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東京クラシカルシンガーズ 第10回記念コンサート

日記・雑記
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10月の連休中日の日曜日。
昨日から降り続いた冷たい秋雨も昼前には上がり雲も徐々に薄くなってきた。
JR新橋駅から海辺に向かって歩くこと5分余りで着いたところは、浜離宮恩賜庭園の入り口。
ブログの方もご覧ください。

もともとは徳川将軍家の鴨狩場で、一面の芦原が広がっていたところを埋め立て、海水が入る汐入りの池と鴨狩場のある別宅を設けたのが始まり。
明治になって天皇家の所有となり名前も浜離宮とされた。
戦後、東京都に下賜の後に今のような浜離宮恩賜庭園となったそうだ。

再開発が進む汐留シオサイト地区の高層建築と江戸の昔からの石垣の対比が面白い。

浜離宮恩賜庭園から築地方面に歩くと朝日新聞新館に併設された浜離宮朝日ホールの外観が見える。
今日は今年39回目のコンサート。
ここ浜離宮朝日ホールでは東京クラシカルシンガーズ&オーケストラ・オン・ピリオド・トウキョウの第10回記念コンサートだ。
東京クラシカル・シンガーズは、バロック時代から古典派までの合唱曲を、古楽的なコンセプトにのっとって演奏することを目的とする合唱団として2004年に第1回演奏会を開いて以来、今年で10回目の演奏会となるそうだ。
指揮者・指導者は坂本徹氏で、共演は同じ指揮者・指導者つながりの関係となる古楽合奏団のオーケストラ・オン・ピリオド・トウキョウ

浜離宮朝日ホールはシューボックス型で座席数は1階448席、2階104席の計552席の小型ホール。
残響は1.7秒と十分な響きを持っている。
今日のコンサートは全席自由席で2500円。
会場前から並んで前列から3列目の真ん中に座る。

今日の演奏は指揮者が坂本徹氏、バロックフルート独奏に水谷定徳氏、独唱陣に本宮廉子(ソプラノ)、北條加奈(アルト)、鏡貴之(テノール)、浦野智行(バス)の4名を迎えた特別演奏会。

曲目の最初は合唱と管弦楽の演奏でモーツァルト:聖体の祝日のための奉献歌「来たれ、人々よ」K.260、2曲目はモーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調K.313、休憩をはさんだメインは、第10回記念演奏会を2010年10月10日に開くという10番つながりで、ハイドン:ミサ曲第10番変ロ長調「テレジア・ミサ」Hob.12。
いずれの曲も明るく祝祭ムードにあふれた曲ばかりだ。

古楽唱法による合唱団の演奏を聴くのははじめてだが、ノンビブラートでよく通る歌声は、小型のパイプオルガンを加えたピリオド奏法の管弦楽とあいまって、教会音楽の良さを余すことなく聴衆に伝えてくる。
前列3列目に座ったのだが音量は丁度良いくらいで、合唱団の歌声が天井からも降り注ぐ感覚は、目を閉じて聞くと教会のような荘厳な感じがした。
2曲目のフルート協奏曲は、バロックフルートによる演奏。
渋く太い独特の響きのバロックフルートの音は、客席の後だと音量が小さめだったかもしれないが、前列に座った小生は丁度よいバランスで協奏曲を楽しむことができた。

最初の2曲の出来が素晴しかったので、これは本当にアマチュアか?と改めてプログラムを眺めたが、指揮者とフルート独奏、独唱者以外は皆アマチュア。
それでも通常のモダン楽器演奏経験は豊富な上に、ピリオド奏法の魅力に目覚めてこの道に進んだのだろう。
最後のハイドン:テレジア・ミサはプロの独唱者が加わり、管弦楽も金管楽器とバロック・ティンパニが加わって、壮麗な出だしから始まった。
キリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイ・・・・・・
途中でモーツァルトの交響曲第25番のテーマが使われているのが特徴的なこのミサ曲は、バッハやモーツァルトのミサ曲ほど内省的ではなく、ヘンデルに近いような気がする。
合唱団、管弦楽団ともアマチュアとはいえ演奏経験は十分と見えて、余裕すらある演奏に観客はぐいぐい引き込まれ、演奏終了時には万雷の拍手で4度もソリスト達が呼び出されるほどの素晴しい演奏会であった。

最近心惹かれるものがある声楽の魅力にあらためて考えてみた。
やはり生身の体から発せられる肉声そのものの個性による魅力が一番大きい気がする。
例え原語で歌われてその歌詞がわからなくても、歌い手の表情で伝わってくるものがある。
もちろん楽器演奏でも同じように個性が伝わってくるのだが、人の声が一人一人違い、細やかな心のひだを映し出すニュアンスの表現に魅力がある。

白髪の紳士が合唱団の中で上気した顔で一生懸命に歌っている姿を見ると、小生も歌ってみたい。
そんな気がしてきた。

声楽の魅力は、そんなところにあるのかも知れない。

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