかを確認していただきました。ここには書かれていませんが、さらに、第二層のハイトセンターと、第三層のTOPだけを鳴らしてみて、そこに特にMaticだと如何に小音量の音しか振られていないかを確認したと思います。

    Auro-3D(Matic)は設計思想として、第一層が形成する音像定位に影響を与えないようなレイアウト(先行音効果)や音量設定になっているので、

    >声は、上方に上がることは無く、その響きは上方に良く拡散

    という印象を持たれるのが普通の耳の方なら設計者の狙い通りなんです(笑)。ただし、ここで「用語」の共通理解が必要なのですが(汗)、Tomyさんのお書きになった文章をもう少し精緻な議論のためにパラフレイズすると、<「音像」は上方に「上昇」しないが、「音場」は上方に「拡散」する>のが、Auro-3D(Matic)の特徴だと私は自分のシステムで聴いていて日々感じています。

    私は、5.1chのHotel CaliforniaをTomyさんに聴いていただく際に、「Don Henleyの<口>の位置が「上昇」するかどうかに集中してください」とお伝えし、5.1ch NativeとそれをAuro-Matic化したもの(拙宅の場合は、1Fに2ch、2Fに5ch、3Fに1chの、計8ch拡大され、13ch再生となる)を聴き比べていただきましたよね。Maticにすると、「再生会場の天井が高くなった感じがする=音場が上方に拡大する」が、Don Henleyが「空中に浮く」(笑)ようなことはなく、変わらず「自分の目の前で」歌ってくれる、つまり「音像の位置は左右上下とも変わらない」ことを確認していただいたと思います。

    これはTomy邸のシステムでも全く同様ということですし、この曲は今夏のフォッサマグナツアーの課題曲だったので、4つの異なるシステムで大勢の方がこの曲のAuro-Matic再生を聴いたわけですが、誰一人として「Don Henleyが宙に浮いている」という感想を言われた方はおられませんでした。つまり、Auro-3D(Matic)による再生は<音場が上方に拡大しつつ、音像定位は揺るがない>というのは拙宅だけで観察できる現象ではないことが確認されていると思います。

    今回、改めてTomyさんの耳で、これを確かめられたということですね!

    最後に、「花火」ですが(笑)、まあ、あれは音楽ではないので、褒められても・・・(汗)。ただ、ARTの効果は低音再生にあるだけではなく、低音の音像が整理されることで、中高域を含めた臨場感が増すという効果もあることは、私も日々実感しています。ただ、「花火」については、軽男邸での強烈なインパクトにインスパイアされて、現在、<秘密作戦>を計画中です(Tomyさんとは相談済みですが=笑)。成果が出たらご報告しますので、また試聴に来てください!

  2. Auro3Dさん、お早うございます。

    早速のコメントありがとうございます。
    今回はAuro-3Dの音像位置の変化など、確認作業をかなりしましたね。確認とは少し異なりますが、Auro-3Dと他のフォーマットの比較について少し思ったことは以下のようなものです。

    1)音源の器としては、Auro-3D>5.1ch>2chは疑いようがない。無論、全てのチャンネルが同質であることが条件です。同質のより多くのチャンネルを使うのですから、良くなってっ当然です。
    2)しかし、音源を作るミキサー(製作者)の技量、および再生側の機器/環境の質も問われるでしょう。
    3)2)を満足する条件で、Auro-3D音源の音像が上昇しているなら、それはディレクターズインテンションということになります。なので、今回のAuro-3D音源の音像確認については、正確に言えば、拙宅とAuro-3D邸で同じ位置だったということに留まります。ディレクターズインテンションは(入交さん作成音源で、Auro邸で確認したもの以外は)残念ながら分からないので。多くの他邸でも同様なら恐らく正解ということでしょう。これから機会あれば確認されてください。
    4)当たり前のことを書いただけですけど、2)の条件は難しいです(笑)。全ch同質なんてまず無理ですから、どこまで同質ならOKか?、個人的には第二層にどでかいSPやSWを持ち上げる必要はないという結論に至ることを願っています(爆)、とは言え、軽男さん邸の音はぜひ聞いてみたいです(^o^/)。
    5)Maticについては、MaticOFFを基準にできるので、音像の上下動の確認は容易ですね。ほとんど上下動しないことが確認されました。

    低音感は難しいです。
    タイトな低音といっても、50Hz以下を下降させている場合も多いかと思います。重低音を出さないと、中高音はマスクされないので、クリアに聞こえます。最低域まで、十分に低音を伸ばして、その状態でクリア・タイト・強烈なインパクトも再現する低音が(私の)永遠に届かない目標です(泣、笑)。ARTが叶えてくれるのか??期待しています!

