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洗足学園音楽大学ビギナーズオーケストラ演奏会

日記・雑記
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定時に会社を飛び出して電車に乗って向かった先は、夕闇迫るJR川崎駅前にそびえ建つミューザ川崎シンフォニーホールだ。
駅から直結するエントランスをそのまま進むと、大ホールに向かうホワイエが続く。

ブログの方もご覧ください。


照明で照らされたガラスのエントランスの向こうに入り口へ登るエスカレーターが徐々に近づいてくる様が気分を高揚させてくれる。


今夜は洗足学園音楽大学ビギナーズオーケストラ演奏会を聴きにきた。
洗足学園は幼稚園から大学院まである音楽大学で、昨年4月に入学した管楽器、打楽器の学生が初めて経験するオーケストラとして、日頃の練習成果を発表する場として用意されている。
弦楽器パートは洗足学園内外からオーデションにて選考した学園所属のオーケストラで構成されているという。
今回の指揮者は炎のマエストロ「コバケン」こと小林研一郎氏であり、若い学生のエネルギーとが融合するとどうなるのか?いやがうえにも期待が膨らんでいく。


コバケンの指揮であるにも関わらず、このコンサートは学生の発表の場だから入場料は1000円と破格。
ワインヤード形式で低めのステージを螺旋状にグルグル取り巻くように配置された座席のため、指定された席は2階だったが1列目のやや右寄りのなかなか良い場所で、ここならステージにもずいぶん近くに感じられる。
この前の東京芸術劇場の席と比べると本当に前なのがわかるだろうか。


座席に座って上を見上げるとこんな感じで、天井の高さも座席周囲の空間も十分で、このホールが響きの良さで定評のあるのがこうしてみるとわかるような気がする。


演奏プログラムは、まずベートーヴェン作曲、エグモント序曲 op.84、2曲目がシベリウス作曲、交響詩「フィンランディア」op.26、そしてスメタナ作曲、交響詩「モルダウ」、休憩をはさんでチャイコフスキー作曲、交響曲 第5番 ホ短調 op.64という構成で、管楽器奏者の学生の演奏技量を披露しようという意図があるのだろう。

さて、演奏会の出来であるが・・・・・・

先ず第一に、観客が普通のコンサートとは違い学生達の親兄弟や親戚が多く、マナーが悪かったことは残念(-_-;)
演奏中にステージの顔見知りを探すのに必死でキョロキョロする人、イタイター!ドコドコー?と他人が迷惑していることに無頓着な人。

極め付きは、メインのチャイコ5番第一楽章の冒頭。

クラリネットの2重奏が重厚な響きを奏でて荘厳な空気にホール全体が包まれ、非常に良い響きがオーケストラから出だしたときに、突然鳴り響く携帯電話!!!
これにはたまらずコバケンもタクトを置くハプニング。

このように書くと、何だか酷い演奏会だったように思えるが、全体的には楽しめる演奏会だった。

1年生全員をステージに立たせるためだろうか、1曲ごとに管楽器、打楽器全員が入れ替わるし、2管編成のエグモントでさえ管楽器は4~5人とダブルキャスト並みにステージに並ぶので、弦楽器との音量バランスをとるのが大変だったろう。
その分、弦楽器も遠慮なく弾ききるために楽器の響きの乗りは最高で、フォルテッシモの場面では管楽器から発せられた音がホール全体に木霊する。

コバケンの指揮はエネルギッシュではあるが、演奏中の学生を指導する教官としての指示やOKサインを出す仕草が多く、演奏スタイルもいつものコバケン節よりも、合奏から生まれる共鳴の響きをオケから引き出そうと訓練を重ねてこられたことが見て取れた。

楽器演奏は流石に上手いが、まだまだ演奏家というには未熟な学生達をこれだけまとめあげて、一糸乱れぬ演奏を披露したコバケンに対し、最後は観衆からスタンディングオベーションが起きるほどの賞賛が与えられていた。

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