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三田フィルハーモニーオーケストラ第20回定期演奏会

日記・雑記
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夏休みに入った昼下がりの大田区民ホール・アプリコ前にやってきた。
ブログの方もご覧ください。
今日は今年14回目のコンサートで三田フィルハーモニーオーケストラの第20回記念定期演奏会にやってきた。
三田フィルは、1989年に都立三田高校管弦学部のOBオーケストラとして産声を上げて20年。
当初は三田高校OBオーケストラとして活動していたが2001年より三田フィルハーモニーオーケストラと改称し、OB以外の団員も徐々に増加して80余名に充実し今に至っているという。

今日の演奏会は、指揮者に横島勝人氏を迎え、1曲目に、J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」序曲、2曲目がシベリウス:「カレリア」組曲Op.11、休憩を挟んでチャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74 「悲愴」というバラエティに富んだ選曲。
横島勝人氏の指揮は今まで数多くのアマチュアオケで聴いてきたが、大胆な解釈で曲の聴きどころを余すところなく引き出す技量、アマチュアオケの演奏レベルを引き上げていく卓越した指導力に注目していた指揮者だけに、今日の演奏会も期待していた。

開演時刻になり団員がステージに揃ったところで団長の挨拶。
団の創立に関わった、当時の三田高校管弦学部指導者だった北海道教育大学の三澤教授にインタビュー&花束贈呈の後に演奏会が始まった。

最初のシュトラウスⅡ世のオペレッタはウィーン風の軽やかな演奏で始まった。
横島氏の指揮は両手を大きく広げ、まるで踊っているかのような軽やかな身のこなしと満面の笑みを浮かべながら、オケを指揮している。
テンポはゆったり軽やかなウインナワルツのリズムを刻み、弦楽器と管楽器がオペレッタのメロディを奏でる。

2曲目はシベリウスの「カレリア」。
これもゆったりとしたテンポで始まったが、ウィーン風とは違う白夜のフィヨルドを彷彿とさせる神秘のメロディが、北欧の夏を思わせる。
ここでは弦楽器が特徴的なリズムを刻み続けてホルンやその他の管楽器群がメロデイラインを奏でていく。

三田フィルのサウンドは華やかではないが心に響く深い音色。
その特長は木管楽器パートにもよく現われ、暖かい響きのアンサンブルが心和む。

休憩後ノチャイコフスキーが圧巻であった。
冒頭より極弱音のコントラバスの上にファゴットのメロディが重なる。
テンポは極めて遅いもののピンと張り詰めた緊張感の中、チェロとヴィオラが主題を提示して曲を繋いでいく。
しかしテンポは非常に遅い。

2楽章のワルツでも決して軽快で穏やかな楽章とは言えない一音一音に魂を込めた音楽の発露。
重く重々しく重厚で神々しい。

心に秘めたものを吐き出すかのように激しい第3楽章。
三田フィルのメンバーも横島氏のタクトに応じて、全身から音楽を吐き出しているかのような演奏には、思わず拍手が沸き起こった。

しばしの拍手の後には、再び重く重々しい終楽章が続く。
この「悲愴」はまさしくこの度の東日本大震災への鎮魂曲。
目を閉じてこの終楽章を聴くと思わず涙が溢れそうになる。

曲は金管のコラールでクライマックスを迎え、日が落ちていくように次々と楽器が演奏を止めて行き、最後にコントラバスが演奏を止めた。

暫しの沈黙の後に拍手が沸き起こり深い感動の中で演奏会はお開きになった。

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