  3. 追伸

    ソナスは中高音が逆相だったですね。失念していました。また、ARTは150Hz以下でした。Correctionしたいけど、もう直せないので、スイマセン(汗)!

    ソナスのK&KフィルターはSTORMのフィルターには入っていなかったですか?もしそうなら、STORMのフィルターで中高域に6dB/octのハイパスフィルター(K&Kフィルター)、また、低域にも6dB/octのローパスを入れたうえで、ARTの補正を掛けると良いかもしれませんね。

    • Tomyさん

      ちょっと「もう片方の趣味」に珍しく取り組んでまして(笑)、レスが遅れました。

      >ソナスのK&KフィルターはSTORMのフィルターには入っていなかったですか?

      鋭い! 最近、キャリブレーションをしていなかったのと、この時は急いでいたので、言われてみれば、この設定、忘れていたような気がします・・・(汗)。

      確かに、昔のキャリブレーション後の測定結果のf特と見比べると、ずいぶん中低域が凹んでますもんね。最近は、すっかり「お任せ」モードで、終了後に測定結果をしげしげと見るようなことが無かったので、今回、Tomyさんが私のPCとずっとにらめっこしていてくれたお陰で、いろいろな発見があって良かったです。

      今度は、東京の書斎にも来て下さい!!!

  4. Tomyさん、

    レポート楽しく読ませていただきました。
    Auro3D邸のARTも私が聴いたときからかなり調整が進んだと思われます。

    ≻DLBCでは低音がよりふくよかですが、ARTになると引き締まりました。

    これが私のARTに対しての印象ですが、DLBCとARTではターゲットカーブが違うんで
    すか?
    そうなると何が何だか分からなくなりそうです。(笑)

    ネット上での解説や私が聴いた時の印象ではARTは低音の吸音効果ということなのかなと理解しています。
    ARTを使用すると低音が不足するという印象は私にはありませんでした。

    私は低音が適切に吸音された部屋の響きが好きです。むしろ低音がというより「全帯域が均等に吸音された」というべきかもしれません

    実際には「低音が適切に吸音された部屋」というのは難しくてあまりありません。
    私の限られた経験では石井式で吸音反射構造を石井伸一郎さんの指針に忠実に作られた部屋や天井に大きな吸音構造を持った部屋など数軒を知っているだけです。

    Auro3D邸は大きな空間の部屋なので定在波の影響は少ないと思っていたのですが、素のままよりもやはり低域の残響を少し抑えた方が低域の音のにじみが改善されるのかなぁと感じました。

    TomyさんやAuro3Dさん、myuさんがどのように感じられたかを知りたいところです。

  5. K&Kさん、

    レス有難うございます。
    今回のARTとDLBCの比較試聴ではターゲットカーブが随分違っていたので、それ以後は比較試聴しませんでした。また、残念ながら、私の拙耳に絶対低音感があるわけでもないので、コメントしないほうが良いかな・・というのが正直なところです。DLBCの時の音は、低音をもう少し抑えてもいいかなという印象でした。ARTの時の低音が瘦せているとは感じませんでしたが、とは言え、DLBCでもターゲットカーブを同じにすると低音が引き締まるでしょうから、差は正直分からないです。機会あれば、次回は、両者のターゲットカーブを同じにするか、両者にそれぞれ合ったターゲットカーブで比較させて頂ければと思っています。

    >むしろ低音がというより「全帯域が均等に吸音された」というべきかもしれません
    REWで減衰時間を測れば、一目瞭然なんでしょうね。

    • Tomyさん
      K&Kさん

      両師匠筋(笑)揃い踏みで、ARTの研究に取り組んでいただけるのは嬉しい限りです。実に興味深い発想で作られた機能ですが、そのメカニズムと共にメリットとデメリットをちゃんと解明したうえで、この画期的な新技術を使いこなしていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

      さて、Dirac LiveのVideoや自分のPC上に表示される測定済みのf特やインパルス応答などを見ても、例によって(汗)、何が何だかわかっていないので(笑)、私の駄耳による印象論だけになってしまいますが、ARTを使うことで、低音の「量」がどうなるのかは、Afterでもこちらの好みで増減できると思いますが、Afterでは如何ともしがたいであろう点は、「低域の解像度」です。

      これはARTでいろいろなジャンルの曲を聴きまくって(これは現状、StormのAVプリを持っている人だけの特権!)「確信」したことですが、特定の音源で特にわかりやすいものがあるので例を挙げると、K&Kさんの試聴用の音源の一つである、ScandalのピアノDuoがありますよね。あれ、曲に合わせて床を踏み鳴らして「ドンドン」という音を出して、それを効果音に使っているパートがあるのですが、Before ARTだとその床を踏み鳴らしているときに履いている靴が、スニーカーかな、という感じだったのが、ART Onでは、「ああ、これ革靴だわ」とはっきりと分かるのです。つまり、床に接触した瞬間の「音」の解像度が上がったんです。

      もう一つ驚いたのは、私の青春の思い出の(笑)、ピンクフロイドの『狂気』の最初の「心臓の鼓動」を模したかのような低音ですが、私はあれはシンセサイザーで合成された音だとずーっと思ってきたし、聴いてきていました。しかし、ART Onで、初めてあの音は「基音としてキックドラムを使って(恐らくシンセを加えて)作り出している」ことに気がついたのです。ドラムに、ペダルで踏んでバチ(?)が当たっている音が感じられたからです。40年以上いろいろな所で聴いてきた曲ですが、私には初体験でした。

      他にもありますが、このような「低域の解像度の違い」は、「低域の量やf特」とはPhaseの違う現象のような気がしていますが、どうなんでしょうか?

      • Tomyさん、横レスお許しください。

        Auro3Dさん、
        Scsndale でのアリス・サラ・オットの床踏み鳴らし音は彼女の裸足のかかとによるものだと思っています。
        アリス・サラ・オットは裸足で演奏することで有名だからです。
        添付写真をご参照ください。普通こんな写真裸足では撮りませんよね。

        いずれにしても私もあの音はARTの効果がわかりやすかったと思います。
        低音の吸音が十分でないとあの音に滲みが出てボワンとした響きになります。

        あれはmyuさんのところでも聴きました。myuさんはご自宅の音をART無しの音だわと言って笑ってましたね。myuさんのシステムはウーファもサブウーファも密閉型で低域はむしろ抑制的で膨らみがあるようには思えませんでしたがあの踏み鳴らし音はAuro3D邸のART有りと比べるとやや滲むかなといった感じを受けました。
        比べなければ全く問題と感じるものではなかったのにもかかわらずです。
        ですから私には低域の量の違いではなく残響の違いと感じたのです。

        Auro3DさんがARTの効果として感じた

        ≻床に接触した瞬間の「音」の解像度が上がったんです。

        との感覚は全く私が感じたものと同じです。

        最後に誤解を招かないように追記します。
        あの床踏み鳴らし音は環境によってはちょっと気になるレベルのボワンとした感じになることを経験していますが、ART無しでのAuro3D邸でもmyu邸でも私は問題とは感じませんでした。一般的には十分だと思っています。
        ART…もしかすると聴かない方がいいのかもしれません。(笑)

  6. K&Kさん、Auro3Dさん、こんにちは

    サラオットの床の踏み鳴らしの件、楽しくコメント拝見しました。私もK&Kさんにこのソフトのことをお聞きしてから、その床の音は時々低音チェックに聞いています。柔らかいソックスのようなものを履いて硬い木床を踏み鳴らしているように思っていました。裸足だったのですね!それも、Tristanoではなく、サラオットとは・・(笑)。”滲み”の感覚はどういうものなのかは良くは分かりませんが、後で聞きなおしてみます。心臓の鼓動も!

    >「低域の量やf特」とはPhaseの違う現象のような気がしていますが、どうなんでしょうか?
    その通りではないでしょうか。減衰特性を改善するのですから、部屋の低音の吸音処理に近いものだと思います。但し、リスニングポイントの付近のみを調整しているので、部屋全体の吸音とは、これまた違うのでしょうけど。

    >(K&Kフィルター)最近、キャリブレーションをしていなかったのと、この時は急いでいたので、言われてみれば、この設定、忘れていたような気がします・・・(汗)。

    やっぱりそうでしたか、この凹みをフィルターで直してからDirac Liveを掛けないと、クリップマージンが凹みの分低下しますので、フィルターを追加したほうが良いですね。ああ、それと、Diracの測定時と再生時でElacとFostexのSWの音量配分を手動で変更するのも止めた方が無難です。ARTが上手く働かない可能性があります。

  7. Tomyさん
    K&Kさん

    補足をありがとうございます。

    >アリス・サラ・オットは裸足で演奏することで有名

    そうなんですね!よほどかかとが堅いのかな?(笑)冗談はさておき、解像度が上がって床と足との接触音が感じられるようになったので、てっきり革靴なのかと(それまではぼんやりした音だったので、スニーカーかと思っていました=汗)。どちらも素足ということは、ARTオフだと足の「肉」が床に当たっている音、ARTオンだと「骨」が当たっている音、という感じでしょうか?(笑)いずれにせよ、タップシューズでないことだけは確かですが(爆)。

    >比べなければ全く問題と感じるものではなかったのにもかかわらずです。ですから私には低域の量の違いではなく残響の違いと感じたのです。

    これについては、今ちょうど、Myuさんがご自身のブログにご自宅の残響時間のことについてデータをUPしておられます。伊豆の拙宅のデータに比して、低域における残響時間は同じような感じに見えます。部屋全体の残響時間そのものは、拙宅の半分ぐらいの時間なので、かなりDeadである、と測定値からは言えるようです。Myu邸は記事にも書かれてありますしお二人とも訪問しておられるのでご存知のように、拙宅に比せば、反射や吸音に気を使っておられますし、床も拙宅に比せば剛性が高そうな印象です。にもかかわらず(笑)、というところが、ARTの威力なのかもしれません。ただし、これはMyuさんもおっしゃっていたように、「痩せすぎのスーパーモデルが、自分の好みかどうか?」はまた別の観点での評価となりましょう。

    >リスニングポイントの付近のみを調整しているので、部屋全体の吸音とは、これまた違うのでしょうけど

    これはTomyさんが拙宅の部屋中を聴いて回られたうえで、「定在波でブーミングするところはほぼありませんでした(中略)。元々の部屋の特性なのか、ARTの効果なのかは分かりませんでした」とありますが、私がどなたかに教えていただいた付け焼刃の知識によると、固形物には必ず共振周波数があるのと同様、「定在波の無い部屋(=壁に囲まれている空間)はあり得ない」と伺ったことがあります。ARTの効果が、LP「だけ」に留まるのか、部屋全体に効果があるのかは未検証ではありますが、私の素人の勘だと(汗)、定在波というものがもし、部屋のあちこちの特定の場所に「籠る」ものであるとすれば、定在波を逆相での打ち消しで減少させようというARTの場合、「部屋のあちこち」にSPが分散して配置してある部屋の方が、「定在波busters」としては有効といえるのかな、とも見えますがどう思われます?例えば同じ部屋で、4台によるARTと30台によるARTで、どちらがより有効に定在波抑制として機能するか、という問いです。

  8. Auro3Dさん、こんばんは

    >4台によるARTと30台によるARTで、どちらがより有効に定在波抑制として機能するか
    これは、言うまでもなく数が多いほうが有利だと思います。

    >>リスニングポイントの付近のみを調整しているので、部屋全体の吸音とは、これまた違うのでしょうけど

    測定しているのはLPの付近だけなので、それ以外の場所では、逆にひどくなる可能性があるはずですよね。それにARTがどう対処しているのかがポイントですね。SPで音波を吸収することは可能性薄なので、LP付近の減衰特性を改善するために放出した音響エネルギーがどこかで悪さをしないか・・・これが部屋の吸音処理と違う点だと思っています。

    >解像度が上がって床と足との接触音が感じられるようになったので、てっきり革靴なのかと(それまではぼんやりした音だったので、スニーカーかと思っていました=汗)。
    擦れ音は中高音なので、低音によるマスキングが無ければ、聞こえるようになるはずですね。素足と床の擦れかどうかは、低音を絞れば、より聞こえ易くなるはずなので、低音を絞って確認されると良いと思います。拙宅でも試してみます。

    • 追伸、

      心臓の鼓動については正解です!おめでとうございます(笑)。
      >It’s not really heartbeat, it’s specially-treated bass drum made to sound like a human heartbeat And it’s much slower than normal heartbeat
      という記述が見つかりました。

      • Tomyさん

        ご教示、感謝します。一つだけ、理解できない部分がありますので、引き続き、お願いします!

        >低音を絞れば、より聞こえ易くなる

        ここでいう「聞こえ易くなる」というのは、「解像度が上がる」という意味で使っておられると理解しますが、となると、「音量を絞った方が解像度が上がる、細かい音が明瞭に聴こえるようになる」という解釈になります。これは、一般的な、経験的な理解とは逆ではないでしょうか?音量が大きいほど(もちろん、歪まない程度に)、解像度は高くなるのでは?ゆえに、先日もMyuさんが拙宅であれほどの大音量でCheckをされたと思っておりますし、録音エンジニアが使うスタジオモニターSPも、ことごとく、最大入力値が高いものばかりですよね?

        >心臓の鼓動については正解です!

        ありがとうございます。この文献の出典が無いので、どこまで信じてよいのかはわかりませんが、仮にこの言説が正しいとして、この文章を読む「前に」、あの音が「ドラムを叩いて生成されている」ことに気がついた人が世の中にどれほどいるのでしょうか?

        学生時代に、心理学の授業で、「月に兎がいる、と最初に言いだした人は、並外れて目が良かった方に違いありません。一度、「兎がいる」と言われれば、その後に続く人は、<脳内認知>が出来上がっているので、月をただ見るのではなく、<月の兎を見ようとする>ため、この言説流布後は誰でも簡単に兎を見つけることができたと思います」という話を聞いたことを思い出しました。私の耳は決して人より優れているわけではないので(汗)、これまで40年以上も聴き分けられなかった(しかも、昔の方が耳が若くて性能が良かったはず)わけですが、今ごろになって「発見」できたのです。これはひとえにARTという技術のお陰以外の何物でもありません。正に、恐るべし、という思いを新たにしました・・・

  9. 私も追伸です(笑)

    >Diracの測定時と再生時でElacとFostexのSWの音量配分を手動で変更するのも止めた方が無難です。ARTが上手く働かない可能性があります。

    この部分、見逃しておりましたが、これに関し、一つ興味深い経験があります。先日お見えになった時にお聴かせすればよかったのですが、私は、ARTを解明するために、2ch+ARTで再生しているときに、LRをオフ(それとSWもすべてオフ)にしてみたことがあります。こうすると、拙宅の場合、残り15chからはART用の150Hz以下の逆相音しか出力されないはずです。この音量、どのくらいのものか、想像できますか?(笑)

    ほとんど聴こえないレベルなのです。「逆相」とはいえ、他に「正相」のSPが無い状態で聴けば、相互に打ち消しあうことなく、人間の耳には「音」として聴こえることは良くご存知と思いますが、極めて低レベルの出力しか出ていません。

    また、同様に2ch+ARTで試聴しているときに、わざと何台かのART用のSPをオフにしてみたことがあります。私の駄耳には聴感上はほとんど変化は感じられませんでした。つまり、音量を変えるどころか、一つや二つをオフにしても変化が分からない(拙宅の場合はSP数が多いからでしょうが)のです。ARTというのは、20台あるうちの1台の音量を絞ったり上げたからといって狂ってしまうほど、微妙なモビールのようなバランスの上に成り立っている技術ではないようです。

  10. Auro3Dさん

    >、「音量を絞った方が解像度が上がる、細かい音が明瞭に聴こえるようになる」という解釈になります。これは、一般的な、経験的な理解とは逆ではないでしょうか?

    音量を絞ったら解像度が上がるとは言っていないつもりです、言ったことの一部を誤解していらっしゃる。例えば、低音の出過ぎているSWを絞ると、低音の解像度は上がります。さらに絞って、全体の音量を上げると、ベースやドラムスは痩せ気味になりますが、擦れ音などの中高域成分は聞こえ易くなるので、ハッキリ分かるようになるだろうと言ったつもりです。良い音にはなりませんが、重低音によるマスキングは低減すると思います。

    >ARTというのは、20台あるうちの1台の音量を絞ったり上げたからといって狂ってしまうほど、微妙なモビールのようなバランスの上に成り立っている技術ではないようです。
    40~50Hz以下はほぼSW4台で補正しているのかなと思っていましたが、20台全て、同じ音圧で制御しているならそのとうりだと思います。

  11. Auro3Dさん、追伸です。

    >この音量、どのくらいのものか、想像できますか?(笑)
    大雑把な計算はできますよ(笑)。ARTが補正のために出している逆相の総和は、ほぼ、音楽が出している低音の反射音の音圧の総和に近いはずです。減衰時間を早めるためには、打ち消すのにほぼ同じ音圧の逆相が必要だからです。ARTの打ち消し音が小さく聞こえたなら、150Hz以下の反射音が小さかった(耳には聞こえにくかった)といことではないかと思います。低音なので耳の感度が低く聞こえずらかったかではないですか?確か、STORMには各SPの出力メーターがあったはずです。2ch再生で逆相音のみのSP(例えばC)の出力音圧のdBに、20ch分、即ち約26dB足して、LRかSWの出力と比較して見て下さい。低音楽器が鳴っているパートだと結構近い出力になっていませんか(数dB小さいかも)?

    2ch再生で、センターSPからの出力はL/Rの出力の26dB減に近い(少し低い)のではという計算です。非常に大雑把ですけど(笑)。

    どちらにしても、150Hz以下の反射音に近い音量の逆相を出しているということだろうと思います。

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